レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

予期せぬ出来事 – の週

2019-02-17 03:00:00 | 日記
二月も中旬。レイキャビクはまだ雪に覆われているところも目につき、気温もゼロ度あたりをさまよっています。ですが、日の長さはぐんぐんと伸びていって、今は夕方六時でもまだ明るいです。

気象局の公式サイトでは、例えば昨日の土曜日は日没が18:05、暗くなるのが18:56と掲載されています。反面、明るくなるのは8:30、日の出は9:20とまだまだ遅いですね。

さて、先週の一週間 -正確に言うともう少し長くて先の十日間くらいなのですが- 身の回りを中心に様々な出来事が連続して起こり、非常に忙しい思いをして過ごしました。「忙しい」というのは「やることが多い」という意味もありますが、それ以上に「心を占められる」「持っていかれる」という面も大きかったと思います。

ほとんどは仕事関係の出来事だったのですが、どんな感じの一週間だったかをざっくりと書いてみたいと思います。もちろんすべてを書くことはできませんので、差し障りのないものを。

まず十日ほど前の先々週の木曜日になりますが、私がお世話をしている「難民の人たちとの祈りの会」の参加者の一人が、大きな幹線通りの陸橋に登り「飛び降り」の様子を見せたため、消防隊や警察まで駆けつけ「御用」となってしまいました。




レイキャビク ハウテイグス教会での祈りの会の様子


私は当日は会いに行くことはできませんでしたが、翌々日の土曜日になって教会で二時間ほどゆっくり話し合うことができました。この人は以前から「痔」に悩んでいて手術を望んでいたのですが、聞き入れられなかったことに対する抗議だったようです。(功を奏したのか一週間後に施術されました)

その土曜日なのですが、遡って朝の九時からNHK第一ラジオの「ちきゅうラジオ」という番組に「生」で出演させていただきました。約8分間。

その一時間前の八時に番組担当のスタッフの方が電話してくることになっていたので、こちらも多少早起きをしてスタンバイ。声が寝ていては申し訳ないですから。

たった八分でも、事前に「こういう質問があるから、こういう風に答えて、次はこうで」のように打ち合わせをします。録音と違って「生」では、間違えることができませんので、そこは緊張しますね、やはり。出番を待っている時間。することはないのに忙しい、という見本です。

ただ日本語なので楽です。こちらでもラジオはよく出る機会があるのですが、アイスランド語で話しをするのはいまだに冒険気分になります。話しの内容よりも「文法」の方にアタマが行ってしまう。(^-^;

翌日の日曜日は、十一時から礼拝があるのですが、私は責任がなくただ参加するだけ。「ただ参加するだけ」というのは罰当たりな言い方です、スミマセン。仕事ではない、という意味です。

で、その前にサムターキン78というLBGTの人たちの団体のオフィスへ寄って写真撮影。その団体の現会長(可愛いレスビアンの女の子)から「LBGTの人たちの権利を訴えるキャンペーンがあるので、支援してくれ」と頼まれたからでした。

LBGTの人たちの事柄に関しては「教会はすべからず保守的で反対派なのだろう」と思われる方が多いかもしれませんが、そんなことはないですよ。アイスランドでは牧師さんたちの半数以上が支援に回っていると思います。もちろん、強弁な反対派もありますが。




ラジオで紹介した伝統料理 中央左の灰色の半円形のものは羊の睾丸


その足で礼拝へ。私の同僚の可愛い女の子牧師の担当する礼拝でした。(こういう風に女性に「可愛い女の子」を連発すると、それだけで「性差別者」の非難を浴びそうですが、可愛いのは事実だし、「可愛いだけ」ではなく有能な牧師さんなのでした)

午後は自分のホーム教会で礼拝を担当。ここで嬉しかったのは、長らく滞在許可の問題で出国を余儀なくされていたアフリカのチモさんが、晴れて「合法的に」戻ってきて礼拝に来てくれたことです。

ただ実際はこれも直前になって、「ビザが降りない」「空港警察に拘束された」などハプニングの連続で、こちらもアタフタしたのですが。チモさんはアフリカのある国に退去していたのですが、すべては「勘違い」の所産で、ほどなく誤解が解けホッとしました。

チモさんのことは以前にも書いたことがありますが、とにかく問題解決まで丸七年かかりました。解決して本当に良かった。

夢 お告げ、迷信、深層心理?


ですがその礼拝の後、ひとりのレギュラー参加者である難民申請者の青年から携帯にメッセージ。「一言も告げずにごめんなさい。でも訳あって別の国へ出国しました」

あれ、まあ。難民申請者は「うまくいかない」とみると、別の国へ逃れていくケースはよくあります。ただ、こん青年の場合は、待っていれば許可が下りるのは間違いなかったので、少々驚きました。

ですが、彼には非常に理解できる、個人的な事情がありましたので、事前に言ってくれたら祝福して送り出したんですけどね... まあ、それは彼の判断です。

それから火曜日の朝になって、読売のネット版を見ると、あの「池江璃花子、白血病を公表」とあるではありませんか! これは私の身の回りのことではありませんが、ショックを受けました。

そして翌日でしたか?池江さんのツイッターでのお礼と決意表明。「私は、神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」

十八歳の若者がすごいな、と思わされました。まずはしっかり治療をし、元気なっていただきたいと願い、祈ります。

水曜日。この日は夕方から難民申請者の人たちが、レイキャビクで自らの権利をアピールする集会を持ちました。実はこれも急に決まった集会で、二日くらい前にアナウンスされたもの。




難民のアピール集会 ハットゥルグリムス教会前から国会議事堂まで行進


No Bordersというリベラルな団体の支援を受けて、六十人ほどが空港の町ケフラビクにある難民キャンプからも参加しました。

もちろんレイキャビクにいる難民申請者や支持者も参加。私も行きました。こういう集会には私は何度も参加してきましたが、今回嬉しかったのは、私の他にも教会の牧師、ディーコン(教会の中にあって、福祉の色彩が強い奉仕をする職)の参加を表明してくれたことです。

そのうちのふたりは、「祈りの会」を一緒にしている女性牧師でした。ひとりは先に述べた「可愛いだけではなく有能な女の子」牧師です。もうひとりも同様。ところが、集合場所へ来る途中で、彼女らが一緒に乗った車が追突事故に遭ってしまいました。

結局、ひとりは一応病院で診察を受けねばならず、アピール集会に参加はできませんでした。それでも、幸い怪我はなかったようで「神に感謝」です。

忙しい、というよりはハプニング的な、予期せぬ出来事が続いた週、と言った方が正解かもしれませんね。とにかく心は忙しかったです。(*^^*)

願わくは今週は落ち着いた、多少のんびりした日々となってくれますように。皆様も心にゆとりを持って過ごすことができますよう願っています。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is

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