レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド 「エコ」のトレンドと...

2019-06-23 00:00:00 | 日記
早いもので、日本からアイスランドに帰ってきてから早くも一週間が経ってしまいました。日本に向けて出発した頃 -五月の最終週でしたが- も好天で、出かけて行ってしまうのがもったいない気がしたのですが、その好天は私が不在中もおおむね維持されたようです。

さらに私が戻ってきてからも、天気は良いままになっています。実際、帰ってきた夜などは「暑い」と感じるほどで、シャツに、今回ユニクロで買ったショートパンツ(薄手の生地)で過ごしました。

アイスランドに移ってきた当初 -1992年からの数年- は夏でも「暑い」と感じることはほぼありませんでした。好天でも外へ出ると風が冷たく、長袖のものを一枚羽織る必要がありました。

「アイスランドの夏は、日本の高原の夏」というのが私の得た感想でしたし「夏らしい夏」を懐かしんだことを覚えています。

それが、十年くらい前からでしょうか?夏の後半、七月の中頃から時々「風が暖かい」ということを経験するようになりました。いつも、というわけではないのですが、夏っぽい風を体験するようになったのです。

「これが話題の地球の温暖化か」と、その当時でも思い当たりました。

今回、六月の中旬のうちに、「暑い」と感じるようになったのは、ますますその「温暖化」が進んでいる証拠なのでしょうか?

「地球温暖化」を阻止すべく、何らかの取り組みに参加することは、現在のアイスランドのトレンドになっています。

春先には「政府はもっとハッキリ、シャッキリ、もっとアクティブな温暖化阻止の取り組みをしてちょうだい!」という、大規模な「小学生の」デモがありました。

それに続いて大学生も同じ趣旨の抗議集会を開いていた記憶があります。




Graen kirkja「緑の教会」Facebookのぺージより


私が出入りしている教会でも、ゴミの分別をきちんとするようになっています。教会本部も、きちんとした分別等に関する指導を始めていて、一定の基準を満たすと「グライン・キルキャ」(緑の教会)という賞状(盾)を贈ってくれます。

これはごく最近の話しで、長い間ゴミの分別に関しては、東京はかなりの先進国でしたから、私は実は「アイスランドはまだまだ遅れてるな」とあきれていたことも記憶しています。

東京と違い(少なくとも私がいた八王子では)、分別が「合格ラインに達していない」ゴミを回収車が持って行ってくれない、ということはまだこちらではありませんので、ゴミの分別はいまだに日本(少なくとも八王子)の方が先を進んでいましょう。

もうひとつの「温暖化阻止」の取り組み、というか町のトレンドは「プラスチックのレジ袋!」反対の大合唱です。ついこの間までビニール袋を誰しもが20クローネ払っても利用していたのですが、いつの間にかビニール袋は、トウモロコシか何か植物性の原材料で作った袋に取って代わっていました。お代は倍になり40クローネ。

にもまして進んでいるのが「お買い物袋持参」。私も店別のお買い物袋がみっつほど車のトランクに入っています。いや、別に「店別」にする必要はないのですが、むしろ大きさが三種類と思ってください。

容量が大きいものは、気楽にどんどんぶち込めるので、便利といえば便利ですね。ただ、私はまだついついトランクから出して持っていくことを忘れてしまいます。独り身なので「買い出しに行く」という決意なくして買い物に行くことが多いからだと思います。





小中学生を中心とした若者たちが「地球温暖化」に抗議 今年三月


今回日本に帰省した間にニュースで見たのですが、日本でもレジ袋廃止に向かっていくようですね。ただコンビニでは「2030年を目処に廃止へ向かう」とかだったので、ずいぶん悠長?

都内のコンビニの店長さんがインタビューに答えていましたが、「始めから買い物に来るお客様もありますが、気が向いてとか急な必要に迫られていらっしゃる方が多いので、レジ袋の全廃はなかなか難しいものが...」

なるほど。それはそうですね。東京の真ん中とレイキャビクでは人の動きの規模と種類が違いますからね。単純比較は無理でしょう。

こちらでの「エコ運動」のもうひとつのトレンドは「電気自動車」です。これもごく最近の話しだとおもうのですが、ヴォルヴォが「2019年以降ガソリン車の生産を廃止する」とか打ち上げてから急速に「電気自動車」(EV)熱が上がってきている感があります。

実際にトヨタ車は軒並みハイブリッド車が売りに出されていますし、私の周囲でも日産のリーフをよく見かける気がします。電気自動車はリーフ以外にもあるはずなのですが、リーフがやたらと目立つ気がするのです。やっちゃえ、ニッサン。

レイキャビク市長は「電気自動車用のスタンドを増設し、ガソリンスタンドを減らす」意向を表明しましたが、これには石油関連の業界から「時期尚早」と批判が上がりました。「事実、ガソリン車の方がまだ圧倒的に多いのだから」とのこと。正論です。




こちらでは人気上昇中のEV リーフ


アイスランドの「国風」というか、ひとつ目に付く特徴は、社会が小さいが故に、何かがものすごく短い期間のうちに国に満ち溢れる、ということがよくあることです。

これはiPhoneやその他のハード系の「もの」に限らず、あるものの考え方や生活スタイルなどの「ソフト」もしかりです。

最近、ユーロビジョン参加に関しての世論の「右から左へ」の急旋回について書きかしたが、同じように「国民総意」的な現象は、この社会では割と容易く起こりえることだと思います。

憎しみが勝つ.....ユーロビジョン?


批判的に言えば、これは「ミニ・ファシズム」とも呼び得るものです。先日も教会のスタッフが雑談で電気カーへの「乗り換え」について話していました。私はつい最近、格好良いマツダのCX3の新車を買ったばかりだったので「オラは電気カーは最後の最後まで買わない」と述べましたところ「なんで?」と白い目で睨まれてしまいました。

「なぜならCX3の電気ヴァージョンはまだ出ていないし、おそらく将来も出ないだろうから」なのですが、それよりも「みんながやっていることをしないとは...」的な発想には、マジで反発したくなります。

「オラ、ユーロビジョンも見ないし、ハータリも応援しない。電気カーには最後の最後、免許を返上する時まで乗り換えないゾー!!」と言ってやりたいのでした。

その一方で、レジ袋全廃は構いませんし、お買い物袋持参運動にも参加します。人に言われる前から、その意義を理解できるし「そうしよう」と自分で納得できるからです。

「みんながそうしてるんだから、お前も...」はダメですよ。たとえ大義が存在し、皆の協力が必要であったとしても、そういう仕方で人に圧力をかけ服従を促すのはダメです。それは身の回りにあるファシズムですからね。

大義が明瞭であればあるほど、その種のミニ・ファッショは起こり得るような気がします。知らずに参加しているようなことがないように、自戒。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is

コメント (1)
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