レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

浜のアザラシ、陸のナマケモノ

2020-07-19 00:00:00 | 日記
こんにちは。七月中旬のレイキャビク西街からご挨拶です。今、これを書いているのは16日の金曜日なのですが、レイキャビクでは、風が強いですし、黒っぽい雲の合間から太陽が時々見え隠れするような、あのいかにも「不安定」という天気になっています。

アイスランド北部を中心として、昨日、今日、そして明日にかけて、久しぶりに強風荒天の警報が出されています。

こちらでは、ボチボチと外国からのツーリストも戻り始めているので、警報が出されている北部ではトレッキング中のツーリストが不用意に荒天の中に取り残されることなどがないように、注意を喚起しています。それでも、キャンピングカーが強風に煽られて横転したり、山の斜面が崩れたりと、多少の被害も出てしまったようです。




「癒し」のアザラシちゃん
Myndin er eftir Zdenek_Machacek@Unsplash


ところで、先々週の半ばから私の生活に変化がありました。夏休みに入ったのです。で、今回は夏休みについて触れざるを得ないのですが、これってわりと書きにくいトピックなんですよね。

社会の仕組み、または文化の違いで、こちらでは誰でもガッツリ「まる一ヶ月」夏休みを取ることになっています。そういうところから日本向けに夏休みのことを書くと、なんというかイヤミに取られかねないかと心配してしまうからです。

短い間でしたが、私自身「新橋のサラリーマン」でしたので、日本での夏休みの短さは体験していますし、こちらへ移って以降も、旅行に来られる方、特に結婚式などでいらっしゃる邦人の方にお会いする度に、いかに「休みを取るのがしんどいか」を伺い続けています。

ですが、こちらの生活をご紹介していく中で、やはり夏休みは避けられない生活の一部分です。私の書きますことは決して嫌みでもあてこすりでもありませんので、まずはそのことのお断り書きです。

さて、私の夏休みなのですが、前回書きましたように七月の最初の日曜日に、私の娘の娘の洗礼式がありました。その日は朝から式後のお茶会等の準備、式とお茶会の後は後片付け等々で座る暇がありませんでした。

で、その夜は「マジで疲れた〜」となりました。肉体的なこともありましたが、やはり精神的なものの方が大きかった気がします。赤ちゃんに関することは、やはり気遣いで疲れるんですよね。

その週明けの月曜、火曜あたりはそれでもウダウダと仕事をしていたのですが、水曜日になって「もうダメ〜」となりました。集中できないし、ささいなことでイライラしてくる。それで夏休みを取ることにしました。「でも、そんなに急に休みに入れるのか?」と思いでしょ?

今回は大丈夫な状況だったのです。もともと七月は「休みの時期」なので、周囲が皆いません。教会へ行っても、いるのは私と、サバチカル明けのシフトの牧師さんだけ。仕事をするにしても、非常に制限された枠内でのこととなるのです。

それでも、私の職務内では七月は忙しくなることもあります。昨年は結構忙しかったように記憶しています。私は難民の人たちの関係の仕事に従事しているのですが、難民の人たちは七月にもやってくるからです。例年は。

ところが今年の場合は、あのコロナの影響で、ヨーロッパ間でも行き来が途絶えました。その結果、難民の人たちの行き来も制限され、結果、新規難民申請者がいない、という空白期が生まれたのでした。

実は6月末に国境がオープンして以来、すでに難民申請者の人たちは来始めているのですが、「二週間の隔離期」がコロナのためにあるため、まだ私のところへ来る人はいないのです。

そうなると、私の職務内での「絶対にしなくては」の部分も相対的に少なくなり、急な夏休み宣言をしてもOKとなったのでした。本当は、休みは七月の最後の週の前後十日間、と予定していたのですが、疲れたし、休むなら今のうち、というのが正解のように思われたので予定変更です。

考えてみると、二月以降絶え間なく忙しい日々でしたし、忙しいだけでなく自分が最終責任を負うような課題が多かったのです。コロナ自粛中も、むしろすることは増えた感がありましたし、まあ、初老のおじさんなら疲れても当然の状況ではあったですね。

そう言いながら、日本の同年輩の諸氏はもっと疲れてんだろうな、という思いはありますが...

とにかく、それで9日の木曜日から夏休み。それ以降一週間でしたこと...

何もなし。

自慢ではないですが、眠ること、(息子が帰省していたので)食事を作ること、洗濯、週一ブログ、ネットでテレビ。これで全部。自分でも驚くくらい何もしませんでした。




ナマケモノは英語ではsloth この顔もまた癒し系ですね
Myndin er ur Ja.wikipedia.org.jp


読書すらせず。まさしく陸のナマケモノ(Sloth)か浜のアザラシちゃん。ちなみにワタシ、アザラシちゃんに究極の癒しを見出すタイプです。

朝起きて、運が良ければ「Nスタ」のライブをまず見ます。これ、毎日は見れないんです。ライブをアップしてくれる人がいる日だけ限定。これはライブですよ。生(なま)。同時進行中。

その後、昼過ぎから「バイキング」と続いて「グッディ」。これらは十二時間程度の遅れで見ることになります。一時期、ネットから姿を消してしまったこれらの番組ですが、最近、また見れることが多くなりました。

面白いもんで、「バイキング」とか昼から見始めると、生で見ているかのような気分になってきます。実際は半日遅れなんですけどね。

ただ最近は「豪雨災害」「コロナ復活」「ユッキーナ電撃引退」とかで、気が滅入るようなことばかりですよねえ。でもこれが現実か〜... (それに土曜日の三浦春馬さんの突然の訃報。ビックリしました。まだ三十歳だったとか... ご冥福をお祈りいたします)

そのような怠惰な毎日。でも、あの朝、目が覚めた時の「ああ、今日は何も予定がないんだ」という思い。いいですよねえ! 至福のメゾン一刻だなあ。今の状況下限定ですが。(いつまでもこうでは退屈します)

私の場合は、例年は真夏になるより前に日本へ二週間くらい帰省し、それを夏休みとしていたのですが、今の状況ではそれは無理ですね。日本へ戻っても、コロナ対策で「二週間隔離」となったら、それだけで休みが終わってしまいます。

アイスランドでは、東京のようなぶり返しは起こっていないものの、コロナの影響はまだまだ残っています。例年なら、大挙してスペインだとかにバカンスに出かけるアイスランド人ですが、今年はもっぱら国内旅行。

観光業サポートのために、日本のGo Toトラベルと同じように、政府は国民全員に5000クローナのクーポンを発行。国内旅行先の主な観光スポット、ホテル、飲食店等で使えるそうな。自分で使わない人は、他者に譲渡できるそうで、私も誰かにあげようと考えています。




かわいい... アザラシちゃん
Myndin er eftir Brendan_Hollis@Unsplash


今の時期はまた、例年だったら留学生が最終準備に入る時期なのですが、今年は高校生のホームステイ留学の斡旋元が「秋からの留学」中止を決めたそうです。毎年日本からの高校生を受け入れた家庭の方から「残念だ」と聞きました。

大学でも留学生予定の方々は、アイスランドへ向かう方も、アイスランドからどこかへ向かう方も、様々な予定変更や、あるいはキャンセルに直面していることでしょう。

誰かが意地悪しているわけではなく(米移民局の『留学生帰れ』政策は限りなく意地悪に近い気がしますが)コロナのせいですから、他者を責めることは難しいでしょう。とにかく、できるだけ当初の目的がかなうように願います。

コロナの影響といえば、リモート・ワークがとにもかくにも導入され始めたのですから、これを機会に、日本のお勤めの皆さんがもう少しゆったりとした夏休みやお正月休みを取れるような、システム改革が起こるといいですね。

「休ませられない」ということは、実際にはそんなにはないんじゃないか、と以前より考えています。実際により長い休暇を組み込んでいる先進国は多数あるのですから、可能なはずです。

コロナはとんでもない災害となりましたが、何かしら「ポジティブ」なものが、そこから生まれてくるように願いますし、また、そのように努力しないといけないでしょうね:

と、のたまうレイキャビク西街のアザラシでした。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする