こんにちは/こんばんは。
八月です。毎年のように書いてきたことですが、八月の第一の週末は、こちらではVerslumannahelgiヴェルスルマンナへルギ「商人の週末」と呼ばれるお祭りの週末で、月曜日が祝日となっています。
なかなか休みが取れない商店関係の人がゆっくり楽しめるように、という趣旨で始まったもののようですが、昨今は大規模な野外でのフェスがあちらこちらで持たれる週末となっています。
それが昨年はコロナで全滅。今年は! とはりきっていた人も多いのですが、先週書きましたように、こちらでもコロナのデルタ株が急速に広まっており、残念ながら今年もお流れになってしまいました。
野外フェスのメッカと化したヴェストゥルマンナ諸島では、八月の後半に延期して開催、という夢をまだ持っていると聞いています。
清涼感アップ用のピック
Myndin er eftir Thomas_Bennie@Unsplash.com
そのコロナですが、この広まり方は目を見張るものがあります。先週の後半は連日百人以上の新規陽性判明が出、金曜日には新記録の一日145人陽性。現在約千二百人余りが隔離されています。これにより、直近二週間での人口十万人あたりで感染者指数は286となりました。
これは相当高い数値なのですが、例えば東京都と比べてみましょう。東京ではでは昨日は新規感染者4000人超えということでしたが、7月17日から30日までの二週間を見ると、トータル約27202人となります。これ公式のサイトのグラフで調べたのですが、17日だけ数値がはっきり記載されておらず、グラフの高さからの推察しました。
東京の人口を大雑把に一千万人として計算すると、人口十万人辺りでは272人となります。ですから、今のアイスランドの感染指数286というのは、今の東京を超えるレベルということになります。
それでも、こちらでは病院に入院する人は少ない、と前回書きましたが、ここ数日で入院者数も多少増加し、現在十人が収容されており、うちおふたりがICUに入っているとのこと。
というところでコロナの情報はおしまい。(さすがにウンザリ)
一時期減力していたマグマ復活! 同僚牧師さんがハフナフョルズルという町から月曜日に撮ったもの
Myndin er eftir Sighvatur Karsson
さて、なんとワタシは今、「夏休みー!」なのです。ようやく先週の木曜日から。その直前一週間は、高校時の期末試験前のがんばりで仕事に取り組み、ようやく「ここまでは」と決めていたラインまでこなすことがでたので、そのままお休み入りしました。
正直言って、考えていたより早く休みに入れるので嬉しいです。一時期は「休めないかな?」とさえ考えていましたから。
ようやく待ちに待った休暇!というような時には、アイスランド語ではLangthrad friラングスラウズ・フリイという言葉を使います。「長く」「渇望されていた」「休暇」ということを意味します。
休みは十日間、のつもりでいたのですが、この熱血頑張りによって十二日間に延長できそうです。もしかしたら十四日間に再延長するかも。
日本の皆様からすれば「ゆったりとした夏休み」と思われるでしょうが、こちらではガッツリ一ヶ月、みんな休みます。法律で決められていますから。実は、私たち牧師業は六週間まで休みを取ることができます。実際に、私の居候先の教会の牧師さんは六月半ばからこの週末明けまで夏休みです。
ですから、私の十二日間、などというのはまだまだ日本的なメンタリティ?を背負ったものなのです。私は働き詰めには賛成しませんし、一ヶ月休むくらいが健全だと思っています。それでも、さすがに六週間は難しいな、私には。
さて、夏休み。本来なら日本へ帰省したいのですが、こういう状況下ではまだそれは不可能。天気がいいので国内旅行は可能ですが、ひとつ問題があります。誰と行くのー?ショボッ...
思い出すのは去年ですが、去年は仕事のストレスと疲れがハンパなく、確か七月の上旬で「もうダメ... 」と ギブして夏休み入りしました。二週間、本当に何もしないで過ごした覚えがあります。
今から思えば、多少ウツの入り口まで行っていたんでしょうね。
浜のアザラシ、陸のナマケモノ
アニメ、そしてドラマにもなった櫻子さんストーリー
幸い今年はそこまでは行っていませんでした。そこでまずは読書三昧。読みたかった本がいくつかあり、しかも読むだけではなく「浸りきって」読みたかったのです。
初めに読んだのが旭川のご当地物語りの「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」の最後の三巻。太田紫織さんによるこのシリーズ、2013年の冬から今年の冬にかけて八年間続きました。計17巻まで行ったか。
語り手の高校生正太郎君とそのスクールメイツ、そして個性的な美人骨学者の櫻子さんを中心とするミステリーです。物語りは正太郎君の高校生目線で語られていくのですが、正直言ってこれが結構面白いのです。六十過ぎのおじいさんにとっても。
なぜなら、おじいさんは自分ではおじいさんと思っていないからです。六十になったくらいで、自分の中の「高校生」「大学生」がきれいになくなってしまうものではありません。いくらでもフラッシュバックできるのでした。
ストーリーもよく練られていて、深い部分もあるし、読んで楽しかったですね。終わってしまったのが、ちょっと残念ですが、「高校生が大人になっていく」という「成長」がストーリーのキーでもあるので、ここで(少なくとも第一部は)おしまい、というのは仕方ないところでしょう。
次に読んだのは、これもお気に入りのシリーズでマイクル・コナリーによるハリー・ボッシュ刑事シリーズ。コナリー(コネリー)ものはだいたい面白いのですが、その中でもボッシュものはピカイチで、彼は私のヒーローです。
Connelly World & Harry Bosch
TV化したBoschもの この俳優さんのイメージはワタシ的には違う
今回読んだのは、最新作ではないのですが、最新作から遡って最近の四冊。ボッシュものが三冊なのですが、その間に新ヒロインのレネイ・バラード刑事ものの第一作が挟まれます。ボッシュものの最新作は今、日本からアイスランドへの途上です。アマゾンで買ったので。
ボッシュは長年LAPDの腕利き刑事でしたが、昨今はいろいろとトラブルがあり、現在はサンフェルナンドというLAの中の小島のような市の嘱託刑事兼プライベートアイという設定。
以前書きましたように、007とかと異なり、ボッシュは普通に歳を重ねていくので、現在は六十六、七歳になってしまいました。当然、彼の働きにも年齢は影響を与えてきます。事件解決のために協力することになったDEA(麻薬捜査局)のエージェントは、ボッシュが若くないことを知り、「思いがけなく理想の潜入捜査官候補を得た!」と小躍りします。「この歳で潜入調査ができる奴なんていない」とかで。
潜入捜査は結果うまく行くのですが、その後の展開の中で、ボッシュはいくつかミスを犯し「もう引退すべき潮時か?」と自問します。
そんな彼を、デビューしたてなのに、ニ回目の作品で早速コラボ登場のバラード刑事が「あなたのような人はまだ必要」と言って励まします。そして、今、私の元へと飛んでいる最新作でもふたりは共演することになっています。
ワタシ的にはボッシュ役には断然トム・ベレンジャーが適任 年齢の問題はあるにしても
多分、ボッシュを以前のようには縦横無尽には動かせない、と考えた作者コナリーが、ボッシュの若返り分身としてバラードを持ち出したのではないかと推察します。だって、キャラがよく似てますから、このふたり。
櫻子さんものと合わせて、計七冊を四日間くらいで「浸りきって」読んだのですが、これこそ夏休みの醍醐味で、日常の現実からきれいに逃避できます。その合間合間にオリンピックのニュースとOhtani-san! の快投快打のニュース。
いい夏休みです。まだ数日残した時点で、すでにエネルギーは相当回復していますし、肝心なストレスの方もかなり払拭できています。去年とは大違い。
日本ではまさに酷暑のピークかと思いますが、引き続き熱中症とコロナに十分気をつけてお過ごしくださいますよう。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
Facebook: Toma Toshiki
八月です。毎年のように書いてきたことですが、八月の第一の週末は、こちらではVerslumannahelgiヴェルスルマンナへルギ「商人の週末」と呼ばれるお祭りの週末で、月曜日が祝日となっています。
なかなか休みが取れない商店関係の人がゆっくり楽しめるように、という趣旨で始まったもののようですが、昨今は大規模な野外でのフェスがあちらこちらで持たれる週末となっています。
それが昨年はコロナで全滅。今年は! とはりきっていた人も多いのですが、先週書きましたように、こちらでもコロナのデルタ株が急速に広まっており、残念ながら今年もお流れになってしまいました。
野外フェスのメッカと化したヴェストゥルマンナ諸島では、八月の後半に延期して開催、という夢をまだ持っていると聞いています。
清涼感アップ用のピック
Myndin er eftir Thomas_Bennie@Unsplash.com
そのコロナですが、この広まり方は目を見張るものがあります。先週の後半は連日百人以上の新規陽性判明が出、金曜日には新記録の一日145人陽性。現在約千二百人余りが隔離されています。これにより、直近二週間での人口十万人あたりで感染者指数は286となりました。
これは相当高い数値なのですが、例えば東京都と比べてみましょう。東京ではでは昨日は新規感染者4000人超えということでしたが、7月17日から30日までの二週間を見ると、トータル約27202人となります。これ公式のサイトのグラフで調べたのですが、17日だけ数値がはっきり記載されておらず、グラフの高さからの推察しました。
東京の人口を大雑把に一千万人として計算すると、人口十万人辺りでは272人となります。ですから、今のアイスランドの感染指数286というのは、今の東京を超えるレベルということになります。
それでも、こちらでは病院に入院する人は少ない、と前回書きましたが、ここ数日で入院者数も多少増加し、現在十人が収容されており、うちおふたりがICUに入っているとのこと。
というところでコロナの情報はおしまい。(さすがにウンザリ)
一時期減力していたマグマ復活! 同僚牧師さんがハフナフョルズルという町から月曜日に撮ったもの
Myndin er eftir Sighvatur Karsson
さて、なんとワタシは今、「夏休みー!」なのです。ようやく先週の木曜日から。その直前一週間は、高校時の期末試験前のがんばりで仕事に取り組み、ようやく「ここまでは」と決めていたラインまでこなすことがでたので、そのままお休み入りしました。
正直言って、考えていたより早く休みに入れるので嬉しいです。一時期は「休めないかな?」とさえ考えていましたから。
ようやく待ちに待った休暇!というような時には、アイスランド語ではLangthrad friラングスラウズ・フリイという言葉を使います。「長く」「渇望されていた」「休暇」ということを意味します。
休みは十日間、のつもりでいたのですが、この熱血頑張りによって十二日間に延長できそうです。もしかしたら十四日間に再延長するかも。
日本の皆様からすれば「ゆったりとした夏休み」と思われるでしょうが、こちらではガッツリ一ヶ月、みんな休みます。法律で決められていますから。実は、私たち牧師業は六週間まで休みを取ることができます。実際に、私の居候先の教会の牧師さんは六月半ばからこの週末明けまで夏休みです。
ですから、私の十二日間、などというのはまだまだ日本的なメンタリティ?を背負ったものなのです。私は働き詰めには賛成しませんし、一ヶ月休むくらいが健全だと思っています。それでも、さすがに六週間は難しいな、私には。
さて、夏休み。本来なら日本へ帰省したいのですが、こういう状況下ではまだそれは不可能。天気がいいので国内旅行は可能ですが、ひとつ問題があります。誰と行くのー?ショボッ...
思い出すのは去年ですが、去年は仕事のストレスと疲れがハンパなく、確か七月の上旬で「もうダメ... 」と ギブして夏休み入りしました。二週間、本当に何もしないで過ごした覚えがあります。
今から思えば、多少ウツの入り口まで行っていたんでしょうね。
浜のアザラシ、陸のナマケモノ
アニメ、そしてドラマにもなった櫻子さんストーリー
幸い今年はそこまでは行っていませんでした。そこでまずは読書三昧。読みたかった本がいくつかあり、しかも読むだけではなく「浸りきって」読みたかったのです。
初めに読んだのが旭川のご当地物語りの「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」の最後の三巻。太田紫織さんによるこのシリーズ、2013年の冬から今年の冬にかけて八年間続きました。計17巻まで行ったか。
語り手の高校生正太郎君とそのスクールメイツ、そして個性的な美人骨学者の櫻子さんを中心とするミステリーです。物語りは正太郎君の高校生目線で語られていくのですが、正直言ってこれが結構面白いのです。六十過ぎのおじいさんにとっても。
なぜなら、おじいさんは自分ではおじいさんと思っていないからです。六十になったくらいで、自分の中の「高校生」「大学生」がきれいになくなってしまうものではありません。いくらでもフラッシュバックできるのでした。
ストーリーもよく練られていて、深い部分もあるし、読んで楽しかったですね。終わってしまったのが、ちょっと残念ですが、「高校生が大人になっていく」という「成長」がストーリーのキーでもあるので、ここで(少なくとも第一部は)おしまい、というのは仕方ないところでしょう。
次に読んだのは、これもお気に入りのシリーズでマイクル・コナリーによるハリー・ボッシュ刑事シリーズ。コナリー(コネリー)ものはだいたい面白いのですが、その中でもボッシュものはピカイチで、彼は私のヒーローです。
Connelly World & Harry Bosch
TV化したBoschもの この俳優さんのイメージはワタシ的には違う
今回読んだのは、最新作ではないのですが、最新作から遡って最近の四冊。ボッシュものが三冊なのですが、その間に新ヒロインのレネイ・バラード刑事ものの第一作が挟まれます。ボッシュものの最新作は今、日本からアイスランドへの途上です。アマゾンで買ったので。
ボッシュは長年LAPDの腕利き刑事でしたが、昨今はいろいろとトラブルがあり、現在はサンフェルナンドというLAの中の小島のような市の嘱託刑事兼プライベートアイという設定。
以前書きましたように、007とかと異なり、ボッシュは普通に歳を重ねていくので、現在は六十六、七歳になってしまいました。当然、彼の働きにも年齢は影響を与えてきます。事件解決のために協力することになったDEA(麻薬捜査局)のエージェントは、ボッシュが若くないことを知り、「思いがけなく理想の潜入捜査官候補を得た!」と小躍りします。「この歳で潜入調査ができる奴なんていない」とかで。
潜入捜査は結果うまく行くのですが、その後の展開の中で、ボッシュはいくつかミスを犯し「もう引退すべき潮時か?」と自問します。
そんな彼を、デビューしたてなのに、ニ回目の作品で早速コラボ登場のバラード刑事が「あなたのような人はまだ必要」と言って励まします。そして、今、私の元へと飛んでいる最新作でもふたりは共演することになっています。
ワタシ的にはボッシュ役には断然トム・ベレンジャーが適任 年齢の問題はあるにしても
多分、ボッシュを以前のようには縦横無尽には動かせない、と考えた作者コナリーが、ボッシュの若返り分身としてバラードを持ち出したのではないかと推察します。だって、キャラがよく似てますから、このふたり。
櫻子さんものと合わせて、計七冊を四日間くらいで「浸りきって」読んだのですが、これこそ夏休みの醍醐味で、日常の現実からきれいに逃避できます。その合間合間にオリンピックのニュースとOhtani-san! の快投快打のニュース。
いい夏休みです。まだ数日残した時点で、すでにエネルギーは相当回復していますし、肝心なストレスの方もかなり払拭できています。去年とは大違い。
日本ではまさに酷暑のピークかと思いますが、引き続き熱中症とコロナに十分気をつけてお過ごしくださいますよう。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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