レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

サッポロ北街ひとり日誌(23–5) – 後日談編

2023-12-10 02:56:59 | 日記
こんにちは/こんばんは。

しばらく「サッポロ北街」を続けてきましたが、この辺で一応の区切りをつけたいと思います。四年ぶりの日本だったので、やはり書きたいことがたくさんありました。




大通り公園のミュンヘン市との友好のモニュメント ‘72年オリンピックつながり
Pic by Me


十一月の半ばに、二週間の滞在を終えてレイキャビクに戻りました。帰路は北回りで12時間のフライトでヘルシンキまで。そこには午前3時に着いたのですが、さすがにその時間に空港に着くのは初めてでした。あんなに静かになることもあるんですね。

そしてケフラビク国際空港には午前9時過ぎのご到着。こんな早い時間のご帰還も初めて。荷物の整理もゆったりできてストレス軽。次もこうしたいです。

さて、アイスランドへ戻る日。私は千歳空港で機内で読む用の本を求めて書店に入りました。そういえば、今回の滞在では私は一度も書店に入りませんでした。これはかなり異例なことです。

書籍はかさばるし、郵便に制限がある現状ではあまり買い込むのは得策ではありません。コロナの影響なのか、いまだに日本からアイスランドへ大きな航空便を送ることは不可なのです。

不思議です。制限解除を忘れられてんじゃないか?とさえ感じますよ。




空港ですべきことーソフトクリームを食べる
Pic by Me


とにかく、空港の書店で二冊の本を買いました。「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」シリーズの太田紫織さんの新作「疵痕(きずあと)とラベンダー」と友井羊さんの「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズの八作目となる最新刊の二冊。

ちなみにこの二冊とも、新刊ホヤホヤ。目につきやすい場所に積まれていたのでした。「ラベンダー」は11月5日に初版発行。この日は11月の13日でした。「スープ屋」にいたっては、いまだ未来であるはずの11月21日の発刊。へへ。

私は「櫻子さん」のファンでしたので、「ラベンダー」の方が先に目に入りました。さっと見てみると、「櫻子さん」の後を継ぐような高校生視点のライト・ミステリーぽかったので、これは即「買い」これだけでは足りない、と思って「スープ屋」の方も手に取って見ました。

これも同系のライト・ミステリーぽかったので買うことにしました。このシリーズはまったく知らなかったので、いきなりシリーズ最新刊から始めることにとまどいはありましたが、空港書店という限られたチョイスですから妥協です。

千歳から羽田へ向かう、わずか90分のフライト中に「ラベンダー」の半分は読んでしまいました。面白いです。今のところ「殺人」のないライト・ミステリーですが、「謎」はあり引き込まれます。多分、これもシリーズ化して続編が出てくるのでしょう。




「疵痕とラベンダー」


「櫻子さん」シリーズと同じく、高校生の少年の一人称の語りでお話しが綴られますが、この点は後でもう一度触れます。

「スープ屋」の方は、ヘルシンキまでのフライトが終わり、早朝の空港で朝7時のケフラビク行きを待っている間に読み始めました。先ほど言いましたように、シリーズものへの途中参加でしたので、レギュラーの人間関係を把握しておらず、「ぐいぐい」引き込まれるところまではいきませんでしたが、それでもGood enoughではありました(偉そうに!) 。

こちらの主役はアラサーまじかのOL。やはり「殺人」のない軽いミステリーです。で、この「スープ屋」を読み終わるかどうか、というくらいのところでアイスランドへ到着しました。

薄い本なのに時間がかかったのは、12時間プラス4時間のロングフライト中にワインやウイスキーを飲んだのと、睡眠不足、旅疲れ等々の影響です。




午前3時過ぎのヘルシンキはヴァンター空港 さすがにガラン
Pic by Me


レイキャビクは西街の我が古アパートへ戻った私は、旅の後片付けを終えた後で「スープ屋」を完読しました。Good enoughを越えて、かなり面白かったです。

そうなると、今度は「スープ屋」のシリーズの始まりから読みたくなります。ありがたい時代、電子書籍で「今、すぐに」読むことができます。というわけで、私はBookliveで「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズを、買い足し買い足しして、その後の一週間くらいでシリーズ読破しました。

「しずく」というスープをメインとする、都会の中の小さなレストランが中心になり、そこのシェフが頭脳明晰な探偵役。出入りする馴染客のOLとの関係がシリーズを流れる糸です。私の頭の中ではこのOLは波瑠さんで決まりです。

ストーリーも面白いのですが、やはり日本の中での生活感や人間関係と描き方の面白さがあります。これは「櫻子さん」シリーズや、他のお気に入りのシリーズでも共通していますね。

だからこれって、私の場合よくある「日本帰省の後遺症」なんですよね。日本へ向かう往路のフライトで、私が読んでいた本は「イヴ&ローク」シリーズのミステリーで「欧米か?」です。

ですが、総じてアイスランドへの帰路では「櫻子さん」であったり、西村京太郎さんの「十津川警部」だったり、梓林太郎さんの「茶屋次郎」シリーズだったりします。日本化してるんですよね、その頃には。

で、レイキャビクに戻ったとたんにスイッチが入れ替わるか?と言うと、そうもいかないのがこの十年間くらいの傾向です。後を引くんです。「日本ノスタルジー後遺症」みたいな。

私は本を読む時には、かなり浸り込むタイプなので、読んでいる最中は心は日本です。そうやって、日本での生活感をチビチビ引き延ばしにかかっているんです。今回は、けっこう長く続きました、このノスタルジー後遺症。




「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」最新刊


「スープ屋しずく」シリーズの後は、またしてもライト・ミステリーを探して、以前から知っていたけどあまり読んでいなかった「珈琲店タレーランの事件簿」というシリーズにも舞い戻りました。

女流作家による前述の二作とは異なり、これは岡崎琢磨さんという男性作家の作品。十年くらい前に始まったシリーズですが、これまでに8巻が出ています。まだ特に完結はしていないと思いますが、どうなんだろ?最新刊は昨年に出ています。

このシリーズは、基本的には大学生とおぼしき青年アオヤマの一人称語りで綴られます。タレーランというカフェの女性バリスタ美星が探偵役の才媛なのですが、アオヤマと美星との関係がシリーズを通しての軸になっています。青春だな。

「日本ノスタルジー後遺症」について、もう少し書きたいことがあります。ですが、長くなりすぎますので今回はここまでとしましょう。続きは次回ですが、次回からは「レイキャビク西街」に戻る予定です。(*^^*)


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki

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