レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド語って聞いたことありますか?

2012-08-29 20:57:31 | 日記
日本人の場合、外国暮らしをすることになっていの一番に頭によぎるのはことばの問題でしょう。その次には食べ物でしょうか?この順序が入れ替わる人もいるとは思いますが、ことばと食はどちらも生活の基本ですから大切です。

アイスランド人はアイスランド語を話します。「北欧語」なのですがここからノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語などが形成されていきます。ノルウェー語やスウェーデン語がどんどんと近代化し文法なども合理的に整理されていったのに対し、アイスランド語は北欧語の古い形態をかなりとどめたままでいます。例えば名詞には男性、女性、中性と「性」があり、単数複数また格(「てにおは」のようなもの)によって語形が変化します。動詞の変化も同様に複雑です。

アイスランド人は「子供でも1000年前に記された古書を読むことができる」と得意がります。専門外なのですが英語のルーツとかの研究にもアイスランド語は役に立つとのことです。ですが、その古いまんまのことばを学ばなければならない我々にとっては迷惑千万な話しです。

私はもう20年、こちらに住んでいますが、それでもアイスランド語には未だにてこずります。読み書きはまだ何とかなりますし、聞いて理解することもまあまあでしょう。問題はしゃべることです。

職業上(牧師)、人前でスピーチをする機会はかなり多くあります。それでもきちんと原稿を確定し、それを事前に何回も読み上げる練習をしなくてはなりません。これはやってみると大変な作業なんですよ。例えば15分の話しを、10回読む練習をするとしましょう。それだけで最低150分かかることになります。私の場合は20回読むことを基準にしていますが、まあ仕事なので当然でしょう。

それでも困ることがあります。アドリブが利かないのです。実は昨年の3月13日にお話しをすることになっていて準備もいつも通りしていました。ですがその二日前にあの大震災です。全く触れないこともできませんし、原稿を変えるにしても、時間は押してるわ、ニュースの方に気を取られるわで、焦りました。

他の外国人仲間を見ても、大概の連中はアイスランド語で四苦八苦しているようです。それでも「大変さ」はそれぞれに異なるようです。しゃべるのは得意だが書くのはダメ、という人もいます。個人的な経験から言うと女性に多いような気がします。

またそれぞれの母国語によっても差が出るようです。ロシア語やドイツ語のように複雑な変化をすることばを母国語としている人はやはり修得が早く、さらに修得の度合いが高いように思われます。我々日本人やタイ、中国、ベトナムの人たち等アジア組は分が悪いです。って、みんな巻き込んでごめん。

さらに若くしてアイスランド語を習い始める人は上達の度合いが高いのは確かです。文の組み立てとかは、その人の考え方とリンクしている度合いが強いですから、考え方を形成している最中に学んだ方が脳に溶け込むということでしょうか?

アイスランド語を体験してみたい方はここ:
http://www.youtube.com/watch?v=GxzhWkMD3co

人それぞれに妥協して共存しなければならない問題はあるようですね。タバコが止められない人、通風の人、馬の名前で馬券を買ってしまう人、海鮮料理をどうしても火を通し過ぎてしまう人、等々。つっかえつっかえのアイスランド語は私が逃れ得ないついの伴侶のようです。
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