レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

改めてスカンジナビア語の勧め

2013-11-25 05:00:00 | 日記
何回か前に「スカンジナビア語」の勧めというトピックについて書きました。その後「アイスランド語の日」にちなんだ「最も美しいアイスランド語の単語」の話しが出たり、フィリピンのハイヤンの災害などが起きてしまったために途切れてしまいました。今日はもう少し続きです。

以前書いた時は「アイスランドで生活する以上アイスランド語が必須であることは当然だが、アイスランド人と対等に仕事をしたかったら、スカンジナビア語(ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語)の中のひとつもできた方がいい。ある程度のスカンジナビア語の知識を前提とした場面は結構な頻度で登場するから、というようなことを述べました。

北欧圏にはこれらの国に加えてもちろんフィンランドも入るわけですが、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの四カ国はもともとが同じ言語を有し、歴史的にも相互の行き来が盛んであったため緊密な文化圏となっています。

話しが逸れますが、SASスカンジナビア航空はノルウェー、スウェーデン、デンマークの出資会社です。フィンランドはちょっと別。実はアイスランドも「おまけ」のように見られています。もうひとつ「おまけ」があります。フェロー諸島で人口僅か五万人弱ですがデンマークの自治領です。さらにいえばグリーンランドですが、これはまたちょっと別、の感があります。

よく言われることですがノルウェー語とスウェーデン語はお互いに自分の言葉をしゃべって会話が成り立つほど似ている言葉です。デンマーク語は発音が独特のため、会話は理解できないノルウェー人やスウェーデン人はあるようですが、書き言葉では問題ありません。

フェロー諸島もフェロー語という自前の言葉を持っていて、アイスランド語とデンマーク語のミックスのような感じです。フェロー人はアイスランド語を聞いて理解できると言っています。

で、アイスランド語は昔の複雑な文法を保っていますので、文法的なことを学ぶということに関しては、アイスランド人は他の北欧語の学習にそれほど難儀しません。ただデンマーク語の会話は別です。

さて仕事の上で日常的によく起ることはこのようなことです。「デンマークで面白い議論が起っていて、その紹介が昨日のBT(新聞)に出ていた」といってその記事のリンクがついた一斉メイルが送られてきます。デンマークの新聞なので当然デンマーク語。そして当然訳なし。

以前北欧各国にまたがる移民と労働市場についてのフォーラムのようなものがレイキャビクでありました。同時通訳付きだったので参加しましたが、途中のグループでのワークショップからは通訳なし。通訳がないのか、と問い質しても「そういうもんだ」というそっけない返事。ワタシもそっけなく帰りました。

大学でも同じです。もう何年も前ですが中国から来たばかりの女の子がアイスランド大学の神学部に入りたいと言います。もちろんアイスランド語はゼロ。学部長と掛合ったのですが「授業はアイスランド語だし、使う教科書にはノルウェー語やスウェーデン語のものも多くある。難しいのでは?」という返事でした。

その時は諦めたようですが、後年その子は神学部を卒業したと聞きました。諦めきってはいなかったのですね。拍手!

というわけでワタシも少しデンマーク語を勉強した時期があったのですが、沈没しました。ワタシのようにアイスランド語でも向上の余地が北海道の原野並みにあると、デンマーク語に時間を使ってしまっていいのか、という心配に襲われるのです。といいながら、デンマーク語を勉強しなくてもその時間をアイスランド語のために使っているわけではないのですが。よくある言い訳パターン。

デンマークで宝石デザインの修行をしていた若い邦人の女の子(しかも可愛い、加えて水泳国体レベル)が、レイキャビクにも出張修行に何年間か来ていました。彼女は頑張ってデンマーク語もマスターしていて、さらにあっという間にアイスランド語も身につけていました。かっこいい! できる人はできるんですねえ。

その彼女、今はドイツに移っているそうな。しばらくしたらドイツ語もできるようになるのかなあ?持つ者はますます豊かに、というパターンではないか?人生、公平ではありません。(*_*)


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

コメント
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