元通産省のキャリア官僚で、現在は慶応大学教授の岸博幸氏のコラムが参考になります。
備忘録として要旨をアップしておきます。
政局に無駄な時間を費やすのを早くやめて、国会としてやるべきことをしっかりやってもらいたいものです。
また、マスコミも第3極がどうしたのこうしたのと報道に終始するのでなく、
しっかりと本来の役目を果たしてほしいものです。
・米国のハリケーン対応との比較で分かる 東日本大震災被災地の復旧・復興が遅れている理由
岸博幸のクリエイティブ国富論|ダイヤモンド・オンライン
一部を抜粋・要約すると
米国政府には、自然災害など安全保障に関わる非常事態への対応を担当する組織
“FEMA”(連邦緊急事態管理庁:Federal Emergency Management Agency)がある。
FEMAは、非常事態が起きた場合の対応を4段階に分けてプログラム化している。
・第1段階(危機発生時)
―非常事態宣言を出して関係法律の効力を停止する
―連邦政府が中心となって迅速かつ徹底的な危機対応を行なう
・第2段階(復旧時)
―連邦政府が中心となって、生命インフラの再建を行なう
・第3段階(復興前期)
―危機から平時への移行期に対応主体を連邦政府から地方政府に移行する
・第4段階(復興後期)
―地域の日常の復活期であり、地方政府が主体となって地域を再生する
米国では地方分権が徹底しており、基本的には州、郡、市などの地方政府が地方に関する行政のすべてを担っている。
大規模な自然災害が起きたときは、危機対応やライフラインの復旧は連邦政府がする。
復旧がある程度進んで復興の段階に入ったら、対応主体が連邦政府から地方政府に戻る。
“危機時の集権、平時の分権”という言葉どおりのシステマティックな対応が整備されている。
一方、日本の大規模災害時における政府の対応は“災害救助法”、“災害援助基本法”で定められているが、
平時と同様の国・地方の関係が前提になっている。
大規模な震災が起きた場合の復旧も復興も、原則として地方自治体の事業とされ、かつそこでは平時と同じ
国の投網構造(補助金、税財源、法令による関与、許認可、人的資源など様々な手段が絡み合う形)と
縦割り構造が適用され、国が自治体を縛り付けており、地方自治体の側の自主性や裁量性は非常に乏しくなっている。
即ち、そもそも日本政府にFEMAのような危機管理を専門に行なう組織がないことに加え、平時と非常時の対応の区別がなく、
危機への対応であっても基本的に地方自治体が主体となって、国のがんじがらめのコントロールの下で行なわなくてはならず、
地方自治体が担えない部分だけは国が補助金などで面倒を見るという形になっている。
東日本大震災からもう1年半以上が経つのに被災地の復旧と復興が非常に遅れている背景には、
こうした米国とまったく異なる制度上の対応のまずさもある。
その意味では、もちろん被害の規模はまったく異なるとは言え、今回のハリケーン“サンディ”への米国政府の対応と、
昨年の東日本大震災への日本政府の対応を比較し、日本政府の平時と非常時を区別しないやり方を改める必要があるのではないか。
備忘録として要旨をアップしておきます。
政局に無駄な時間を費やすのを早くやめて、国会としてやるべきことをしっかりやってもらいたいものです。
また、マスコミも第3極がどうしたのこうしたのと報道に終始するのでなく、
しっかりと本来の役目を果たしてほしいものです。
・米国のハリケーン対応との比較で分かる 東日本大震災被災地の復旧・復興が遅れている理由
岸博幸のクリエイティブ国富論|ダイヤモンド・オンライン
一部を抜粋・要約すると
米国政府には、自然災害など安全保障に関わる非常事態への対応を担当する組織
“FEMA”(連邦緊急事態管理庁:Federal Emergency Management Agency)がある。
FEMAは、非常事態が起きた場合の対応を4段階に分けてプログラム化している。
・第1段階(危機発生時)
―非常事態宣言を出して関係法律の効力を停止する
―連邦政府が中心となって迅速かつ徹底的な危機対応を行なう
・第2段階(復旧時)
―連邦政府が中心となって、生命インフラの再建を行なう
・第3段階(復興前期)
―危機から平時への移行期に対応主体を連邦政府から地方政府に移行する
・第4段階(復興後期)
―地域の日常の復活期であり、地方政府が主体となって地域を再生する
米国では地方分権が徹底しており、基本的には州、郡、市などの地方政府が地方に関する行政のすべてを担っている。
大規模な自然災害が起きたときは、危機対応やライフラインの復旧は連邦政府がする。
復旧がある程度進んで復興の段階に入ったら、対応主体が連邦政府から地方政府に戻る。
“危機時の集権、平時の分権”という言葉どおりのシステマティックな対応が整備されている。
一方、日本の大規模災害時における政府の対応は“災害救助法”、“災害援助基本法”で定められているが、
平時と同様の国・地方の関係が前提になっている。
大規模な震災が起きた場合の復旧も復興も、原則として地方自治体の事業とされ、かつそこでは平時と同じ
国の投網構造(補助金、税財源、法令による関与、許認可、人的資源など様々な手段が絡み合う形)と
縦割り構造が適用され、国が自治体を縛り付けており、地方自治体の側の自主性や裁量性は非常に乏しくなっている。
即ち、そもそも日本政府にFEMAのような危機管理を専門に行なう組織がないことに加え、平時と非常時の対応の区別がなく、
危機への対応であっても基本的に地方自治体が主体となって、国のがんじがらめのコントロールの下で行なわなくてはならず、
地方自治体が担えない部分だけは国が補助金などで面倒を見るという形になっている。
東日本大震災からもう1年半以上が経つのに被災地の復旧と復興が非常に遅れている背景には、
こうした米国とまったく異なる制度上の対応のまずさもある。
その意味では、もちろん被害の規模はまったく異なるとは言え、今回のハリケーン“サンディ”への米国政府の対応と、
昨年の東日本大震災への日本政府の対応を比較し、日本政府の平時と非常時を区別しないやり方を改める必要があるのではないか。