ある日、一人暮らしのおばあさんの家に1匹の雌猫が迷い込んできました。
母猫とはぐれて、ずいぶん長い間、街をさ迷い歩いていたようです。すっかり痩せて、衰弱しています。
おばあさんは、猫にミルクを与えましたが、自分で飲むことが出来ないくらい、弱っています。このままでは死んでしまうと思ったおばあさんは、さっそく子猫を連れて近所の動物病院へ。獣医さんは、子猫を一目見ていいました。
「これだけ衰弱していると助からないかもしれません。それに、子猫のうちにこれだけの栄養失調を経験してしまうと、これから先も病気になることが多かったり、長生きできないかも知れませんよ」
それでも、おばあさんは、子猫をこのままにしておくことは出来ませんでした。獣医さんにお願いして、治療を続けているうちに、少しずつ回復してきました。
「私も老い先は短いし、この猫はちょうどいいかもしれないねぇ」
おばあさんは、子猫を飼うことにしました。
幸いにも、その後、大きな病気になることもなく、順調に回復しましたが、子猫のときの栄養状態が悪かったためか、身体は大きくなりませんでした。それでも、おばあさんは猫をいつくしみ、大切に育てました。回復と成長を待って避妊手術もしました。外と家の中の出入りを自由にしていたのですが、おばあさんの膝の上にばかりいて、あまり外に出ることはしませんでした。
猫を膝の上に乗せて、1日をのーんびり過ごすことが、おばあさんの楽しみになりました。猫もおばあさんの膝の上で、のーんびり過ごす日々に幸せを感じていました。
でも、そんな幸せな日々は、突然、終わりを告げました。
おばあさんが亡くなったのです。
猫は、家の中を、おばあさんを求めてなき続けましたが、帰ってくるはずもありません。
そのうち、身寄りのなかったおばあさんの家は取り壊され、猫は行き場を失ってしまいました。不安と寂しさに包まれながら、子猫のときのように、とぼとぼと街をさ迷い歩きました。ほどなくすると、地域猫が暮らす駐車場を見つけました。そして、そこにいれば、地域の人たちからエサをもらえること知りました。お腹がすいていた猫は、その駐車場を居場所にすることにしました。
ごはんの心配をすることはなくなりましたが、寂しさはなくなりませんでした。足を止めた人に擦り寄って、ときには膝に乗せてもらったり…。そうして、わずかな時間でも寂しさを紛らわせていました。
ある日、猫に会うといつも膝の上に乗せている男の人が、猫をカバンに詰めて連れ去りました。
猫は、それまでいた場所が、西新宿だったことから西子と名づけられました。
今は、年中、意味不明に「あおーん」と鳴き叫びながらも、なーんとなく幸せに暮らしています。
たっちーから:今回は、僕と出会う前の西子の様子ことを、少ない情報から予想というより、想像あるいは妄想して書いてみました。どこまで当たっているか、確かめる術はありませんので、ホントは、あまりにも鳴き声が大きくて、しかもよく鳴くから、うっとうしくなって捨てられただけかも? なんですけどね。
母猫とはぐれて、ずいぶん長い間、街をさ迷い歩いていたようです。すっかり痩せて、衰弱しています。
おばあさんは、猫にミルクを与えましたが、自分で飲むことが出来ないくらい、弱っています。このままでは死んでしまうと思ったおばあさんは、さっそく子猫を連れて近所の動物病院へ。獣医さんは、子猫を一目見ていいました。
「これだけ衰弱していると助からないかもしれません。それに、子猫のうちにこれだけの栄養失調を経験してしまうと、これから先も病気になることが多かったり、長生きできないかも知れませんよ」
それでも、おばあさんは、子猫をこのままにしておくことは出来ませんでした。獣医さんにお願いして、治療を続けているうちに、少しずつ回復してきました。
「私も老い先は短いし、この猫はちょうどいいかもしれないねぇ」
おばあさんは、子猫を飼うことにしました。
幸いにも、その後、大きな病気になることもなく、順調に回復しましたが、子猫のときの栄養状態が悪かったためか、身体は大きくなりませんでした。それでも、おばあさんは猫をいつくしみ、大切に育てました。回復と成長を待って避妊手術もしました。外と家の中の出入りを自由にしていたのですが、おばあさんの膝の上にばかりいて、あまり外に出ることはしませんでした。
猫を膝の上に乗せて、1日をのーんびり過ごすことが、おばあさんの楽しみになりました。猫もおばあさんの膝の上で、のーんびり過ごす日々に幸せを感じていました。
でも、そんな幸せな日々は、突然、終わりを告げました。
おばあさんが亡くなったのです。
猫は、家の中を、おばあさんを求めてなき続けましたが、帰ってくるはずもありません。
そのうち、身寄りのなかったおばあさんの家は取り壊され、猫は行き場を失ってしまいました。不安と寂しさに包まれながら、子猫のときのように、とぼとぼと街をさ迷い歩きました。ほどなくすると、地域猫が暮らす駐車場を見つけました。そして、そこにいれば、地域の人たちからエサをもらえること知りました。お腹がすいていた猫は、その駐車場を居場所にすることにしました。
ごはんの心配をすることはなくなりましたが、寂しさはなくなりませんでした。足を止めた人に擦り寄って、ときには膝に乗せてもらったり…。そうして、わずかな時間でも寂しさを紛らわせていました。
ある日、猫に会うといつも膝の上に乗せている男の人が、猫をカバンに詰めて連れ去りました。
猫は、それまでいた場所が、西新宿だったことから西子と名づけられました。
今は、年中、意味不明に「あおーん」と鳴き叫びながらも、なーんとなく幸せに暮らしています。
たっちーから:今回は、僕と出会う前の西子の様子ことを、少ない情報から予想というより、想像あるいは妄想して書いてみました。どこまで当たっているか、確かめる術はありませんので、ホントは、あまりにも鳴き声が大きくて、しかもよく鳴くから、うっとうしくなって捨てられただけかも? なんですけどね。