首相や政治家といった人たちは、戦争に対する想像力というものがあるのでしょうか。従軍慰安婦の問題については、中曽根さんが想像力を持っていると思います。概して勇ましいことを言っている人たちは、ベトナムで何が起こっていたか、沖縄で何が起こっていたか、シリアで何が起こっていたか、知っているどころか想像もできないのではないでしょうか。これは、勇ましことを言っている人たちに限らず、多くの人は、自分が見聞きしていないことについて、想像することが難しいからではないかと思います。
入ってくるニュースは、勇ましいことばかり。嘘の情報を、あたかも事実のように伝えられ、そのまま受け止めて一喜一憂したのが、戦前・戦中の出来事ではなかったでしょうか。その帰結が、あの広島・長崎への原爆投下だったと思います。原爆を投下した人たちについても、どういった被害があったのかについて想像することが難しかったのではないかと思います。自分たちから近いところではなく、遠いところの話だったからではないでしょうか。
ですから、簡単に、戦争を了とする考えを持とうとすることに、注意しないといけません。戦争が、どれだけ人の死を招き、苦しみや悲しみが長期に継続するものかということが、本当の意味で想像できないからです。何か、戦争始めたら、いいように戦況が進むと考えたり、不利になったら我慢したら良いとか、簡単に受け止めていないでしょうか。あの、広島・長崎への原爆投下を、前もって想像できたというのでしょうか。
戦争の帰結は、原爆投下です。まず、戦争をしようという考えを持つのではなく、戦争をしないで済むように知恵を絞ることが求められています。簡単に、自分の子や孫を兵士として戦場に送るような決断をして良いのですか? 夢から覚めてますか?