四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

高原のミドリシジミの仲間

2011-08-15 15:18:00 | 甲州・信州への旅
ミドリシジミの仲間(8月5日、9:30、清里高原、ミズナラ葉上でテリ張り)


高原を散策していると、近くのミズナラの上で卍飛翔して別の♂を追飛しては自分のテリトリーに戻り、翅を広げるミドリシジミの仲間がいました。卍飛翔では明るいブルーが渦を巻いてきれいでした。止まる場所が目の位置に近い高さでこれ以上の写真は取れず残念です。

そこで、長野県に分布し、翅表が緑色のミドリシジミ類の活動時間を調べたところ、オオミドリシジミ、ジョウザンミドリシジミ、アイノミドリシジミ、メスアカミドリシジミの4種が午前9時30分頃に活動することが分かりました。
そのうち、ミズナラを食樹とするオオミドリシジミ、ジョウザンミドリシジミ、アイノミドリシジミの3種が、この地でテリ張りしていた可能性のある種類です。
実際に清里近辺の蝶に詳しい昆虫愛好家の方に、どの種類の可能性が高いのか尋ねてみたいと思います。

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高原のジャノメ・ヒカゲ類

2011-08-13 16:05:00 | 甲州・信州への旅
高原で見た蝶たちの続き、今回はジャノメチョウ・ヒカゲチョウの仲間の蝶たちです。

前回:高原のヒョウモンチョウ類

ヒメキマダラヒカゲ(入笠山、ヒヨドリバナで吸蜜)


北海道では平地~山地、中部・関東では山地の森林で見られ、普通、年1回、7~8月に発生します。森林近くの草地で観察しました。

ヒカゲチョウ(入笠山)




ヒカゲチョウは、関東の丘陵地にも多く、クヌギの樹液で吸汁する姿を多く見かけますが、山地の樹木に集まっていました。

クロヒカゲ(入笠山)


クロヒカゲも丘陵地のクヌギの樹液に多く集まる蝶です。ダケカンバだと思いますが、樹液に集まっていました。

ジャノメチョウ(入笠山、ノアザミで吸蜜)


7月より関東の丘陵地の草地で多く見てきた蝶ですが、飛翔・休止姿ばかりでした。今回、ノアザミで吸蜜するところを撮影できました。
清里高原では、朝早くから草地で多数の個体がジャンプするように飛ぶ姿を観察。あちこちの森林に近い草地で一番多く見かける蝶でした。

ツバメシジミ(8月5日、7:12、清里高原、葉上で休止)


朝早いので葉上でずっと休止していました。

その他、入笠山でヒオドシチョウを、清里高原でクジャクチョウを見掛けましたが、撮影できませんでした。
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サンメドウズ清里スキー場の夏

2011-08-13 14:28:00 | 甲州・信州への旅
サンメドウズ清里スキー場のお花畑に立ち寄りました(8月4日)。



リフトで上の方まで上がれます。ここでもチダケサシ(淡いピンク色の花)が多く見られました。





クサレダマ(草連玉) サクラソウ科
日当たりの良い山地の湿地帯に生える多年草です。
入笠山では、開花しはじめでしたが、こちらではちょうど見頃でした。



フウロソウ科の1種
ハクサンフウロに似ていますが、ピンク色の濃い種類です。



フウロソウ科の1種
フウロソウの仲間には、ハクサンフウロ、アサマフウロ、ゲンノショウコはじめ、色々な近縁種、変種があるようです。写真の種類は、花弁の筋の様子からアサマフウロ or カイフウロの近縁種でしょうか。



カワラマツバ(河原松葉) アカネ科
山地の草原に生える多年草です。



草地の上を飛ぶモンキチョウです。
小学生の頃、スジボソヤマキチョウかヤマキチョウをよく見かけましたが、今回は見当たりませんでした。



モンキチョウが求愛飛翔していました。♂(黄)が♀(白)の目の前を飛んでいます。アゲハの求愛行動の時もそうでしたが、♂は翅表を♀の方に向けてアピールしているようです。



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高原のヒョウモンチョウ類(改訂版)

2011-08-11 15:59:00 | 甲州・信州への旅
8月上旬に山梨・長野県で観察したヒョウモンチョウ族の蝶を紹介します。
観察地の標高は約1,600~2,000mです。

ギンボシヒョウモン(8月3日、入笠山、ノアザミで吸蜜)


後翅裏の銀色斑点が特徴的なヒョウモンの仲間です。
日本産の大型ヒョウモンチョウ類の中では最も寒地性の蝶で、本州中部の山地以北に分布します。中部では1,000m以上の山地で見られ、草原を好みます。年1回、6月下旬~7月上旬に発生します。
観察地は山頂の草地で、風に吹き上げられて山頂まで来たようです。

小学生の頃、父に連れられて小淵沢付近の八ヶ岳の見える草原に来たことがありましたが、アザミが咲き、ヒョウモンチョウ類が沢山いたのを思い出します。今ではそれがどこだったのかわかりません。
当時の図鑑を見ると、ギンボシヒョウモンに印が付いており記憶でもそうなので、ギンボシを見たのだと思います。

ウラギンヒョウモン♂(入笠山、ノアザミで吸蜜)




ギンボシヒョウモンに似ていますが、後翅裏の銀色斑点の並び方等が異なるので見分けられます。
北海道から九州まで分布します。平地や低山よりも山地の草原に多く見られ、年1回、暖地では5月下旬~6月上旬より発生し、夏期休眠します。
観察地は草原で、夏期でも休眠せず活動していました。
♂の前翅表、第2,3脈上には黒色発香鱗条が見られます。
6月に山梨の富士川沿いの低地および東京の丘陵地でも観察しました。

コヒョウモン(8月4日、清里高原、草地で休止)


本州では北関東及び中部地方の山地の渓流沿いに見られることの多い種類です。
観察地は草地で、小川が流れ、湿地を好むチダケザシやクサレダマが咲いていました。

ミドリヒョウモン♂(8月3日、入笠山、ヒヨドリバナで吸蜜)






ミドリヒョウモンは、北海道から九州まで分布します。草原には少く、樹林かその周辺に多い種類です。樹林脇の草地で観察しました。
年1回、暖地では5月下旬~6月上旬に発生します。
♂の前翅表には太い3本の黒色発香鱗条が目立ちます。

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夏の南関東の低地ではヒョウモンチョウ類が休眠に入り、ツマグロヒョウモン以外見られませんが、1,500m以上の高原ではいろいろな種類のヒョウモンチョウ類を見ることができました。

近年、どこへいっても草原が少なくなっていますが、ヒョウモンチョウ類など蝶の貴重な生活の場となる草原を人為的に撹乱しないで大切に保存してほしいものですね。

<追記>
大幅に改訂いたしました。KAZさん、良さん、ご指摘有難うございました(8月13日)。
写真4枚目の蝶をヒョウモンチョウとしていましたが、前翅後縁の2つの斑紋が繋がっていること、前翅が丸みを帯びていることから、コヒョウモンに訂正しました(8月20日)。
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入笠山へ

2011-08-11 09:37:00 | 甲州・信州への旅
入笠湿原を見下ろす山彦荘に宿泊。涼しく静かなので久し振りに熟睡できました。



朝起きると、薄く霧が広がり、針葉樹の木々は露で濡れて着氷したように白く見えました。遠くは落葉松林だと思います。何人か同じ場所に来てこの風景を撮影していました。



入笠山に出発する時の山彦荘。晴れ間がのぞきました。



針葉樹やダケカンバ、笹の生える山道を登ります。日の当たる場所にハクサンフウロ(↑ 花期は8月上旬)やキリンソウが咲いていました。



頂上付近より。頂上は開けていましたが、霧が流れてくるので遠望はききませんでした。



頂上付近の草地にはノアザミが咲き、ヒョウモンチョウの仲間が訪花していました。



入笠山の登り口(御所平峠)付近のお花畑に咲くヤナギラン(花期は8月上旬)。手前はヒヨドリバナ。



クガイソウ(九蓋草) ゴマノハグサ科
山地の草地に生える。花期は7月上旬。



コオニユリ。オニユリにはむかごがあるが、コオニユリにはないので区別できます。

その日の入笠山付近は時々霧が流れる湿気の多い天候。その中で撮影していたため、望遠レンズの先端内側に結露が発生し、日に当てたりドライヤーの風を当てるなど乾かすのに一苦労しました。


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