日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

日本共産党東京都議会議員の池川友一のオフィシャルブログです。地方政治の現場からいろいろと発信していきます。

日本の政治を歴史的につかまえる──各紙に不破哲三さんのインタビュー記事

2014-12-26 | 日々思うこと、考えたこと

 選挙後、各紙に不破哲三さん(社会科学研究所所長、元日本共産党中央委員会議長)のインタビュー記事が続いています。その全文は、原典にあたっていただければと思います。

■「ダメよ~、ダメダメの野党だらけの中、ひとり共産党が気を吐いている」(毎日)

 「歴史の転換点という感じがありましたからね」と、9年ぶりの街頭演説に飛び出した決意について語った「毎日」(web版24日)のインタビュー。

 自民党の現状に対して、これまで自民党を支えてきた野中広務さんや古賀誠さんたちの発言を紹介した上で、「そうした人たちがいまの自民党に居場所がない。発言する場所がない」と。

 (ここから引用)

 「かつての自民党の良さは『総保守連合』というところにあったんです。いろいろニュアンスの違う政治家が保守層を結集していましたから。三角大福中(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘)もそう。戦争を体験している世代でもありますから、あの戦争について、そう単純、単細胞的なことは言えない。それがいまや単色。それも日本にとって一番、危険な色ですよ。年が明ければ戦後70年を迎える。あの戦争は正しかったと、安倍さんがこだわればこだわるほど、国際的に歴史修正主義の国=日本との見方が激しくなります

 「そもそも2大政党制は歴史が生み出すもの。アメリカの共和党と民主党も、イギリスの労働党と保守党もそう。日本は違う。人為的に2大政党制をつくるなんて無理ですよ。そうした無理なことの総決算がきている。私が国会にいたころは各政党、組織、政策、綱領を持ち、自民党に対抗する何ものかがあった。いまは政党助成金をいかにもらうか。こんなに政党の離合集散の激しい国はない。中選挙区時代は自民党も各派が立って、切磋琢磨(せっさたくま)したけどね」

 (ここまで引用)

 また、次世代の党の石原慎太郎氏が引退会見で民意は何を示したかと問われ、「共産党の躍進だと思う。共産党への支持は、自分たちを囲んでいる社会的な現実に対する、漠として感じている現況への不満の社会心理学的なリアクションだ」と述べたことも紹介しています。

■「歴史的な大きな転換が始まっている時期だから。やっぱり血が騒ぎますね」(朝日)

 「党の躍進だけでなく、二大政党のありようにも冷静な目を向ける」とインタビューの冒頭に書いた「朝日」(web版25日)

 (ここから引用)

 ――アベノミクスをどう見ていますか。

 資本主義は本来、もうけ主義で、労働者・国民のことをかまわない主義だ。資本主義を存続させようと思ったら、国家がテコ入れをしなければならない。1850年にイギリスで労働時間法が始まり、世界でかなりルールができている。日本は、そのルールが一番弱い国だ。その弱さを問題にしないで、もうけを増やせ増やせと言って、そこに国がてこ入れしようとするのがアベノミクス。長い目で見たら、一番あぶない政策だ。

 ――日本の社会は「右傾化」しているとの指摘もありますが、自民党が大勝した今回の選挙結果をどうみますか。

 自民党が(衆院比例区の得票で)全体の33%しかとれなかったというのは、やっぱり国民の意思を示している数字だと思う。だから、単純に右傾化とは言えない。(自民党より右派の)次世代の党が成功しなかったのは、本物がいるから。安倍政権自体が過去の戦争礼賛者で「ネオナチ」と同じなんだから。別に政党を作ったって魅力がない。

 戦後の日本政治が、戦争についてあまりにも真実を語らなすぎたのがあると思う。同じ戦争した国でもドイツは全然違う。例えば、戦争犯罪について、南米まで(戦犯容疑者を)追いかけて裁判した。あの戦争がいかに間違いだったかをきちんと反省しているから、ドイツとフランスみたいにずっと戦っていた国が信頼しあっている。

 あの戦争で日本の兵隊はどんな死に方をしたか。国民はどんな目にあったか。自民党の野中広務(元官房長官)さんや古賀誠(元幹事長)さんら古い政治家たちは、みんな実態を知っているわけだ、自民党が、それを「美しい戦争だ」という勢力に乗っ取られるのに我慢できないでしょうね。我々、子どもではあったけど、戦争を知っている世代がきちんと伝えていく義務がある。

 (ここまで引用)

 インタビューは、不破さんの次の言葉で結ばれています「この衆院選で比例区で600万票、小選挙区で計700万票をとったけれども、その全部を党組織でつかんでいるわけではないよね。それをとらえられる組織を作らないといけない」

■日本の政治を歴史の流れの中でつかまえること

 私が日本共産党に入党したのはいまから11年前の2003年です。

 ちょうど、「自民か、民主か」という二大政党制づくりがはじまったのが同じ年の総選挙。政権につく可能性が無いところは、政党とはいえないというキャンペーンが吹き荒れたときでした。

 今回の総選挙より以前に、衆議院で議席を増やしたのは18年前の1996年のことです。私の政治体験として、国政選挙ではじめて議席を増やすことができたのが昨年の参議院選挙。実体験としては選挙の度に議席は現状維持か後退かということが続きました。

 今回の選挙は衆議院ではじめての議席増です。

 日本共産党には羅針盤となる「綱領」があり、その理論的基礎となっている「科学的社会主義」があります。

 目の前の選挙で、勝利するために力をつくすことはもちろんですが、同時に一つひとつの結果が「政治の歴史の流れの中でどうなっているのか」とつかまえることが大切なのだと、先輩党員のみなさんからくり返し言われました。

 今回の不破さんのインタビューのなかにも「本当の『自共対決』の時代が始まりつつある」という一文がありますが、歴史の中でいまの政党・政治状況をとらえる目を持つことが大事だなと思います。

 日本共産党は、誰かえらい人の言葉をそのまま信じる政党ではありません。党の中で違うのは役割による責任の重さのみです。「綱領」という羅針盤をもとに、「政治変革」を志す集まりだからこそ、一人ひとりの力も発揮することができるのだと思います。

 本格的な「自共対決」──今回の総選挙で多くの有権者の方々に寄せていただいた期待にこたえる活動を、躍進した国会議員団と連携プレーで私自身は地方自治の現場から発信していきたいと思います。

 最後に、総選挙中の不破さんの京都と沖縄の動画を紹介しておきます。

 12月11日、京都の四条河原町での訴え。

 12月12日、沖縄の那覇市内での訴え。

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