日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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『ボローニャ紀行』のメモ書き(7)

2018-08-19 | 学んだこと、政策のこと

 「過去と未来をつなぐ役割を背負っている」という言葉に込められた大きさを感じます。文化財をしっかりと保護し、次世代につなげていくことが憲法の定めになっていることはとても素晴らしいことです。

「つまりイタリア人は、古いものは観光資源になることに気づいたわけですね」

「たしかにそれもあったでしょう。でも、そればかりではないんですよ」

 だれもが歴史を、そして過去を目でしっかりとたしかめられること、これが一番でしょうと、女性館長の説明がつづきました。

古いものの前に立つと、歴史が、過去が、そして消え失せたはずの時間が、すべてのものが、一瞬のうちに目の前へ立ち現れてきます。そのことによって、だれもが、自分が現代に孤立して生きているわけではないという真理を直感するんですよね。そして自分が過去と未来をつなぐ役割を背負っているという責任を自覚します。大事なことは、こういったことがすべて人間を勇気づけるといことです。そこで二十世紀の初めごろから、イタリア全土の重要な文化財を保護するということは、国民に対する、そして人類に対するイタリア国家の責務であるという考え方が生まれ、そしてたちまち、あらゆる思想の主流になりました」

 なるほど、イタリア共和国憲法(1947年制定)の第九条二項で、<イタリア共和国は、国家の風景ならびに歴史的および芸術的家産を保護する。>と定めているのは、こういった考え方が基礎にあってのことにちがいありません。(90〜91ページ)

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