日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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リニア問題でとんでもない事実。財務省が、国有地を事業認可前にJR東海に売払うことを決定していた

2015-03-15 | 国政のこと

 とんでもない事実がわかりました。

 JR東海によるリニア中央新幹線計画について、国土交通大臣はくり返し「地元の理解と協力を得ることが重要だ」と述べています。

 今回、把握した事実は、まったくそれとは異なるものです。

■「住民運動がどうであれ、手続に従って粛々と進める」ことは、「理解と協力」とは別次元

 とある審議会での議論を紹介します。

○野並委員 リニアについては、賛否両論あると思うのですが、特にそれが通過する地域の住民の人たちはいろいろ心配をしているのではないかと思います。ここの場所の場合、住民の動きは現在、例えば住民運動みたいなものが起きているのかどうなの、そのあたりはどうなのでしょうか。

○山管財第2部長 具体的な詳細につきましては、まだ調べていないのですが、ただインターネット等を見ますと、そういう反対のホームページができあがっております。ここの地区におきましても、工事関係等につきまして大丈夫かという観点からそういうビラが配られたり、それからネット上にそういう反対の意見表明がなされております。
 いずれにしましても、JR東海に確認したところ、環境アセスの評価の際にも説明会を開いたということですし、認可を受けてから再度、実施に当たっての説明会を丁寧にやっていきたいということを聞いております。

○野並委員そうなると、そういう住民の動きがこの土地の売払いに影響を与えるということはあり得るのでしょうか

○山管財第2部長 当審議会におきましては、国有財産をJR東海に売却するにあたりまして、まず先ほど言いました全国新幹線鉄道整備法等に基づきまして、整備計画なり工事実施計画をそれぞれ国土交通大臣に対しまして、申請、それを受けての認可という一連の手続を踏まえて、実施すると。それを受けまして、国有地が整備事業用地として、会計法令でいう随意契約に当たるか。具体的に言いますと、必要性とか実現可能性とか、そういうところをまずは審査をして、ご審議をいただくということになっております。
 したがいまして、工事実施計画が国土交通大臣より認可された後に売却を予定していますが、その後仮に住民運動等が生じまして、多少工事関係に影響があるとしても、国有財産を売却することの大義につきましては、そういう全国新幹線鉄道整備法に基づく公益事業、それを踏まえての会計法上の随意契約ということです。つまり、所要の手続を踏まえて実施するという形でございます

○野並委員 ということは、要は住民運動がどうであれ、手続に従って粛々と進めるということですね

○山管財第2部長 はい、そうでございます

 これは、「第2 4 7 回 国有財産関東地方審議会議事録」からの引用です(審議結果はコチラ)。

 この議事録で議論されているのは、リニア中央新幹線の片平・能ヶ谷立て坑建設予定地(川崎市と町田市の市境)の鶴川総合運動場(政策投資銀行グラウンド)についてです。

 審議会で詳細が明らかにされていますが、敷地面積44,160平方メートルのうち、国の持分は100分の35、残る100分の65を株式会社日本政策投資銀行が所有しています。

 この片平・能ヶ谷立て坑の予定地を、JR東海にリニア中央新幹線事業用地として、時価売払う内容が審議されていたのです。

■国土交通大臣が事業認可する前に、国有地を売払うことを決めて、「理解と協力」が得られるか

 さらに驚くのは、この審議会がおこなわれた日付です

 リニア中央新幹線の東京─名古屋市間の事業認可が決定されたのは、2014年10月17日です。ところが、この審議会は、それ以前の2014年9月29日におこなわれています。

 町田市の和光大学ポプリホール鶴川で事業説明会がおこなわれたのが2014年11月11日、川崎市の麻生市民館で事業説明会がおこなわれたのが11月23日ですから、説明会をおこなう遥か以前に売払いを決めていたことになります。

 しかも、なぜこの時期かということについて、次のようなやりとりがあります。

○中村委員 やはり、ここで審議するのがまだ早いような気がするのですが、一旦住民の方に説明して、そこで全員の方の賛成を取る必要まではないと思いますけれども、ある程度そういう丁寧な説明をされた上で、この審議会で、こういう説明をJR東海は現地でしました、残土の問題についてもいろいろ住民から不安もありましたけれども、今おっしゃったような、運転手がきちんと気をつけるようにしますということを説明して大方の了解を得られました、ということで初めてここで審議するというのが、筋のような気がするのですが。何か少し話を急ぎすぎているような気がしますが、どうですか

○山管財第2部長 先ほど野並委員からも話がございましてお答えをさせていただきましたが、国有財産売却の観点では全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、整備計画それから工事実施計画、そういう所要の手続を国交大臣に行った上での処分ということです。
 なぜこの時期にということにつきましては、最後の説明のときに説明させていただいたのですが、本来であれば工事実施計画の認可を受けて売却ということになるわけですが、そこの点につきましては本年度中にJR東海がこの国有地と政投銀の土地を取得したいとそういう要望でございます。事業認可を経て、それで、先ほど申しましたけれども、会計法令上の所要の手続とか、不動産鑑定にかかる期間等を考慮いたしますと、この時期にこの審議会でご審議をいただいて、答申後売却ということをさせていただきたいと考えております。

○中村委員 それはJR東海の希望ですよね。

○山管財第2部長 はい。JR東海の希望ですし、そういう要望を受けまして、我々としても所要の時間等が必要であるということで、この工事実施計画の認可を条件としてそれを踏まえて売却と、そういう取り扱いを考えたところでございます。

(中略)

○山管財第2部長 (略)本来であれば、工事実施計画の国土交通大臣認可後に実際にどういうものをつくるというのが決定をいたします。その時点で審議会に諮るということが考えられるのですが、先ほど申しましたように、まず大臣認可を受けて会計法上の随意契約の財務大臣協議、その後この土地の評価にかかります。そういたしますと27年3月に間に合わないということで、この時期にという判断をさせていただきました

 一言でいえば、JR東海の希望が平成27年3月で、大臣認可後だと間に合わないから、事業認可が決定される前に売払うというとんでもない理屈になっています。信じがたいやりとりです。

■審議会委員からも「賛成しかねる」との声が出る

 この審議会で「答申」を出すことになるのですが、全会一致ですいすいと「答申」が出されていないことも注目に値すると思います。

 ○中村委員 すみません。私はこの件に関してはイエスと言い難いので、その点はきちんと議事録に明記していただけませんか。10年以上に及ぶ工事なので、それだけ住民の暮らしに大きな影響を与えると思います。それについて全くとは言わないですけれども、搬出路の問題とかその辺の説明が十分にまだなされていないというふうに先ほどの説明だと承知しました。そういうことを踏まえてから、この審議会で審議をするのであれば、私はイエス、ノーの判断ができますけれども、正直言ってこの段階でイエスとの判断はできませんので、今日どうしてもその結論を出さなければいけないということであれば、私はイエスとは言えません。賛成しかねるということを議事録に残していただきたいと思います

 手続き的にも、また国土交通大臣がいう「理解と協力が必要」という点からも、問題大ありの国有地売却問題。

 国会を通じて問い合わせたところ、3月13日時点ではまだ売却していないということでした。

 JR東海に対しては「丁寧に説明させる」と言いながら、同じ政府のなかでは、丁寧な説明はどこ吹く風ということではあまりにも住民をバカにした話になります。

 鶴川平和台自治会は、この地域内への大型車両の通過はやめてほしいという意見をあげています。

 この審議会の決定に対して、国土交通大臣は差し戻させることなどが必要です。

 国会とも連携しながら、みなさんと力を合わせてがんばります。

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