円谷作品のジレンマは

 サンダーバードや謎の円盤UFOなど海外のSF作品を見ていると
子供だけでなく大人になっても大いに楽しめる作品というのは衆目の
一致するところだろう。

 一方で国内に目を移すとウルトラセブンを含め一部を除いて少な
いという事に気付くし、マイティジャックをはじめ大人向けとして
製作した作品の人気は今ひとつ。

 その理由としてウルトラマンを含めた巨大ヒーローが市民権を得過
ぎた結果ではないかとも思う。

 空想特撮ドラマ第1号のウルトラQには当然ながら巨大ヒーローは
登場せずに人気はあったのだがウルトラマンが登場すると、怪獣と巨
大ヒーローの戦いがメインになりSFメカもののメインである地球防衛
軍のメカと敵の宇宙船との攻防は前座的なものになった。

 当然ながらマイティジャックなどは大人向けを狙っているので怪獣や
巨大ヒーローは登場せずにMJ号をはじめとしたメカと、敵組織Qが
作ったメカとの攻防戦がメインになるもののウルトラマンやセブンを
見慣れた子供達には物足りないものと感じたのは想像に難くない。

 しかも肝心のターゲットである大人達にとって円谷=子供向けと
いう固定観念があっただろうし、ドラマ部分でもB級アクション活
劇のような作品もあったので謎の円盤UFOのような内容ではないと
いうのも致命的だったろう。

 更に何事も積み重ねが重要なのだがマイティジャックの場合は
制作費が高額だったため低視聴率で打ち切られると同系統の作品
を作りづらくなるのも必然で、ウルトラ系の方が金にもなる事か
ら巨大ヒーロー作品がメインになり謎の円盤UFOのような大人の
鑑賞に耐えられるSFメカドラマというのが作りづらくなったの
だろう。

 円谷作品のポテンシャルの高さは異形の者や巨大ヒーローも
登場しない怪奇大作戦が21世紀の今でも評価されている事だが
OA当時は視聴率的に苦戦したわけだし、セブンもウルトラQや
ウルトラマンに比べて視聴率は悪かったのを考えると日本では
名作といわれる作品に限って視聴率的に苦戦するというケースが
多い。

 ここらあたりに制作費が かさむ特撮作品で海外作品に負けない
ものを作りたくても作れないという円谷プロのジレンマが垣間見
える。

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