帰ってきたウルトラマン1話:怪獣総進撃

 帰ってきたウルトラマンの1話のサブタイトルは怪獣総進撃で、
1話から3体もの怪獣達が登場する豪華版だ。

 怪獣総進撃といえば遡る事3年前に東宝が怪獣映画の集大成的な
ゴジラを含めた11体の怪獣が登場する作品で、監督は同じ本多猪
四郎が担当しているのでOKだったのかと思ったりする。

 いきなりザザーンとタッコングが登場しザザーンを倒したタッコ
ングの襲撃から、子供と子犬を守ろうとして命を落とした郷秀樹の
姿に感動したウルトラマンが地球では姿を維持できないという事で
郷に乗り移って命を共用するというパターン。

 脚本の上原正三はセブンのユートム編でモロボシ・ダン誕生秘話
を書いているので、我が身を顧みずに人を助ける姿に感動している
シチュエーションは同じ。

 違うのはセブンでは薩摩次郎が生存しているのに対し帰ってきた
ウルトラマンでは郷が死んでいるため同化するというのは、初代ウ
ルトラマンのシチュエーションだから両作品のいいとこ取りという
事か。

 第1期ウルトラシリーズの時代設定は20世紀の終わり頃という近
未来だったのが、今回はリアルタイムの71年だからこそ市井の人々
の姿もしっかり描かれている。

 もっとも小規模な街の自動車工場でフォーミュラーマシンなど
今の感覚なら作るのは現実的ではないのだが、当時はそういった
感覚がなかったので我々視聴者も`凄い’と思って見ていた。

 MATチームは5人の隊員達で構成されており南と上野が2人乗り
のMATアロー1号、岸田が1人乗りの2号に搭乗して出動し加藤隊
長と丘隊員が地上からの指示及び攻撃と色分けされているのが当
時見ていて妙に納得できるものだった。

 ただツッコミどころとしてはMATの定員というのがあるか?と
いうものがあるし、郷秀樹をスカウトした理由が一旦死んだにも
拘わらず甦ったからというのは少しばかり突飛すぎると思う。

 それでも1話に3体の怪獣が登場するというのは歴代のウルトラ
シリーズでも珍しいわけで、円谷のスタッフが言うには‘セブン終
了後は2度とウルトラを作れないと思っていた’中からウルトラが
雄々しく復活した事を視聴者にアピールしたEPではないだろうか。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Bill McCreary)
2021-04-05 21:16:19
>それでも1話に3体の怪獣が登場するというのは歴代のウルトラ
シリーズでも珍しいわけで

そう考えると、「レオ」第1話は、マグマ星人、ブラックギラス、レッドギラスがでていて豪華版ですね。おまけにセブンまででているのがすごい。

>第1期ウルトラシリーズの時代設定は20世紀の終わり頃という近
未来だったのが、今回はリアルタイムの71年だからこそ市井の人々
の姿もしっかり描かれている。

まあだから「レオ」なんか当然いろいろ矛盾も出てくるわけですが。

> もっとも小規模な街の自動車工場でフォーミュラーマシンなど
今の感覚なら作るのは現実的ではないのだが、当時はそういった
感覚がなかったので我々視聴者も`凄い’と思って見ていた。

大男の団氏(これは、「汚れた英雄」の草刈氏もそうですが)がレーサーやるのも変ですよね(苦笑)。このあたりは、まだ日本人がカーレースのことをよく知らなかったということでしょう。

>本多猪
四郎

個人的には、もう少しウルトラシリーズの監督をしていただきたかったと思います。
 
 
 
そうでしたね (こーじ)
2021-04-06 23:05:34
>Bill McCreary様

 そうですね、レオの1話の方がレッド&ブラックギラス2体にマグマ星人とセブンまで出て来るし、津波のシーンもありますからコチラの方が豪華ですね。

 やはりレースについてリアルに知らない事が多かったという事ですね。

 本多猪四郎監督は帰ってきたウルトラマンでは最終回以外は1クール4話の計5話を担当してますし、ミラーマンも最初の2話を担当してます。

 他は緊急指令10-4・10-10とサンダーマスクあたりですが、70年代後半から黒澤明監督のサポートをしていたようですね。
 
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