音楽が変わると作品の雰囲気も変わるのを実感した死ぬのは奴らだ

 BS日テレでOAされている007シリーズも今回の8作目・死ぬのは
奴らだから主演がロジャー・ムーアとなり、この作品からムーア
ボンドが14作目の美しき獲物たちまで7作続くため70年代半ばから
007シリーズを見ている世代はジェームズ・ボンド=ロジャー・
ムーアというイメージができるわけである。

 制作サイドも007シリーズが8作目となりロジャー・ムーアになっ
た事もあって雰囲気を変えようとしたのか?新境地を開こうとした
のか?音楽がこれまでのジョン・バリーからビートルズを見出した
プロデューサーのジョージ・マーティンになり主題歌もポール・
マッカートニー&ウィングスが担当しているのが特徴だ。

 個人的に007シリーズは12作目のユア・アイズ・オンリーから映
画館で見たのだが、それまで007シリーズは月曜ロードショーでOA
されたのを見ておりロジャー・ムーア版第1作が初めてOAされたの
は81年4月で公開から8年経っている。

 だから初めて見た時に雰囲気がダイヤモンドは永遠にまでと違う
と実感していたものの、その理由が製作スタッフのデータなど見る
機会がなかったので
主役交代にあると思い込んでいた。

 ところが音楽が前述したようにジョン・バリーからジョージ・
マーティンに変更されたというのも大きかったわけで、実際この
傾向をゴジラシリーズなどで気付いたのだった。

 ご存じのように昭和ゴジラシリーズは2作目ゴジラの逆襲を除く
と基本的に監督・本多猪四郎
&音楽・伊福部昭だったが、南海の大
決闘から監督が福田純&音楽・佐藤勝になると一気に雰囲気が変
わったし特にゴジラ対メカゴジラとメカゴジラの逆襲を見比べる
と実感する。

 つまり音楽が変わると作品の雰囲気が変わるという事を最初に
実感したのが、この007死ぬのは奴らだからだったのだ。

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コメント
 
 
 
音楽は世界だ! (tamutamu)
2023-06-22 23:12:06
ウルトラでは、宮内圀郎先生が「Q」と「マン」を担当してジャズテイストの音楽を提供して、黎明期のウルトラに垣間見れた空想科学シリーズ特有の怪奇現象や未来感を表現していたように思えます。
「セブン」「帰マン」「A」「レオ」「80」「コスモス」と多岐に渡って担当した冬木透先生は、クラシックテイストの音楽でウルトラの世界を彩り、空想科学の作品に更なる幻想的な色を加味していただきましたね。
「T」では日暮雅信先生が担当しましたが、冬木先生とは違う情緒あふれるテイストで“現代の御伽噺”にはまっていた感じがあります。
 
 
 
追記 (tamutamu)
2023-06-22 23:53:47
言い忘れた事ですが、個人的な解釈としては、各々の先生方がウルトラに提供した音楽は、
宮内先生の場合は“現象”を表現していたように思え、
冬木先生の場合は“人”を表現していたように思えます。
「Q」と「マン」は基本的に事件や怪獣出現を主軸にしていたのもあるし、「セブン」以降は番外編的な話を除けば人間ドラマに舵を取ったゆえの音楽にも聴こえました。
日暮先生の場合だと、“現象”や“人”とはまた違った感覚に思えまして、地に足ついた“土着的”と思いました。「T」の話に宇宙怪獣や宇宙人でもどこか生まれた土地の風土や習わしを全面的に押し出していた感じがありましたから、なんとなく土着的だと思いました。
 
 
 
それぞれに (こーじ)
2023-06-23 22:13:28
>tamutamu様

 宮内国郎・冬木透・日暮正信と、それぞれ魅力があるのでウルトラマンのバトルシーンを他の音楽家が、セブンのバトルシーンを宮内氏が担当すると全く違うムードになるのですから劇伴の違いってホントに凄いと思います。
 
 
 
追記2 (tamutamu)
2023-06-24 13:22:33
「ティガ」「ダイナ」では矢野立美先生が、「ガイア」「メビウス」では佐橋俊彦先生が担当しましたね。
矢野先生が繰り出すウルトラ音楽は、シンセサイザー調の音楽が多めで平成期ウルトラの新しさを癒合しつつ、音楽を通じて苦境に立たされることの多かったダイゴやアスカの内面を表現していたように思えます。
佐橋先生はウルトラ・ライダー・戦隊・ガンダムという日本を代表する作品に参加した初の作曲家でもあるという偉業を達成した方でもあります。その偉業を成し遂げた音楽にはどの作品にも似合う緊迫感・幸福感・脱力感そして戦闘感といった特撮に必要な要素を万べなくこなしたのが素晴らしいですね。
 
 
 
佐橋氏は (こーじ)
2023-06-25 17:38:21
>tamutamu様

 佐橋氏はウルトラ・ライダー・戦隊と3つのカテゴリー制覇されてますから凄いし、特に等身大のテーマと巨大ヒーローのテーマを上手くまとめてますから凄いです。

 矢野氏のBGMはダイナの‘邂逅’などが好きな曲で、サーガでもしっかりヒビキ氏がアスカ記念日の演説をする時にバックで流れてましたね。
 
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