都市対抗野球・プリンスホテル唯一の優勝を見て20年

 今から20年前の今日・89年7月31日に行われたのが第60回都市対抗
野球の決勝戦。
 東京都・プリンスホテルが白老町・大昭和製紙北海道に8対3で勝って
創部以来初優勝を達成した。
 この試合を私はプリンスホテル応援席で観戦したのだった。

  高校野球は甲子園ではないが観戦した事があるし、大学野球も早稲田
戦を中心に観戦していた。
 ところが社会人野球は観戦していない。
 おりしも都市対抗野球が前年完成した東京ドームで行われるようになった
おかげで雨天中止がなく、ちょうど月曜が決勝戦となっている。
 ならば優勝の瞬間を見る事ができるし、こればかりは見た事がないから
楽しみにしていた。

 野球好きのお客さんから
‘都市対抗野球の場合は応援席の入り口で「一緒に応援したい」と言うと
無料で入場できるよ、ただし しっかり応援しないとダメだけどね’
というアドバイスを受けていたので当日のカードを見て‘どっちにしようか?’
と考えた。

 というのも白老町・大昭和製紙北海道は優勝経験があるのに対し、
東京・プリンスホテルは79年に創部以来アマチュアのスター軍団だが 10年
経っても無冠だったので優勝する確率はむしろ白老町・大昭和製紙の方が
あるように思えた。
 しかし6月のキューバ戦で活躍した石井浩郎をはじめ、

面識のある選手がいるプリンスホテルの応援をするべく1塁側に行って
応援したい旨を伝えると‘ありがとうございます、宜しくお願いします’と
言われ無料チケットだけでなくパンフレットや応援グッズまで貰った。

  応援席に着くと回りはおばちゃん達。
 そこで かつての選手・石毛、中尾、堀場、中屋らの名前を出すと
‘よく覚えてくれてたわね、みんな私達の息子みたいなものだからね’
と口々に言う。
 どうやら創部以来 応援している人達なのだ。
 応援方式はオーナーの堤義明の母校・早稲田大の応援パターンと一緒
だったので、やりやすかった。

 試合は先攻のプリンスが2回に1点を先取するが、その裏 追い付かれて
迎えた3回に3点、4回に2点を挙げて6-1とペースを掴む。
 5回に2点を返され6-3と3点差になるが、8回・9回に1点づつ挙げてダメ
押し。
 結局8対3で創部10年目にしての初優勝を飾った。

 9回裏 最後の守備に就いていると勝利のテープが配られ、最後の打者が
アウトになって優勝が決まった瞬間テープを投げ込み優勝を祝うクス玉が
割られたのだ。

  当然のように隣席のおばちゃん達は感涙していた。

  考えてみると この大会は投手では野茂英雄を筆頭に潮崎や佐々岡、
与田、橋本、西村、湯舟、木村恵二に鈴木哲。
 野手では古田敦也やパンチ佐藤ら、後にプロで活躍する蒼々たる面々が
出場していたのだ。

 ただスター軍団といわれたプリンスホテルが全国大会で優勝したのは、
これが最初で最後。
 経営合理化の判断で2000年限りで廃部になったのが未だに惜しまれる。

 そういう意味では貴重な瞬間に立ち会う事ができたのはラッキーだった。  

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