”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

消えたグレープフルーツ

2025-02-13 13:04:04 | 果物

昨日、あるステーキハウスのサラダバーからグレープフルーツがなくなり、

代わりにドラゴンフルーツが並んでいた

というブログ記事を拝見しました。

   

グレープフルーツと言えば、

11月~6月まではフロリダ産、

6月~11月までは南アフリカ産が輸入されているはず。

なくなるなんてことあるのか?

と、とても不思議に思ったのです。

  

でも、よくよく考えてみると、

最近、スーパーの果物コーナーでグレープフルーツを見ていない・・・。

  

  

そこで、グレープフルーツにどんなことが起きているのか調べてみました。

  

 

●日本人1世帯当たりのグレープフルーツへの平均支出額

これは、総務省の家計調査の結果を2004年と2018年で比較したものです。

(ただしキウイだけは2005年との比較になっています)

       【日本経済新聞様よりお借りしました】

 

2018年の1世帯当たりのグレープフルーツへの平均支出額は240円。

2004年(1175円)と比べると、1/5程度まで減ったことになります。

以前、果物離れということが言われ始めた頃、

それでも売り上げを伸ばしている果物があり、

それはバナナ、キウイ、グレープフルーツだったと記憶しています。

その理由は、食べやすいから。

バナナは皮が簡単に向けるし、キウイとグレープフルーツは半分にカットして、

スプーンで食べることができるから…と言われていました。

   

それなのに、なぜグレープフルーツを買わなくなってしまったのでしょうか?

 

●日本人のグレープフルーツ離れ その理由

 ■薬との相性の悪さ

  グレープフルーツ果汁をある種の薬と合わせて飲むと、

  薬の作用を増強して思わぬ症状を引き起こすことがあるため、敬遠されることが増えた。

 

 ■安全性の問題

  外国産の農産物には防腐剤や防かび剤が使われているので避ける人が増えた。

 

 ■日本人の嗜好の変化

  近年の日本人は甘味志向が強まり、苦みや酸味のあるグレープフルーツは好まれなくなった。

 

   

●グレープフルーツの輸入量の変化

 日本人がグレープフルーツから離れているこの現状は、

 当然、輸入量の変化に表れています。

      【財務省貿易統計 グローバルフルーツ様のHPよりお借りしました】

  

  

●アメリカでのグレープフルーツ収穫量の変化

日本での輸入量が減っている中、アメリカでの収穫量はどうなっているのか?

 

  【アメリカ農水省データ  グローバルフルーツ様のHPよりお借りしました】

 

こちらでも減少が著しく、1988年/1989年シーズンの約21%にまで減少しています。

 

   

●なぜアメリカのグレープフルーツの収穫量が減少したのか?

 ■病気の流行

  伐採するしか抑えることの出来ない病気が流行したことで、

  収穫できる樹が減少し、それに伴い収穫量が減少している。

  栽培面積は1990年代後半から1/4に減少。

 

 ■薬との相性の悪さ

  日本人のグレープフルーツ離れの理由にも挙げましたが、

  アメリカでは日本以上にこの関連の薬を服用している人が多いようです。

 

 つまり栽培面積も減少した上に、

 栽培しても消費先がなくなり、栽培自体が減少しているという流れになっています。

  

ステーキレストランのサラダバーからグレープフルーツが消えた理由、

その背景にある事情がよくわかりました。

 

私も治療の薬の関係で、グレープフルーツだけでなく、

食べることができない柑橘類が多く、

お土産でいただいた時などは、ひとつひとつ来歴を調べています。

 

私が食べられない分、グレープフルーツを食べ支えてほしいという希望はありますが、

これからどうなっていくのでしょうか?

 

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今年の静岡みかん

2024-12-20 13:33:51 | 果物

今年も友人たちに三ケ日みかんを送らせていただきました。

お送りしたのは、11月下旬なので早生品種になります。

(12月からは貯蔵物の青島みかんの収穫が始まります。)

 

          【画像お借りしました。】

  

  

今年は収穫量が多い「表年」に当たりますが、

夏場の記録的な高温とカメムシの大量発生で、

通常の「表年」より出荷量は減っているようです。

その分、価格は高騰しています。

  

カメムシにみかんが吸汁されると、次のような被害が発生します。

 ・果実に着色ムラや褐色斑が現れる。

 ・果実が落ちたり変形したりする。

 ・果実がスカスカになり、食べてもおいしくない。

  

もちろん、出荷されるみかんは

目ぞろい会やAIセンサーなどで厳選されていますし、

私が配送をお願いしたJAの直売所では、配送前に必ず検品してくれます。

 

また、私も必ず袋入りのみかんを買って、味を確かめるようにしているので、

まちがいなくおいしいみかんが届いたと思っています。

  

 

これは、「静岡ケンミンあるある」なのですが、

実家にいた頃、みかんを買ったことなどなかったのですよ…。

12月になると、どこからともなく箱いっぱいのみかんが届き、

「こたつみかん」は当たり前の冬の光景。

だから、結婚して、初めて、スーパーでみかんを買った時は、

何とも言えない複雑な気持ちになりました。(^-^;

  

 

県外の友人にみかんをお送りする時は、

やっぱりブランド力のある「三ケ日みかん」を送ります。

それに、箱に印刷されている「機能性」の説明も読んでもらいたいので。

  

 

でも、自宅で食べるみかんは、ブランドにこだわりません。

夫が、近所の戸田農園の無人販売所のみかんが大好きなので…。

 

今年も、販売が始まったようですよ。(*^-^*)

 

 

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16年越しのル レクチエ

2023-12-24 00:07:02 | 果物

新潟県特産の洋梨「ル レクチエ」を送っていただきました。

一度も食べたことはないけれど、私にとって思い出深い果物です。

そして「ついに会えた!!」という思いで感慨もひとしお。

 

  

  

私がこの「ル レクチエ」を初めて見たのは、NHKのお昼の番組でした。

調べてみると2007年の放送のようです。

 

  

2005年の暮れに、私は今の「野菜ソムリエpro」に名称が変わる前の

「ベジタブル&フルーツマイスター」の資格を取得しました。

この資格取得のための勉強もかなり厳しかったのですが、

本当の厳しさは資格取得後に待っていました。

常に新しい野菜や果物の情報に目を向けていなければならない。

しかし、16年前は今のように野菜や果物に特化した情報番組も多くはなく、

また簡単にネットで情報収集できる時代でもありませんでした。

  

だから、たまたま見た番組で野菜や果物の情報が流れると、すかさずメモ!!

「ル レクチエ」もそうやって知った果物でした。

その時のメモ、今でも取ってあります。

  

  

  

しかし、「幻の洋梨」と言われている「ル レクチエ」。

静岡のスーパーに並ぶことはなく、簡単に私の元にはやって来ませんでした。

それが16年の後に、

まさか、こんなことがあるなんて!!

 

  

  

早く味わってみたいけど、食べ頃5つのサインを読んでみると

次のようになっています。

色・・・果実全体が黄色に変わる。(表の絵のような色)

香り・・・甘い香りがしてくる。

軸・・・茶色の軸が黒くシワシワになる。

首・・・軸に近い実の首の部分が黒ずんでくる。

硬さ・・・手に持つとやや弾力のある感触になる。

 

  

  

色のところにある「表の絵のような色」というのは

このパッケージに描かれたイラストの色を指しています。

まだ、この黄色にはなっていないかな?

  

  

甘い香りもまだ。

茶色の軸はシワシワとは言えない。

首の部分の黒ずみは、ひとつには見られる。

そして、弾力はまだ感じられない。

  

 

多分、1枚目の写真の右側の「ル レクチエ」の方が食べ頃が早く来そう。

本当に楽しみです。(^-^)

ありがとうございます。

  

 

※「ル レクチエ」の表記については、「ル・レクチエ」「ル レクチェ」という表記も見られますが、

 新潟県で統一されている「ル レクチエ」という名称を使わせていただきました。

※「ル レクチエ」は17世紀の果樹園芸家であり、執事としてもフランス宮廷に仕えた

 「ル・レクチェ氏」に由来しています。人名なので意味はありません。

 

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芝栗・山栗と栽培栗

2023-09-22 12:44:28 | 果物

昨日、お野菜の先生から栗おこわをいただきました。

  

  

 

9月2日にいただいた栗おこわは、こちらです。

  

  

比べてみると、昨日いただいた栗おこわの栗は

小粒ではあるが黄色が鮮やかに見えます。

ただ、9月2日の栗が大粒のまま残っているのに対し、

昨日の栗は崩れてしまっているものもあります。

  

  

お話を伺ってみると、昨日の栗は芝栗(山栗)だそうです。

つまり、山に自生している栗で、古くは縄文時代から食用とされてきたもの。

栽培用に品種改良された栗の原種となっています。

(9月2日の栗は、栽培用品種でこちらも先生が育てられています。)

  

 

先生のお話しでは、

「この暑さの中、芝栗には虫食いがひとつもなかった。

 また、栽培用の栗よりも甘いことがわかりました。

 自然のものは、素晴らしい力を持っていますね。」

   

人の手をかけずに、山の中で育った栗は、気温の変化、天候の変化に耐え、

生き抜く力を自然と身に着けるということでしょうか?

  

 

先ほど、「おこわに入れた芝栗の中には、崩れてしまっているものもある。」

と、書きましたが、

芝栗は、栗くり坊主という栗の皮を剥く道具を使うと、

実が崩れてなくなってしまうので、

一度栗を茹でてから取り出すという工夫をしてくださっています。

 

   

私は、何度も書いていますが、

握力が極端に弱い上に、腱鞘炎もあるので、栗の調理は最初から諦めています。

ただただ、先生のお手製の栗料理をいただくだけですが、

いつも以上に手間をかけてくださった芝栗のおこわ、

滋味あふれる味を感謝していただきました。

 

  

 

昨日は、大量のオクラを消費するために、オクラとお豆腐のうどんを

お昼に食べる予定でしたが、

芝栗のおこわをいただいたので、うどんはミニサイズにし、

豊かなテレワークランチとなりました。

  

ごちそうさまでした。

 

 

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今年初梨 秋麗いただきました!!

2023-08-21 21:44:39 | 果物

今年初の梨 磐田産 秋麗をいただきました。

   

見た目は秀麗とは言い難いのですが、

まず、その糖度に驚きます。

糖度13と言われていますが、酸味をほとんど感じません。

  

濃い甘み、緻密な肉質、シャキシャキとした食感、みずみずしさ・・・。

 

見た目は悪いけど、最高においしい梨・・・

と書かれたものを見つけました。

でも、この見た目も含めて、秋麗の個性だと思います。

  

 

ところで、秋麗は幸水と筑水を交配させて生まれた青梨です。

幸水も筑水も赤梨なのに、その子供は青梨。

ということは、幸水にも筑水にも青梨の血が入っている???

  

気になりだすと、調べずにはいられない野菜(果物)オタクなので、

ここから先は、興味のない方はスルーしてくださいね。(^-^)

  

●まず、赤梨と青梨について

 赤梨・・・皮の部分が赤い色をしており、ザラザラとしている。

      代表的な品種は幸水

 青梨・・・皮の部分が緑色を帯びており、赤梨に比べるとつるっとしている。

      代表的な品種は二十世紀

 

    

●ここからは、梨の交配について(赤梨は赤字、青梨は青字、不明は黒字で表示します。)

秋麗幸水×筑水 これを元に幸水と筑水の生い立ちを調べます。

   幸水菊水×早生幸蔵

      菊水=大白×二十世紀

   

   筑水豊水×八幸

      豊水幸水×イー33(石井早生×二十世紀

      八幸八雲×幸水

         八雲二十世紀の品種改良

 

こうしてみると、秋麗の親である幸水も筑水も赤梨でありながら、

そこには、最強の青梨「二十世紀」の血が流れていることがわかりました。

 

秋麗は、見た目も悪く、また栽培にも手間と時間がかかる

難しい品種と言われています。

しかし、一度味わえば、絶対にその魅力が伝わると思います。

秋麗が、二十世紀に次ぐ青梨のホープとなりますように。

 

  

ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございました。

秋麗を使ったお料理は、次の記事で紹介させていただきますね。

   

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