我が家の小さな庭にもきゅうりが成り始めました。
まさに今が旬の夏野菜です。
いろいろな場面で野菜のお話をさせていただいておりますが、
旬についてお話するのが、一番難しいと感じています。
ある方がこんなことをおっしゃいました。
「今、スーパーに行くと、いつでもトマトが買えたり、
大根が買えたり、季節感がなくなっています。
いつでも手に入る・・・これは便利なことですが、
食べ物に感謝する心、モノを大切にする心が
失われてしまうので、危険なことだと思います。」
確かに、1年を通じて同じような野菜が手に入るとなると、
誰よりも先に季節の野菜を食べることを粋とした「はしり」や、
過ぎて行く季節を惜しみながら食べる「名残り」といった
日本特有の食文化は消えかけているのかもしれません。
しかし、それと感謝の心は別のはずです。
だいたい、旬の露地栽培の野菜だけでは、
約1億3000万の日本の人口をまかなうことはできません。
施設栽培も、工業製品を作っているわけではありませんから、
その土地の気温、天候など環境に左右されます。
今年の春先の低温や日照不足で、施設栽培の野菜も
生育が遅れ、価格が値上がりしたこと、覚えていますよね。
大切なのは、施設栽培が必要であるという現状
(日本の耕地面積や農業人口の減少など)、
そして生産者のご苦労と工夫などを合わせて伝えていくこと。
そうすれば、食べ物に感謝する心は
決して失われることはないと思います。
SBS学苑 イーラde沼津校で開催された
稲垣栄洋先生の「ビックリ!野菜の色の秘密」
という講座に出席させていただきました。
先生の「キャベツにだって花が咲く」という本を
読ませていただいて以来、
ずっとお目にかかりたいと思っておりましたが、
タイミングが合わず、4度目の正直?で出席することができました。
私は、野菜の色が持つパワーに大変興味があるのですが、
一番おもしろかったのは、「どうして野菜は体にいいの?」
というお話を、野菜と人間を比較して説明された所。
野菜(植物)は、病原菌がやってくると、
活性酸素を出して、病原菌をやっつけます。
しかし、病原菌退治に使われなかった残りの活性酸素が
植物をさびつかせてしまいます。
そこで、植物は抗酸化物質(色素、香り、苦味など)を作って
活性酸素を除去しようとします。
人間も、植物同様、病原菌に対抗するために、
活性酸素を出し、またそれを除去する能力を持っています。
しかし、植物に比べればその力は弱く、
また加齢とともにその力は弱まります。
そこで、野菜を食べることによって、
野菜の抗酸化力をいただこう・・・というわけです。
講座終了後、先生とお話をさせていただき、
本にサインまでしていただきました。
稲垣先生の講座で学んだことを
今後の食育活動に活かして参ります。
ありがとうございました。