「ふじのくにの食! おいしさを科学する」という
公開セミナーに参加させていただきました。
これは、静岡県内にある5つの農林技術研究所の
研究内容を一般人にも知ってもらおうという試みです。
いちご、みかん、お茶、わさび、椎茸などのおいしさの秘密が
若い研究員さんによって、たいへん易しい言葉で語られました。
その中でいちごについて印象に残ったことを
書かせていただきます。
●いちごのおいしい時期は?
静岡県のいちごの収穫期間は、11月末から5月末頃までです。
その中で、一番糖度が高いのは11月末~2月頃の寒い時期です。
これは、花が咲いてから実になるまでの時間がゆっくりだから・・・。
その分、太陽をじっくり浴びて糖分が蓄えられます。
ということは、花が咲いてから20日足らずで実になる3月頃は
糖度が一番低いということになります。
しかし、日射量が増える5月には糖度は再び上がっていきます。
●栽培方法
いちごの栽培方法は、大きく分けて土耕栽培と高設栽培があります。
【土耕栽培】
地面に畝を作り、黒いビニールシートで土を覆って
いちごの苗を植える従来の方法
【高設栽培】
高い位置にプランターを設置したハウス栽培の方法
【高設栽培のいちごのハウス 今年6月の様子】
高設栽培は、土耕栽培における労働環境を改善するために
考案されたものだと思っていました。
土耕栽培ですと、いちごは低い位置に付きますから、
どうしても中腰・前屈姿勢で作業を続けなくてはなりません。
しかし、メリットはそれだけではありませんでした。
高設栽培のいちごは、土に触れていないので
病気にかかりにくく、その分収穫時期が長くなります。
高設栽培によって、5月末から6月初旬まで収穫可能となりました。
一方、土耕栽培は5月に入ると土の温度が上昇するため
いちごが傷みやすくなります。
しかし、土耕栽培の方が味に深みとコクが出るという意見も多く、
この栽培にこだわる農家さんもいらっしゃいます。
●いちごはアイドル?
いちごは約10年の周期で世代交代が行われています。
その理由は
・10年の間に消費者の嗜好が変わるため
・生産者にとって、より作りやすい品種が誕生するため
静岡県の主要品種は、昭和60年誕生の女峰、
平成3年誕生の章姫、平成14年誕生の紅ほっぺと
移り変わってきました。
これって、おニャん子→モー娘。→AKB48のようなものでしょうか?
でも、私の周りはまだまだモー娘。ファンがたくさんいます。 (^^)v
いちご農家さんが暑いハウスの中で
次の苗の準備に汗を流されているこの季節。
いちごについて考えることは、
決して「季節外れ」のことではありません。
貴重な時間をありがとうございました。