”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

うすいえんどうの変種 莢のだしも使います

2024-05-09 00:05:06 | 在来種 伝統野菜

今年も、うすいえんどうの変種をいただきました。

毎年、種を採り、守り続けている袋井市三川の在来種です。

全部で610gありました。

  

  

 

莢から豆を出してみます。

豆は220gありました。

  

 

 

色は淡いグリーンで、粒の大きさもバラつきがありますが、

これが在来種の個性だと思います。

  

 

  

  

貴重な在来種ですから、莢も無駄にしません。

莢でだしをとります。

豆の莢には、うまみがたっぷり含まれているので、おいしいベジブロスがとれます。

  

  

  

20分煮出しして、ザルで濾します。

このおだしをお料理に使います。

  

  

  

豆をこのおだしと塩で煮ます。

10分くらい煮たら、蓋をして自然に冷まします。

  

  

 

お米は、豆の煮汁と、おだしと塩とお酒で炊きます。

  

  

  

炊き上がりました。

これに、先ほど冷ましておいた豆を加えて混ぜます。

  

  

  

今回のお料理は、こんな感じになりました。

豆ご飯は、ちょっとおこげも出来ています。

莢からとったおだし100%で炊いたご飯。

うまみもさることながら、甘みがたっぷり含まれていることがわかります。

  

  

  

ご飯の後ろに見える野菜のスープ煮。

今までは、コンソメで煮ることが多かったのですが、

今回は莢でとったおだしで煮て、塩麹で味付けしました。

仕上げに、バジルとオレガノをふりかけています。

やさしい味わいで、野菜のうまみがじわっと伝わってきます。

  

  

このスープ煮に使った野菜は、すべて地元野菜です。

袋井市三川産 うすいえんどうの変種

磐田産 白ネギ パレルモ ズッキーニ

森町産 しいたけ

浜松産 セルリー 三方原馬鈴薯

  

  

そして、こちらの一皿もご覧ください。

袋井市三川産 ハチク 紅はるか

磐田産 ズッキーニ

をフライにしました。

 

地元野菜には、地元の酒粕を使います。

ということで、三川地区にある国香酒造の酒粕でタルタルソース。

酒粕、マヨネーズ、プレーンヨーグルト、レリッシュ(ピクルスを刻んだもの)を

混ぜて作りました。

 

 

おいしくいただきました。

地元の恵みに心から感謝です。(^-^)

 

コメント (6)
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最後の清水森ナンバ味噌

2023-09-27 00:02:11 | 在来種 伝統野菜

この日に作った清水森ナンバ味噌も、いよいよ最後となりました。

 

  

最後は、北京ダック風チキン?

甘みとまろやかな辛みのあるお味噌がチキンとよく合います。

チキンは、ヨーグルトのホエーと塩に漬けておいたので、

ふわっと軟らかです。

 

 

  

北京ダック風チキンと書きましたが、

北京ダックを包む皮(カオヤーピン)がなく、

レタスで代用しているから、

北京ダック風チキンのレタス包みかな?

 

  

  

清水森ナンバ、おいしくいただきました。

出会いに感謝です。

ごちそうさまでした。(^-^)

 

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誇り高い清水森ナンバ

2023-09-18 15:59:18 | 在来種 伝統野菜

送っていただいた東北の恵み詰め合わせの中に、

大変興味深い在来野菜が入っていました。

  

それは、青森県弘前在来の清水森ナンバです。

  

  

 

これで開花25日後に収穫されています。

だいたい12~13cmくらいの長さです。

  

  

在来野菜と言うと、その歴史、現在に至るまでのいきさつが知りたくなります。

  

 

●まず、「ナンバ」って何?

 北海道、東北、北陸では唐辛子のことを「なんばん」と呼びます。

 一方で九州では唐辛子のことを「こしょう」と呼びます。

 清水森ナンバの「ナンバ」は唐辛子を表す「南蛮(なんばん)」から来ています。

  

 

●いつから作られていたの? 京都との関係

 津軽地方で400年も前から栽培されていました。

 津軽の藩祖であった津軽為信が、京都の伏見稲荷から持ち帰り広めたと言われています。

 為信はお礼に、京都から旅行に来ていた農民にひょうたん型のかぼちゃの種を贈り、

 それが京都の伝統野菜、鹿ケ谷(ししがたに)かぼちゃになったという説もあります。

 しかし、調べても青森の在来野菜の中に、ひょうたん型のかぼちゃは残っておらず、

 途絶えてしまったのか、あるいはその説が不確かなのかはわかりません。

  

 

●清水森というのは? ナンバの生産量の推移

 「清水森」は、弘前市の清水森地区のことです。

 昭和30年ごろまではナンバの栽培が盛んで、最盛期には10haほどの作付面積があり、

 全国の一大産地として名を馳せていました。

 しかし、昭和40年代以降、安価な輸入唐辛子が全国に流通するようになると生産量が激減し、

 平成10年ごろには20~30aまで減少しました。

  

  

●絶滅の危機の中、どのように栽培されているのか?

 清水森ナンバは生産・加工含め129会員しか作ることができません。

 絶滅の危機にさらされていることから、弘前大学農学生命科学部で種が作られており、

 苗業者に卸し、会員に配られます。

 また清水森ナンバは、弘前市、西目屋村、大鰐町、田舎館村、平川市の

 5市町村でしか栽培できません。

 絶滅の危機を脱しようと、ひたすらに栽培量や生産量を増やすのではなく、

 正しい栽培の仕方を学んだ会員のみが生産することで、

 清水森ナンバのブランド価値を高めています。

  

 

●味と栄養価

 唐辛子ですから、青から赤へと変化していきます。

 赤くなるにつれて辛みは増していきますが、鷹の爪に比べると辛みはかなり低く、

 まろやかな辛みと香りの良さが特徴です。

 また、弘前大学農学生命科学部の蔬菜花卉研究室調べによると、

 国内の他品種よりも糖分の含量及び、ビタミンC、Eの含量が高く、

 栄養価の高い唐辛子という研究結果が出ています。

  

 

むやみに生産量を増やすのではなく、品質を保つことを大切にし、

ブランド価値を高めることに重きを置いた、

誇り高い清水森ナンバに出会えたこと、本当にうれしく思います。

 

  

これから、この清水森ナンバを使って、清水森ナンバ味噌を作ろうと思います。

 

※申し訳ございませんが、コメント欄、閉じております。

 

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中津川こしょうの花が咲きました!!

2023-07-31 13:47:51 | 在来種 伝統野菜

中津川こしょうのことを知ったのは、昨年8月22日。

野菜ソムリエ仲間のmiyamoto-farmさんが、facebookに投稿されていました。

  

岐阜県の伝統野菜「あじめこしょう」の系統の品種で、

普通の唐辛子の3~5倍の辛さを保ちながら、

トマト並みの糖度を持ち、うまみ成分のアミノ酸も豊富と言われています。

  

この唐辛子の存在を知った時、

「こんな魅力的な食材があるなんて!!

 この唐辛子を食べるまでは、元気でいなくては!!」

と、とても前向きな気持ちになり、力が沸いてきたことを覚えています。

  

 

miyamoto-farmさんから、乾燥させた「中津川こしょう」を送っていただいたのが、

昨年の11月。

左が完熟したもの、右が若採りしたものを乾燥させてあります。

左は17cmほど、右は12cmほどの長さです。

 

  

 

私は、中津川こしょうを育ててみたくて、

完熟した方から種を採り、ポットに蒔きました。

播種日は今年の5月5日。

しかし、全く芽が出てこないので、1週間後に追加で撒きましたが、

全く変化なし・・・。(T_T)

 

  

  

諦めていたら、miyamoto-farmさんが苗を送ってくださいました。

6月16日に送っていただいた苗。

苗を宅配便で送るのは、大変なことだと思います。

これは箱から取り出したところですが、

ひとつひとつの苗に不織布を丁寧に敷いてくださって、

そのお心遣いにも感謝しております。

 

  

  

7月8日の中津川こしょう

葉っぱがすごく元気です。

 

  

  

そして、本日7月31日。

3つともすくすく育っています。

  

  

うれしいことに、その中のひとつに花が!!

可憐な中津川こしょうの花です。

  

 

うれしい!! ヽ(^o^)丿

実が付いたら、緑から赤へ、その辛みの変化を味わってみたいです。

miyamoto-farmさん、やっとここまで来ましたよ!! (^^)v

 

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食べ繋いで守ってほしい 大和在来野菜「チシャ」

2023-04-21 00:03:16 | 在来種 伝統野菜

ブログのお友達で奈良県にお住いのmirapapaさんが、ブログの中で

「チシャとたけのこの味噌和え」というお料理を紹介されていました。

こちらです。

  

ここで、問題にぶつかります。

私は「チシャ」と言ったら、レタスの和名であり、

レタスの総称だとずっと思っていました。

例えば、おなじみの玉レタス。

これは、「玉チシャ」とも言われます。

 

 

しかし、mirapapaさんのブログを拝見しても、どれがレタスなのかわからなかった…。

そこで、「チシャ」で検索してみると、

サニーレタスのことを方言で「チシャ」と呼ぶ地域があることが判明。

でも、どう見てもサニーレタスらしきものの姿はありません。

  

 

思い切って、mirapapaさんにお尋ねしてみると、

「サニーレタスとは別物で、もっとアクが強く、えぐみもあります。

 ずっと田舎で食べられてきた野菜だと思います。

 食べられるようにするまでにも手間がかかるし、

 スーパーで売っているのを見たことがありません。」

と、教えてくださり、

こちらの記事にそのチシャのお写真まで載せてくださいました。

  

       【畑のチシャ mirapapaさんのブログより画像お借りしました】

  

 

こうなると、ますます「チシャ」が気になります。

 

mirapapaさんのお言葉から推測すると、ひょっとして奈良県の在来野菜では!?

そう思って調べてみると、「大和の伝統野菜」や「大和のこだわり野菜」のように、

奈良県が認定したものではありませんが、

「大和在来野菜」の中に「チシャ」の名前を発見!!

下から葉を掻き取って食べるレタスの一種と書かれています。

  

              

【大和在来野菜チシャ 画像お借りしました】【直売所で売られているチシャ 画像お借りしました】

 

  

こうなったら、レタスが日本に伝来したあたりから調べ直さなくては!!

 

で、レタスの来歴を読み返してみたのですよ。

 

●レタスの生まれ故郷は

レタスの野生種は、地中海沿岸から西アジアに広く分布しています。

そして、エジプトでは紀元前4500年頃から用いられ、

古代ギリシャやローマでも健康と安眠をもたらす野菜として

紀元前から食べられていましたが、

当時のレタスは結球していないタイプのものでした。

 

  

●中国へ伝来

7世紀頃に中国に伝来し、茎チシャが生まれます。

   【茎チシャの画像お借りしました】

  

 

●日本への伝来

日本には中国から奈良時代に「チシャ」として伝わりました。

平安時代に編纂された日本最古の薬物図鑑「本草和名」に

「白苣・知佐(両方ともチサと読みます)記載されていることからも

それは明らかです。

しかし、当時のチシャは、結球しておらず、

下の方から掻き取りながら食べる「掻きチシャ」というものでした。

   ↑

奈良時代に伝わった「掻きチシャ」!!

これは、まさに今、奈良県で食べられている「チシャ」と同じ形状ではありませんか!!

  

 

日本に伝わった当時と、今、奈良県で食べられている「チシャ」が

全く同じものかどうかはわかりません。

(長い年月の間に、少しずつ変化があったかもしれません。)

でも、mirapapaさんのブログを通じて知った大和在来野菜「チシャ」が、

こんなに歴史のあるものだったとは!!

  

 

そして、中国から伝わった「掻きチシャ」は、

日本では茹でてごま和えや酢味噌和えで、早春の野菜の少ない時期に食べていました。

 

また、大和では「チシャとたけのこはあいくち(相性が良い)」と言って、

郷土料理に「チシャとたけのこのおあえ(ごま味噌和え)」「チシャとたけのこの木の芽和え」

をはじめ、「チシャのはりはり」「チシャ寿司」などがあり、

古くから親しまれてきた野菜である・・・との記述も。

 

たけのことの組み合わせは、まさにmirapapaさんが紹介されていたお料理です。

  

私は、このチシャを食べたこともなく、実物も見たことはありませんが、

こうやって調べることで、ものすごく身近に感じられました。

  

生産者様も少なく、食べるまでに時間も手間もかかる大和在来野菜「チシャ」。

どうか、食べ繋ぐことで守っていってください。

 

素晴らしい野菜のことを知ることができました。

ありがとうございました。

 

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