これも前掲の書にあった話しです。
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「なんでもいいから占ってみな!…占いなんぞ当る
のかい?」
「当りません。」
「…それにしては料金表ではえらく高いじゃないか。」
「当らなくても高い料金を頂きます。」
「じゃあ、やってくれ。」
暗い照明の中で私はこの男の目の中に赤い細い線が
一筋、さあっと横走るのを見た。
何枚ものカードで時間をかけて占う気もしないので、
一枚のカードでさっさと占う事にした。
「交通事故に気をつけて下さい。」
私はそう言って料金表の金額を指差し、鑑定の終わった
事を告げた。
「たったそれだけでそんな高い金をとるのかい。泥棒じゃないか、
払えるかい。馬鹿にするな!」
この人は怒って帰って行った。
1週間ほど過ぎてこの人が頭部と両手に真っ白な包帯をし、
右腕は肩から下げた白布で吊って、片足を引きずりながら
やって来た。
「先生すみませんでした。あれから1週間の間に9回も交通事故に
あいました。自動車にはねられそうになるわ、自分で車にぶつかるわ、
自転車と正面衝突するわ、子供の三輪車にまでつっかけられるわ
…助けて下さい。本当にすみませんでした。深くお詫び致します。
この前のお金はちゃんと払わせて頂きます。」
お金は今日の分だけ払えばいいから、前回のはいいですと言うと、
彼は涙を流しながら、
「先生、お願いですから助けると思ってお金をとって下さい。どうか
助けて下さい、今晩中にも、今度こそは轢き殺されるかもしれません。」
この人はバーを経営しているとかで、その後事故にあったという事は
聞いていません。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
同書では目の中に赤い細い線が横走って見えるのは、剣難の相や
交通事故を示すものであると解説されていました。加えて引き当てた
カードもそうした意味のものであり、そこで交通事故を予想されたそうですが、
客の男性はあまりに簡単な回答であったために適当に占われたと
勘違いして激怒した様です。
人相学に関しては、わたくしも興味深く感じます。
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「なんでもいいから占ってみな!…占いなんぞ当る
のかい?」
「当りません。」
「…それにしては料金表ではえらく高いじゃないか。」
「当らなくても高い料金を頂きます。」
「じゃあ、やってくれ。」
暗い照明の中で私はこの男の目の中に赤い細い線が
一筋、さあっと横走るのを見た。
何枚ものカードで時間をかけて占う気もしないので、
一枚のカードでさっさと占う事にした。
「交通事故に気をつけて下さい。」
私はそう言って料金表の金額を指差し、鑑定の終わった
事を告げた。
「たったそれだけでそんな高い金をとるのかい。泥棒じゃないか、
払えるかい。馬鹿にするな!」
この人は怒って帰って行った。
1週間ほど過ぎてこの人が頭部と両手に真っ白な包帯をし、
右腕は肩から下げた白布で吊って、片足を引きずりながら
やって来た。
「先生すみませんでした。あれから1週間の間に9回も交通事故に
あいました。自動車にはねられそうになるわ、自分で車にぶつかるわ、
自転車と正面衝突するわ、子供の三輪車にまでつっかけられるわ
…助けて下さい。本当にすみませんでした。深くお詫び致します。
この前のお金はちゃんと払わせて頂きます。」
お金は今日の分だけ払えばいいから、前回のはいいですと言うと、
彼は涙を流しながら、
「先生、お願いですから助けると思ってお金をとって下さい。どうか
助けて下さい、今晩中にも、今度こそは轢き殺されるかもしれません。」
この人はバーを経営しているとかで、その後事故にあったという事は
聞いていません。
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同書では目の中に赤い細い線が横走って見えるのは、剣難の相や
交通事故を示すものであると解説されていました。加えて引き当てた
カードもそうした意味のものであり、そこで交通事故を予想されたそうですが、
客の男性はあまりに簡単な回答であったために適当に占われたと
勘違いして激怒した様です。
人相学に関しては、わたくしも興味深く感じます。