以前80年代頃に、幾つもの学生向けの雑誌の中に、
頭脳の状態を学習に最適な状態に調整する効果を謳った
器具の広告が大きく掲載されていました。
雑誌に掲載される広告の大半は個人の持つコンプレックスを
対象とするものであり、その器具も成績上昇に悩む学生を
ターゲットにしたものである様でした。
その器具の広告には猛勉強にも関わらず毎回ライバルに負けて
悔しい思いをしている一人の学生が、その器具の使用によって
易々と一位を達成し、ライバルを見下したという"体験者の喜びの声"
なるものが載せられていました。
そうなると人は何故勉強するのか、という根本的な疑問に辿り着く
のですが、勝海舟は蘭学を勧められた時、「これからの日本のために」と言われ、
その気持ちを固めた、と伝えられています。そして現在の様な整った教育環境を
持たない中でやり遂げ、その成果は彼の業績に多大な影響を与えたと言われます。
それに対するライバルに勝利するための勉強というものが真に身につくもの
であろうか、と個人的に疑問が残っています。