東京多摩借地借家人組合

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東京都はブラック地主・家主規制せよ 東京住宅連が都市整備局交渉

2016年04月18日 | ブラック地主・ブラック家主
 東京住宅運動連絡会が東京都都市整備局長に提出した「2016年度東京都予算等に関する要求書」の回答に対する交渉が3月23日午後1時30分から都庁第2庁舎の会議室で行われた。

 東借連から細谷事務局長が参加し、①最低居住未満の住宅の解消、②空き家の活用と家賃補助、③安心居住制度の普及、④ブラック地主対策と不動産業者に対する指導強化以上4点について質問。 東京都の回答は、最低居住水準未満住宅の解消に対して具体的な施策の説明はなく、家賃補助制度については国の所得再配分政策であり国で検討する問題である。高齢者の見守りサービスなど「あんしん居住制度」については周知が不十分であることを認めた。ブラック地主対策については宅建業法では不動産業者が自ら賃貸を行う業務は対象外と極めて消極的な回答に対し、「不動産業者が貸主だとしても脅かして業務を行うことは許されない」厳しく指導するよう強く要請した。

(東京借地借家人新聞より)
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底地買い業者が借地権の買い取りを打診

2016年04月06日 | ブラック地主・ブラック家主
 区内千住地域で宅地約40坪を賃借する崎山さん(仮名)は昨年7月K社から「ご挨拶」という地主からK社に管理移行した旨の通知書を受取り、 本年2月K社の代理人というM建設の社員が訪ねてきた。社員はK社が地主から底地を買い受けた旨を説明し、できれば借地権買い取りを求め2千万円を提示して帰った。

 崎山さんは三代にわたり百年以上千住に居住し、地主とは土地賃貸借契約書はなく、半年払いの地代を持参していた。

 崎山さんの息子さんは父親に代わって組合に相談に来た。組合ではK社に土地の所有権移転の登記が済んでいるかを確認し、未登記であれば、早急に登記するよう約束させる。約束が実行されないときは新地主とは認めない旨をM建設社員に伝え、交渉は組合事務所で行うことを了解させることを助言した。

 3月の組合事務所での話し合いで崎山さんは「生まれ育ったこの家から出ていきたくない」と主張し、組合では登記簿提示を要求し、話し合いの継続を確認した。(東京借地借家人新聞より)


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組合への入会を告げると地上げ業者の態度が一変

2016年03月11日 | ブラック地主・ブラック家主
 板橋区上板橋の千葉さん(仮名)は、一昨年、借地していた底地を地上げ業者に転売され、訪問してきた社員に「売るか買うかの二者択一しかない。借地のままは絶対に認めない」と恫喝されて、困っていた。

新聞に広告が載っていた別の悪名高い底地業者に相談しようと考えていた時に、西武デパートの相談会を知って相談に来た。組合に入会し、度々デパートの相談会に来て相談していた。
この業者に対して組合に入会したことを伝えると業者の態度が一変した。その後、当初提案があった底地価格の半分の金額を提示してきたが、本人の今後の生活やその他の事情で買い取ることができないとの相談を受け、打ち合わせた結果、自分で買える値段を提示することにした。

 今回、業者が提案してきたのは当初提示額の3分の一、更地価格の一割で、今月中に合意するという条件で合意した。

(東京借地借家人新聞より)





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借地権価格の1割の更新料拒否したら、地主が2回にわたり転売

2016年02月23日 | ブラック地主・ブラック家主
 大田区南六郷地域に宅地約40㎡(私道分含む)を賃借している杉本さんは更新料問題で入会。
 契約書に借地権価格の1割の更新料支払うとの確約があり、弁護士事務所を介して一定の金額を
提示するが、その4倍請求の地主との協議は決裂する。組合との相談で地価と比較して妥当額と回
答し、法定更新を杉本さんは選択する。1年後不動産業者に転売され、また更新料と地代増額請求
となる。拒否すると6カ月後に倉庫業者に転売された。その事実を謄本で確認。さらに地代の支払
催促に対し、これまでの支払に基づき1年分後払を通告した。杉本さんは借地人の自らの権利を学
び、確信持って地主に対応している。(東京借地借家人新聞より)

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ブラック地主に対し「売らない、買わない、出ていかない」三ない運動を

2016年02月17日 | ブラック地主・ブラック家主
埼玉県さいたま市に住む山本さん(仮名)は、一昨年に旧地主から底地を買取ったという業者がやって来て「売るか買うかの二者択一」を迫ってきた。買う意思も売る意思もないというと業者は変身し、話し合いを行った喫茶店から怒鳴って出て行ってしまった。

 山本さんは組合に入会し、ブラック地主家主の被害者交流集会にも参加。昨年末一年分の集金に来るというので連絡したところ担当の社員が変更になったとの通知がポストに入っていた。新しい担当者に電話をすると「年末の忙しい時に集金などできるか、12月末に会社まで持参しろ」と言って一方的に電話を切った。

 組合と相談し、内容証明書で期限を切って集金に来るよう請求。期限を過ぎた場合は受領拒否とみなし、供託する旨を通知した。すると会社から「暴力団まがいの口調で恫喝された。弊社は貴殿を反社会的勢力とみなし、契約を解除する」と通知してきた。山本さんはこのようなブラック地主に対し「売らない・買わない・出ていかない」の三ない運動を提唱している。

(東京借地借家人新聞より)

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ブラック地主に行政処分を 国土交通省に申し入れ

2015年12月09日 | ブラック地主・ブラック家主
 11月6日、さたたま新都心にある国土交通省関東地方整備局にブラック地主・家主被害対策弁護団弁護士と東借連役員らは不動産業者T都市開発が宅地建物取引業法違反で業務停止・免許取消事由に当たると申し入れと告発を行った。

 申し入れの中で種田弁護士は脅しを受けた模様を録音した音源を聞かせ面談禁止の仮処分を申し立てると訪問がなくなるが、他の借地人を訪問しては同じような行為を繰り返している実態を報告。同席した被害者Aさんも家族を含めた被害の実態を国交省に訴えた。

 応対した不動産適正取引対策官等は、T社を呼びつけ厳正に対応すると回答した。(東京借地借家人新聞より)
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ブラック管理会社が張り紙で面会を強要

2015年11月13日 | ブラック地主・ブラック家主
新宿区下落合のマンションに住む加納さん(仮名)は引っ越して4年が経過した。前回の更新時に、更新料の問題で話し合いをしたが、更新料特約の削除ということで合意更新ができずに法定更新となった。今年の7月に管理している不動産会社から「更新の時期が来たので更新の手続きのお願い」という文書が送られてきた。

組合員の加納さん不安になって組合事務所の相談に来た。前回、合意更新に至らず法定更新となったこと。従って期限の定めのない契約となって2年ごとの更新がなく、更新の時期でないことを文書で貸主と管理会社に送ることにした。銀行には毎月家賃だけ振り込んでいるが、管理会社は家賃の他に更新料と更新事務手数料を請求してきた。更新の時期ではなく、更新料も手数料も支払う必要がないと通知した。

その後、管理会社は部屋のドアに「本日中に連絡なき場合は、警察官立ち合いにて、室内入室安否確認を行う」との張り紙をし、警察官立ち合いのもと面会を強要しようとした。加納さん「組合に入っていてよかった。悪質な管理業者にたいしても毅然と対応できるので安心」と語った。

(東京借地借家人新聞より)
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ブラック地主・家主110番 11月15日

2015年11月12日 | ブラック地主・ブラック家主
東京借地借家人組合連合会弁護団は、これまで借地人・借家人の権利保持と向上を目指した活動に取り組んできましたが、近年、特に不動産業者等が借地の底地や建物を買い受けて地主・家主となった上で(地主・家主の代理人となるケースもあります)、賃借人に明渡しや底地権の買取りを求め、これに応じないと執拗かつ脅迫じみた対応をしてくる事例が目立ってきました。そこで、我々弁護士は、今年6月12日、法の根拠もなく不当な要求をしてくる地主・家主(ブラック地主・家主)に対抗すべく、「ブラック地主・家主対策弁護団」を立ち上げました。
不動産賃借権は居住権の具体化であり、賃借人の生活の基幹を構成するものです。借地借家法をはじめ、法は借地権・借家権に対し、十分な権利保障をして、居住者の生活を守っておりますが、ブラック地主・家主は、賃借人の法の不知につけ込み、悪徳な勧誘、脅迫をしてきております。
我々弁護団は、今年6月14日、「ブラック地主家主対策110番」と謳い、借地人・借家人が受けている被害情報の提供を訴えたところ、東京において20件、同時に開催した大阪では54件もの被害事例を集約することができました。また、今年8月に我々「ブラック地主家主弁護団」のホームページ(http://www.blackjinushi.com/)を立ち上げたところ、このホームページを見て相談をしてきた方も、約2ヶ月間で20人に達しております。
我々弁護団は、未だ被害が絶たない現状に鑑み、再度「ブラック地主家主対策110番」を行い、更なる被害事例の集約と個別救済を図りたいと考えております。

☆ブラック地主家主対策110番
 日  時 2015(平成27)年11月15日(日)10時~16時
 電話番号 03-5957-2265
 開催場所 東京都豊島区西池袋1丁目17番10号 エキニア池袋6階 城北法律事務所
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ブラック地主・家主問題テレビで連日放送 大反響

2015年11月12日 | ブラック地主・ブラック家主
 地主から土地を買った不動産業者が突然借地人の自宅を訪問し、「借地の継続は認めない。底地を買い取れなかったら、借地を明渡せ」と大声を上げて借地人を脅かし、借地人の平穏な生活を脅かすブラック地主問題が今、テレビ・新聞マスコミ各社が競い合って放送し、大きな社会問題になってきました。

ブラック地主・家主対策弁護団の種田和敏弁護士は11月5日午前、フジテレビの『ノンストップ』という生活情報番組に出演しました。種田弁護士は、ブラック地主と呼ばれる悪質な不動産業者の手口や「地主から土地を安く買いたたいて、借地人に高く売りつける」彼らの商法、ブラック地主問題が起きる背景等について分かりやすく解説しました。また、借地借家法では地主が契約の更新時に正当な事由がないと更新を拒むことができないなど、借地人の居住の権利を十分に保護していることもよく説明がされていました。

 番組の中で、タレントのゲストが「地主もかわいそう」というコメントを発していましたが、そもそも借地という制度は、戦前や戦後間もなく土地の値段がものすごく安かった時代に、多くの人は自分の家を建てるために地主から土地を借りるしかなかったのです(地主は土地を売らなかった)。中には、地主から土地を借りてくれと言われて借りた人もいたようです。土地が今日のように高くなると、地主と借地人の利害は対立し、地代の値上げ、更新料の高額な請求、借地上の建物の増改築など様々な問題が発生するようになりました。借地問題の根本的な解決はなかなか困難です。借地を経験された人でないと、借地人の苦労はわからないと思います。借地人に何にも知らせずに、勝手に土地を売る地主の身勝手さはテレビでは伝わらないようです。(11月6日のTBSNスタでも放送)

東京多摩借組ニュースより
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ブラック地主・家主の被害の根絶を 被害者交流集会開催

2015年10月21日 | ブラック地主・ブラック家主
 ブラック地主・家主被害者交流集会は、10月17日午後1時30分から20名が参加して豊島区内で開催された。佐藤冨美男会長は「ブラック地主問題はこの間の東借連と弁護団の運動によって、テレビ・新聞でも報道され、社会問題化している。今後国交省と交渉し、悪質な業者を規制させるために運動を強化していきたい」と訴えた。

 対策弁護団の田見高秀弁護団長より「ブラックな業者はいきなり自宅を訪問し不安を煽るやり方をする。被害にあった人たちが声を上げ、被害者をみんなで支える運動が必要である」と挨拶した。続いて同弁護団の種田和敏弁護士からブック地主問題の事例報告と弁護団の対応や今後の運動について報告がされた。種田弁護士は「仮処分やマスコミの報道によって、弁護団が対応すると業者による自宅への訪問等悪質行為は止むが、先生が入るなら別の所に行くと捨て台詞はいて帰る。業者に対する規制など抜本的な対策が必要である」と強調した。被害者の方から発言があり、「玄関で大声を上げられ怖かった。弁護団のお陰で脅しは止んだが、他所で暴れていると思うと悔しい」と被害の根絶を訴えていた。
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借地権がブラック地主から狙われている

2015年10月07日 | ブラック地主・ブラック家主
品川区に借地して住んでいる中野さん(仮名)に9月末に地主からA社に底地を譲渡したと通知が来た。

中野さんは「地代は毎月末日までにきちんと地主と住まいに持参し支払っており、その際には、底地の売買などの話があれば買取ることもあると話しており、このような通知をもらうなど予想もしていなかった」と思っていた。数日後にさっそくA社の営業マンが挨拶と言って来訪した。びっくりした中野さんは知人が以前借地借家人組合に入会していたことを思い出してインタネットで調べて組合事務所に相談に来た。

組合では、今年の6月行われたブラック地主・家主110番やブラック地主・家主対策弁護団結成のことを話し、組合に入会してもらった。その後、この会社のホームページを検索すると「複数の権利関係者がいると自由な活用が出来ないので私たちが権利の調整を行います」とし、別な場所では「このような取り組みは一般的に「地上げ行為」と言われ悪いイメージを持つ」と記されていた。
そんな会社を相手にする中野さんは「組合に相談出来てホッとしました。定年前は不動産関係の仕事をしていましたが、やはりこのようなことに詳しい組合が一番です」と語った。

(東京借地借家人新聞より)


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ブラック地主・家主問題で国交省交渉と110番実施へ

2015年09月30日 | ブラック地主・ブラック家主
 ブラック地主、ブラック家主問題がテレビ・新聞などマスコミにも取り上げられ、社会問題になっている。東借連では、この間底地買い・地上げ問題の被害者交流会、ブラック地主・家主対策弁護団が起ち上げられ、6月14日には「ブラック地主・家主110番」を開催した。9月8日にはTBSテレビ「NEWS23」で、ブラック地主である東京の不動産業者から借地人の組合員を脅かす場面が報道され大きな反響があった。

 東借連では弁護団と共同し、今後被害者交流集会を10月17日(土)に開催し、被害の掘り起こしと国土交通省に悪質なブラック不動産業者に対する規制を求める運動に取り組み、11月15日には2回目の110番を行うよう予定である。
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ブラック地主の相談が急増

2015年09月14日 | ブラック地主・ブラック家主
城北借組は池袋の西武デパートで毎月2日間、借地借家何でも相談会を無料で開催している。

 8月の相談会では2日間で13件の相談で8件が地上げ問題であった。そのほとんどが、いわゆるブラック地主、家主と言われる強引な明渡し立退きなどであった。相談者には、組合では今年の6月に組合の常任弁護団を中心にブラック地主家主対策弁護団を発足させたことなどを話し、組合に入会して一緒にがんばろうと訴え、即入会する人、まわりの人にも訴えますという人もいた。
(東京借地借家人新聞より)

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昨日のTBSニュース23でブラック地主・家主問題が取り上げられました

2015年09月09日 | ブラック地主・ブラック家主
09/08 23:38 TBSテレビ 【NEWS23】
“ブラック地主”嫌がらせの実態「誰の土地や!」立ち退き強要

埼玉に住むA。
新しく地主になったという不動産業者の男からいきなり立ち退きを迫られた。
Aの住む家は50年以上前、Aの家族が近所に住む地主から土地を借り受け建てたもの。
賃貸契約を結び土地の賃料は毎年払っていた。
しかし去年7月、地主から不動産業者が土地を買ったとたん不動産業者は毎日のように押しかけ何時間も居座り大声で罵倒した。
不動産業者はAに土地の購入か立ち退きを迫った。
しかし提示された土地の金額は100年分の賃料より高かった。
土地や建物の貸し借りで弱い立場になりがちな借り手の権利を守るため借地借家法では正当な理由がなければ住民を立ち退かせることはできないと定められている。
Aは裁判所に訪問禁止の仮処分を申し立てた結果、不動産業者はようやく姿を消した。
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「ブラック家主・地主」横行 古い賃貸の住民恫喝、立ち退き要求 重機で“破壊”のケースも

2015年08月27日 | ブラック地主・ブラック家主
http://www.sankei.com/west/news/150826/wst1508260092-n1.html

 「借りたもんは返せ」。土地・建物の賃借人に、そんな恫喝(どうかつ)まがいの文言で立ち退きを迫る「ブラック家主・地主」が問題化している。老朽化した住宅を取り壊し、収益物件の新築などで荒稼ぎを図ろうしているとみられ、再開発が進む大阪や五輪開催を控える東京を中心に被害が出ている。“現代の地上げ屋”に対抗しようと弁護士らが立ち上げた団体には、脅されるまま家を明け渡してしまったという相談も寄せられており、団体は注意を呼びかけている。

いきなり実力行使

 兵庫県尼崎市のJR尼崎駅の南側にある住宅地の一角。壁の一部がブルーシートに被われた長屋がある。もともとは南北に9棟続きで並ぶ長屋だったが、家主の大阪市の不動産会社が空室だった南から2軒目と6軒目の2棟を重機で壊し、隣り合う4棟の壁がむき出しになったのだ。
 不動産会社は5年前、個人が所有していた長屋の土地・建物を購入。間もなく住民に退去を迫るようになった。住民らは正当な理由のない立ち退き要求を認めない「借地・借家権」を根拠に協議を申し入れたが、会社側は拒否。昨年5月、住民の権利が及ばない空き家をいきなり壊し始めた。露出した壁の隙間からは雨漏りもしているが、会社側は「嫌なら出ていけばいい」などと修理に応じようとしないという。
 駅周辺はここ数年、大型ショッピングセンターが誕生するなど再開発が進む。長屋の住民女性(74)は「私たちを追い出して、更地にした土地をマンション建設会社に売るつもりなのでは」と話す。

「築40年住宅」標的

 バブル期には地価の高騰を背景に街区一帯の土地を暴力的に買収する「地上げ屋」が社会問題化した。これに対し近年は、建て替えや転売を目的に古い賃貸住宅や土地を買い取り、住民らに強引に立ち退きを迫る「ブラック家主・地主」が問題になっている。
 今年4月にはトラブルに対応するため、弁護士や司法書士らが全国組織「生活弱者の住み続ける権利対策会議」を設立。6月には大阪、東京など全国4都市で同時に電話相談を行った。相談は大阪で54件、東京では20件が寄せられ、いずれも半数近くが家主や地主の立ち退き要求や嫌がらせに関する内容だったという。
 団体の事務局長を務める増田尚弁護士(大阪弁護士会)によると、大阪には高度経済成長期に労働者向けに建てられ、築40年以上を経過した民間の共同住宅が多く、建物を取得した「ブラック家主」が高い収益を見込める高齢者向けマンションの建設などを目的に住人を追い出そうとするケースが目立つ。恫喝に耐えられず、立ち退き料も受け取らずに退去した相談者もいるという。

西は家主、東は地主

 一方、5年後に五輪を控える東京では、バブル期のように地価高騰を見越し、居住者がいる土地を買収する「底地買い」が中心。家主によるトラブルが多い大阪と違い、地主が土地を明け渡すよう住民に要求する動きが横行している。
 「借りたもんは返さなあかんやん。子供の時教えられへんかったか」「(土地を買う)金がなかったら返すんや。誰の土地や」
 都内に住む男性の一軒家には昨年、地主が変わった途端に関西弁の男が押しかけてくるようになった。繰り返し恫喝されたが、警察に通報したり弁護士に相談したりした結果、男はようやく姿を消したという。
 東京で被害者を支援する種田和敏弁護士(第二東京弁護士会)は「全国的に空き家の増加も問題になる中、今後トラブルは間違いなく増える。悪質な要求を受けたら弁護士などに相談してほしい」としている。

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