実は人間の 美味しさを司る感覚には 大きく分けて5種類 有ります。
人それぞれ細かな物を探せばキリがありませんが大体こんな感じです。
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1、小さい頃食べたイメージから美味しい
これは 人それぞれに違うので それらを追求し
すべての人に対応するのは 企業や店ではまず難しい。
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2、高い物だから美味しい 高級食材や高級ワイン等
これは 実際には「消費者側のお財布の問題」にもなってきますので これもなかなか継続的に実現するのは厳しい。
また高級品は美味しいというイメージの問題でも有ります。
昨今の偽装事件では この感覚を利用された。
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3、甘いもの脂っこい物だから美味しい 俗に言う 報酬系
人間は糖分や脂分が ずっと枯渇して来た為に無闇に美味しく思ってしまうのです。
これは 簡単で現代は 油はいくらでも安く手に入りますし
甘い物もいくらでも手に入ります。
精製してないものは比較的ブレーキが掛かりやすいそうですが精製してあるとブレーキが掛からなくなる傾向があるそうです。
ブドウ糖果糖液糖などが良くないというのもこの辺から・・・
俗に言うジャンクフード等。
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4、疲れている時のチョコ等 体に足りない栄養だから美味しい
汗を かいた後の濃い塩味の食べ物なんかもそうですね。
足りない物を食べた時に 美味しく感じる。
これは そういう状況で無いと美味しさが再現出来ません。
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5、必須アミノ酸だから美味しい 昔ながらの出汁等
必須アミノ酸とは 体内で合成出来ない為、
食事から摂取しなければならないアミノ酸
これは ちょっと4に似ています。
ただし 現代は化学調味料ばかりで ちゃんと作ろうとすると手間が掛る事から レストラン等では敬遠される・・・
昔ながらの作り方で作ると出汁やスープ等は自然に必須アミノ酸豊富な味になる。
何かと手作りで頑張って来た ある意味「究極のお母さんの味」
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以上の5つですが 不思議なのは他の動物には人間ほど多様化が見られない事。
魚が嫌いな猫や骨嫌いの犬とかは それほど多く見られませんね(苦笑)
また1の小さい頃の記憶や2の高級だから は人間特有ですね。
5番について・・・
小さい頃から お母さんが頑張って作ってくれた人は
5の「究極のお母さんの味」が 3と同じ 報酬系になるそうです。
そして最終的に4番の報酬系よりも 5番の「究極のお母さんの味」の方を選ぶようになる事が多いようです。
これは5番の方がうま味成分が複数入っている為 複雑な味になります。
複雑な味なので馴染みが無いと なかなか美味しさが理解出来ない為。
これを経験させておかないとジャンクフードに負けます(^^;
これらの中で問題なのは 現代は3番のジャンク系食品が
とても多いこと。
本来 食べ手の健康や 提供する側の誠実さを考えれば
5の健康的な美味しさを追求するべきなのに
現代は価格優先で安易な3番ばかりを追求している事。
最近は結構な高級店でも美味しいスープや美味しい味噌汁等が
食べられないのは そのせい。
今回の大手ホテル等の食品偽装の問題点は
決して安くない金額を出しているのに 箔を付ける為か高級食材と偽って提供していた事。
名前や値段で 誤魔化されないようにする為にも
上記の 5種類は ちゃんと覚えておきたい物ですね。
味として「脂」「塩」「甘味」「化学調味料」
この4つは「うま味」として添加されやすい物です。
だから食べた時 この4要素を 排除して考えてみた上で
美味しいかどうかを判断すれば良いのです。
排除して・・・
それでも美味しいと思える物が「本物」なのです。
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a seedプロデューサー
現代自然派調理研究家 美食家 Jeff