【餅入り海老の野菜汁】
こんにちは!
家族揃っての食事は大切
若い方にとって家族と食事を共にする事は心の安定につながります。
公認レシピライター「沁み沁みごはん塾」の岩佐優です。
「餅投げやぁ」
「今日は船おろしやでぇ」
「ほな、みなで行かんか」
新しい漁船が出来上がると進水式がある。
宮ちゃんのお父さんは淺川でたった一人の船大工で、
いつも東の波止と西の波止の間にある小さな造船場で新造船を作ったり、
村の漁師さんの舟を修理していた。
宮ちゃんと一緒に、仕事をしているところを見に行ったが、
いつも黙々と手を動かして無駄口は聞かない人だった。
船おろしは、その造船場が海に向かってスロープになっているので、
何本もの丸太の上でしつらえられた新造船が
その丸太の止め木を外されるとコロコロと海へとすべり降りていく。
船の中にはその船の主が満面の笑みを浮かべて立っている。
もちろん、親戚や漁師仲間の人たちが乗れるだけ乗り、
鮮やかな大漁旗や幟がひらめいている。
宮ちゃんのおとうさんはほっとしたように笑っていた。
おかあさんも兄弟も嬉しそうだった。
新造船はやたらにある仕事ではなかったはずだから、
家族にとって如何にありがたい日であったことだろう。
「見てみぃや、この人出。みんな笑ってるやろ」
船が海に下ろされる時間を見計らいながら、
かなり早い時間からその辺りのほとんどの人が集まってくる。
漁師町の淺川に久しぶりに響く「軍艦マーチ」
この軍艦マーチを聴くとワクワクする。
小さい頃から新造船ができると軍艦マーチや、餅投げや、
と急いで漁港前に行ったものです。
雄姿を淺川のみなさんに披露します。
新造船はこの湾内を左周りで3週します。
これは左周り、つまり取舵(魚を獲る、大漁する)と言う事だそうです。
船おろしを祝うためなのだが、
船主はこの日のために丸餅を用意する。
新築の家が棟上のときに棟の上から餅を投げる風習があるが、
船おろしも同じように、
海に浮かんだ船に乗った人たちが陸に居る人々に餅を投げるのだ。
「こっちに投げてー」と歓声が上がる。
おばあさんたちは
「ここやで。ここにほうりこんで~なあ」
と、元気な声を張り上げて、
割烹着を両手で広げている。
男も女も年よりも若いモンも子どもたちも我こそはと餅拾いに興じる。
みんな、めったに無い祭りごとに酔いしれるのだ。
そんなときもドンくさい私は一つも拾えないのが常のこと。
しょんぼりとしていると
「なんや。まさるちゃん。一つも取れんかったんか」
と、だれかれなく
私にお餅を持たせてくれたのが忘れられない。
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さて、今日の簡単料理レシピは、そんなお餅を使った【餅入り海老の野菜汁】です。
【材料】 (2人分)
餅 丸餅を2個
干し貝柱 20g
えび 6尾
昆布 5×5センチ
干し椎茸 戻したもの2枚
人参 20g
じゃが芋 1個
絹さや 少々(小松菜、ほうれん草、三つ葉など)
塩 少々
醤油 少々
酒 大さじ3
【作り方】
(日)昆布は濡れ布巾で表面を少し拭く。干し貝柱は洗う。
(月)鍋に水を3カップ、昆布、貝柱を入れて3時間以上そのままおく。
(火)餅を2センチ程度の角切りにして少し焦げ目をつけるように焼く。
(水)絹さやはヘタと筋をとり、3等分に切る。
えびは殻を剥いて酒大さじ1をからめ、10分程度おいて洗う。
(木)干し椎茸は軸を切る。じゃがいも、人参は皮を剥く。
じゃがいも、人参、えび、椎茸を2センチの角切りにする。
(金)昆布水を火にかけ、煮立つ直前に昆布を取り出す。貝柱はそのまま。
酒大さじ2、塩小さじ1/3、じゃがいも、人参、椎茸を加えて
アクをとりながら野菜が柔らかくなるまで煮る。
(土)えびと絹さやを加えてひと煮立ちさせ、醤油で味を調える。
具を同じ大きさに切ることがコツですよ!
家族で食べた風景が思い出になる
そんな時がくる事に想い馳せながら料理する。
大切にしたい時間ですね。
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公認レシピライター
岩佐 優
人生に捧げる沁み沁みごはん塾
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