世に「京の持味、浪速の食い味」と申します。
四季折々の素材を巧に取り入れた京料理に比べて「蕎麦」は、
年中材料が変わらず季節感に欠けるものでした。
「無駄なく味良く値打ち良く」という
浪速の気質と京の伝統を重んじ、
一椀の蕎麦も浪速料理、京料理の逸品として楽しんで戴ければと、
美饗庵うさぎ家では椀物の感覚を取り入れ
「じゃっぱだしの蕎麦」として、
お勧めしております。
長年の京料理修業と仕事を活かせて、
今後も季節感のある「じゃっぱだしの蕎麦」に取りくんでまいります。
「じゃっぱ」とは、雑端と書き、
じゃっぱ、又はざっぱともいいます。
雑端とは読んで字の如く捨てるもの
つまり魚の粗のことを指します。
この雑端を゛焼き干し″として他に根昆布、
干し海老、するめ、河豚のひれ、鱧、
甘鯛の骨と共にだしを取っています。
じゃっぱの焼き干しこれがいい味を出す秘訣です。
じゃっぱ汁は青森県の郷土料理です。
「じゃっぱ」とは、共通語で言う「雑把」の意味であり、
通常は魚を三枚に下ろしてのこった頭や内臓、
身の付いた骨を総称して指し示す津軽弁です。
共通語では内臓以外の部分も含めた広義の「あら」に対応します。
じゃっぱ汁は、この「じゃっぱ」をぶつ切りにして具とし、
他の野菜などを加えて煮込んだ塩や味噌仕立ての汁を差し、
主にタラや鮭のじゃっぱ汁が一般的であります。
多くは塩仕立ての味付けが多く
共通語では「あら汁」と呼んでも差し支えありません。
身(魚肉)だけよりも、
非常にこくのある出汁がえられ、
地元では人気の高い郷土料理です。
入れる具は家ごとに微妙に異なり、
鮭のじゃっぱにじゃがいもとネギを用いれば、
北海道の三平汁と同様となります。
また飲食店で出されるじゃっぱ汁は、
じゃっぱだけでなく身も入れられることが多いようです。
三昧の境地ってのがあります。