百菜健美☆こんぶ家族ラボ

おいしい
と感じることは生きる喜びに
そして笑顔になります。
舌で味わい、
目は閉じていても
耳は心で。

暖かい愛情

2011-10-31 | Weblog

 

ーーーーーーーーお客様にーーーーーーーーーー

『うさぎ家は一つひとつ、その都度お作りしていますので大変調理に時間がかかります。

作り置きをしない為、急がれる方には不向きな店です。』

・・・・・・・みたいな文章を以前、メニューの上に書いたところ

店がなんとなく不穏な空気になってきたのでメニューの「お断り」を削除した過去があります。

でも仕方がありませんでした。

儲けようと思うと、もっと他の手があると思うのですが

これからも今のままでやっていこうと思います。

仕込みの事、材料の事、

光熱費その他の経費の事を考えると本当に儲かる商売ではありません。

しかし、私は「人と人との出会いをつなぐものが、料理、会食」・・であると思っています。

料理というのは、

会話の媒介であって、会話、つまり人間どうし、仲のよい気のおけない友人と

楽しむのが、料理。

おいしければ、なお良く、

楽しいな、一緒にいてよかったな、そう思える相手と食事をすることが、

「本当においしい」ということなのだと教えてくれます。

会食の楽しみを共に分かちあうことこそ、

まことに人生の至福であると私は考えます。

---------------------------------------------

料理をする、塩を使う時、それはからくする為の塩か、

甘味物などを作る時の、甘味を増すための塩か、

からくする時は、からい塩と思って作り、

ぜんざいの時は、甘くなれと心に思ってひとつまみの塩を投ずる。

小さじ何ばいなどと、きっちりはかって入れてみても、

その材料、火加減などで、必ずしも思った味になるとはかぎらないし、

作るときの心ということは、なにをするにかぎらず大切なことです。

絵を描く人も、この心を失って、ただ、ぬるだけなら、芸術家ではなく職人。

絵画ではなく、ぬり絵です。

すべてものごとをするにあたって、

技術に加えて必要なものは、その人の愛情であり、

その人の品格が大切です。

芸術は、芸術家だけの占有物ではない。

味が分かることは、

料理するものの暖かい愛情であると思います。

今日で私は59歳。





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レモンの季節

2011-10-28 | Weblog

澄み渡った真っ青な天空にひとすじの飛行機雲。

久方ぶりの素晴らしい季節になりましたね。

瀬戸内の島々の青いレモン、もぎたてのぴかぴか。

きらきら光る瀬戸内海の陽光をたっぷり浴び、斜面いちめんに

レモン、みかん、八朔、ネーブル、ばんかん、甘夏……

柑橘の木がにこにこ育っている風景は、眺めているだけでうれしい。

濃い緑の葉の重なりの下、青い玉がたわわ。

枝の棘に気をつけながら手をのばしてくるっとひねると、

果汁の詰まった重い実が手中に落ちる。

かちっと締まった生硬な肌が初々しいです。

その場でぎゅうと搾って果汁を口に垂らすと、味覚に切りこんでくる清冽な滴り。

思わず首のうしろが縮む酸っぱさなのだが、

その酸っぱさを充たしているのは秋の空気に通じる清涼感、透明感です。

さあ青いレモンだ、鮮烈をきっちり受け止めるぞと身構える。

そこでこの一皿。

レモンのスパゲッティ。

べつに洒落ているのでも気取っているのでもないのです。

これは柑橘の島シチリアのふだんのひと皿。

ゆでたスパゲツティにオリーブオイルとたっぷり搾ったレモンの汁と塩をまぜる、

ただそれだけのなんでもないスパゲッティ。

でもやみつきになりますよ。

びしっと生硬な酸っぱさが自分の舌のうえで複雑なおいしさに変わるから毎度びっくり。

空をつんざくジェット機みたいな青い鮮烈ですね。

また味噌汁にほんの数滴たらしたりもします。

豊かだが中心のない味噌の風味に、とつぜんきりっと輪郭が出現しますよ。

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免許更新

2011-10-24 | Weblog

 

免許更新のお知らせがこのあいだ来ました。

最近の免許の有効期限は誕生日に前後して二ヶ月になっています。

あと一ヶ月以上ありますが、こういうお役所関係は早く片付けるに限ります。

なにか問題が起きても、相手は責任を取ってくれないので・・。

とにかく待たされる。混雑する。人によって言うことが違う。

愛想が悪く、サービス精神ゼロ。

・・・と思っていたのですが今日は四歳の息子を連れて行っていたので

これが不思議!!職員のみなさん、本当に愛想が良いのです。

・・・が  視力検査。


十年前はまだ老眼ではなかった。

五年前の更新の時はどうにかOK。

老眼と遠視なので、めがねがないと生活(仕事)ができない、

老眼の不便さは複雑。単に、近くが見えない、小さい文字が見えないだけではない。

遠くを見ていてぱっと近くに視線を動かすと、調節に時間がかかる。

小さい字を読むとき、何度も手を伸ばしたり縮めたりしないと、

ちょうどいい位置が定まらない。暗いところでは見にくい。

ともかく、見ること全般が難しくなる

それで今日の視力検査、

運が悪く私の前にいる「じいさん」が検視の人にくってかかっていた。

見えないんでしょうね、きっと。

これはとばっちりです、案の定、私が覗いたレンズのむこうには米粒が見えました(笑)

その検視の人はそれ以上・・大きく・・してくれないのですね。

「10分」して「空」でもながめてまた来てください・・?・・と言います。

無理ですね、めがねがありませんから、絶対に見えません。

仕方なく隣の検査の列に並びもう一度トライです。

そこの検視の方はとっても良い方でした「話」を聞いていたのですね。

大きな字から始めてくれ、しかも焦点が合う方法をアドバイスしてくださり、

無事パスしました。

しかし本当にまるっきり米粒にしか見えなかったのには冷や汗でした。

あと五年後はどうなるのでしょうか。

 

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2011-10-22 | Weblog
ここのところ画から少し離れています。

なんだか描きたくなってきます

絵も描きますし、書も、大好きです。

絵でも字でもまた料理でも同じことでもありますが、

例えば包丁をもって魚を切る、

するとその切った線一つで、

料理が生きもし、死にもする。

気の利いた人がやると、

気の利いた線が包丁の跡に現れ、

俗物がやると俗悪な線が残る。

これは単に、刺身包丁が切れるとか、

切れないとかいうことでもなければ、

腕がよいとか悪いとかいうものでもありません。

それは、

「人」の問題であります。

要するに上品な人がやれば、上品な線になり、

上品な姿を現します。

私は、ずっと、それで非常に苦しんできました。

自分が本格に修養していないと、

いくら職人的に熟達したところで、

本格のものは出来ないからであります。

絵を描くことと料理をすることは一緒なんです。

極度の緊張感と、

極度のリラクゼーションが一緒になったときに、

アートは生まれると思います。

エゴイズムでなく、信念を持って、

禅僧のような無の境地で、

エッセンスだけ出すことができれば

アートになる。

僕は料理でそれを学びました。

五十八年間で感じてきたアートを絵にいれています。

だから結構疲れます。

http://kyoutousagiya.jimdo.com/美饗庵ギャラリー/
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懐石料理

2011-10-20 | Weblog

 

最近の私の頭の中は十一月にご予約の方の懐石料理の献立です。

いかに料亭料理をこのうさぎ家で提供したところで詮無いこと。

さて、

山芋の生薬名は山薬。

それほど山の恵みがたっぷり入った野菜。

小麦粉、卵、パン粉を付けてフライに。超簡単。

でもおいしそうです、だからその代わりに、二種類のソースで凝ってみようか。

ひとつはオリジナルチャイニーズソース。
にんにく/生姜/長ねぎ/八角/林檎/葡萄を炒め、
醤油/酒で味付け、紹興酒で戻したクコ」をいれ水溶き片栗粉でとろみを付けたもの。

もうひとつは、マスタードソース。
粉マスタードに岩塩/きび糖/千鳥酢/ごま油を
入れて混ぜ合わせたもの。

クコの実は中国人にとってとても大切な食材で、
日本人で言うところの小豆なそう。
なるほど、いろいろな場面に登場しますね。

私もソースにクコの実を使うことに。
ローズピップも入れて更なる効果を狙う。
目的は人の機能回復。

さあ、本命は献立。

寿長生の美肌 ダイエット

寿長生(すない)とは、年老いるまで末永く幸せに、真に活力を汲み上げて欲しいと願う心の思いです。ひとつひとつの品々を通じて「ロハスまごころ」をお伝えしたいと考えています。

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10/8(土) 見逃した方、必見!

2011-10-19 | Weblog

谷口先生出演のNHK BSP「作家 開高健の世界」
2011年10月04日

9/22に放送され話題になったドキュメンタリー番組が、
大好評につき、早くも再放送決定!
前回、見逃した方、このチャンスをお見逃しなく!

■10月8日 14:15~15:44 NHK BSプレミアム
■シリーズ 釣って、食べて、生きた! 作家 開高健の世界
 「第1夜 巨大オヒョウを食らう ~アラスカ・ベーリング海~」
  ※2夜連続の第1夜 15:45~ひきつづき第2夜も放送

作家・開高健がアマゾン冒険を記した「オーパ!」に続く冒険紀行「オーパ、オーパ!」。
大人気を博した同シリーズの最初のテーマが、
荒れるベーリング海の孤島、アラスカ・セントジョージ島での
巨大オヒョウ釣りでした。

 この大冒険で開高氏が重要視したのは、「現地で釣った魚を
いかに旨く食べるか」ということ。
開高氏は友人であり、親交の深かった辻調グループ校創設者・
辻静雄へ料理人の派遣を依頼します。そして1982年、旅に
同行する料理人として選ばれたのが若き日の谷口博之先生でした。

 開高健氏にそのオールマイティな調理技術と人柄を認められ、
開高隊の一員として数々の旅を共にしてきた谷口先生は、
いまや「食の冒険家・開高健」の人間像を知る数少ない人物。
その谷口先生が、再びアラスカの地を訪れ、開高氏との旅を
たっぷりと振り返ります。
食に関する膨大な書物をしたためた開高健氏にとって「食」とは何か、
その深淵を探る、非常に興味深いドキュメンタリー番組です。
ぜひご覧ください!

 谷口博之 辻調理師専門学校 日本料理専任教授

■NHK BSP「作家 開高健の世界」ロケ日記はこちら
http://www.tsujicho.com/hotnews/cat721/post-102.html 

●谷口先生の講演会決定!

NHK文化センター梅田(大阪)
「生誕80年、開高健を語る」企画
詳しくはこちらhttp://www.tsujicho.com/press/index.html

●オーパ、オーパ!シリーズについて(集英社文庫)
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-749652-X外部リンクへのリンクです
●谷口博之先生の当時の旅の料理を痛快にまとめた本はこちら
http://tsujicho.com/books/archives/281

寿長生の美肌 ダイエット

寿長生(すない)とは、年老いるまで末永く幸せに、真に活力を汲み上げて欲しいと願う心の思いです。ひとつひとつの品々を通じて「ロハスまごころ」をお伝えしたいと考えています

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谷口博之『シリーズ 釣って、食べて、生きた! ~作家 開高健の世界~』

2011-10-19 | Weblog

『シリーズ 釣って、食べて、生きた! ~作家 開高健の世界~』

ロケ日記 ①
2011年10月05日

が開高健先生と初めてお会いしたのは今から30年前集英社の会議室でのことです。

 そもそも辻静雄前校長がサントリーの佐治敬三氏と深い親交があり、開高健先生はもと
もとサントリー(当時は「壽屋」)の宣伝部出身でやはり佐治敬三氏と深い結びつきをもって
られました。こういった関係から開高健先生の突拍子もない企画に私が推薦されたのです。

                       ☆☆☆
 
 集英社の会議室で 「世界中の名だたる淡水魚を初めて調理する料理人やねんで」と先生
は私に仰いました。これは料理を志す者にとっての最高の口説き文句でした。もちろん答えに否はありません。
 こうして私が「オーパー、オーパー!!」の企画に参加させていただくことになったのです。
当時の開高先生は51歳。その年齢を超えてしまった現在の私がまさかそのロケ地を30年ぶりに再訪し、
開高健先生との足跡を30年ぶりに訪ねることができるとは想像していませんでした。
 
■“オーパーオーパー”取材地を30年ぶりに訪れることになる■
NHK-BSPにおいて故開高健先生の生誕80年の特別番組の企画が持ち上がり、“オーパ・オーパ”
の初回の撮影、取材地であるアラスカ篇に関して以前同行した私が今回新たにその地を訪ねる
ということになり、30年ぶりにアラスカの地をまた踏むこととなったのです。
 
■7月23日(土)■ 東京 晴れ
午前中に荷物の再確認をし、いよいよ出発。
30年前のチームでは私が一番年下だったのに、今回は私が一番年長である。
時の流れを切実に感じる。
 搭乗機は予定通り離陸。すさまじい悪天候の中約10時間足らずでシアトルに
無事到着。日本との時差は17時間。6時間強の待ち時間の後、アラスカ航空119便に搭乗。
マッキンレーを初め、美しい景色を眼下に眺めながらの3時間の飛行でアンカレッジに到着。


■7月24日(日)■ アンカレッジ  曇り後小雨

07:30起床。08:30ロケ出発。ロケ場所は30年前にも日本食材購入のため立ち寄ったアンカレッジ
唯一の日本食材スーパー『ニュー佐賀屋』(当時は『佐賀屋』)。「リアル感を出すために直前ま
でロケ内容を知らさない」ということで素人の私は頭の中が真っ白になるぐらい緊張してしまう。

 30年前の『ニュー佐賀屋』は日本食材(他にも韓国、中国の食材が少々)を取り扱う小さなスーパー
で、20人前の食材(2週間分)を購入し、レジから吐き出されるレシートが3mぐらいになったことが記憶に
鮮明に残っている。

 現在の『ニュー佐賀屋』は場所も移転し、当時の面影はまったくない。売り場は当時の5倍以上あり、
商品の品揃えも豊富、白米の売り場だけでも20m程の長さがあり、20種類ぐらいの品目が揃っている。
日本野菜も蓮根・牛蒡・里芋までそろっており、昨今の世界的な和食ブームが感じられる。
「一人で店内に入り、必要な材料を購入してください」とのディレクターからの指示。周りの視線は
あびるし、背後霊のようにカメラはついて来るしで、緊張と恥ずかしさの連続。

 セントジョージ島では生鮮食材(野菜・乳製品・卵など)は入手しにくい可能性があるとの情報も入手
するものの、彼の地までの飛行機は30人乗りの小型機ゆえ荷物の制限があり、食材に残されている荷物
の余裕はみかん箱2個ぐらいの分量しかないので購入は最小限に留める。
 街の風景撮影は天候不良のため後日に延期となり、急遽ダウンタウンに向かい、30年前に私たちが
宿泊したキャプテンクックホテルの周辺を「当時を思い出しながら独り言を言いつつ散策してください」
というディレクターからの要請。日曜日の夕刻である。公園や街角には地元の人たちを初め、観光客が
大勢散策している。そんな衆人環境の中を一人で、しかも何かつぶやきながら散策しろ、と言われても、
いったい何をどうすればいいのかまったくわからない。しかも、ホテル周辺はかつての面影がないほど
変貌しているので何も思い出すことができない。

とにかくカメラを引き連れて歩き始めてみればもちろんもの珍しそうに沢山の野次馬が集まってくる。
半ばあきらめの境地で歩き続けていると30年前に昼食をとった『熊五郎』を見つける。当時は2軒
あったが経営者がかわり1軒になったらしい。
 この店の寿司担当の日本人の職人が以前私たちが訪れた店で働いていたことがわかり、思い出話を
交わすことができた。
 撮影を終え、19:00頃にホテルに戻る。
明日は移動。アンカレッジから途中二箇所に立ち寄った後、セントジョージ島に移動という約4~5
時間の行程。明朝のアンカレッジ空港では30年前のアラスカ取材全ての行程に同行したA&P旅行社
(現在は海運関係の仕事)のトム・ルーター氏がとの出会いシーンもあり、ひきつづき緊張の一日に
なりそうだ。

『シリーズ 釣って、食べて、生きた! ~作家 開高健の世界~』

ロケ日記 ②
2011年10月12日

■7月25日(月)■ 曇り
07:00に起床。08:30ホテル出発、一路アンカレッジ空港へ。
10:00 「オーパー」取材のコーディネーター、トム・ルーターさんと30年ぶりの再会。
トムさんは関西なまりの日本語を流暢に話す大の親日家。今は海運関係の管理の仕事をして
いると言う。30年ぶりの出会いに話はつきなかった。

 背景を選んで「再開」シーンの撮影の後、11:45発セントジョージ島への飛行機への
搭乗手続きに入るが、掲示板に「出発時間13:45に変更」の文字が。もちろん説明は
一切なし。13:45になっても飛行機は飛ばず、その後は1時間ごと遅れ、最終的に離陸したの
は21:30。この地の天候不順は想像以上でこれぐらいの遅れは頻繁らしい。
約2時間強でディリンガム空港で給油をし、午前1時頃に再離陸、午前3時頃、セントポール島
到着。セントジョージ島にはここからさらに約30分弱の飛行が必要。


「もう一息」と思いきやセントジョージ島は霧が深く飛行中止となり、機体はアンカレッジ
に戻ってしまう。われわれはそのままセントポール島に残留。次の定期便は2日後、これでは
スケジュールがすべて狂ってしまうということで、スタッフ協議のうえ、不確定な飛行機での
移動はあきらめ、翌日の昼ごろに燃料、食料などの購入のためにこの島に立ち寄る予定のセント
ジョージ島からのオヒョウ釣り漁船を数隻貸し切って移動するほうが確実であるということに
なり、とにかく空港内の宿舎で3~4時間ほどの仮眠。

 

■7月26日(火)■ 曇り時々小雨
朝10時前後に荷物を一箇所にまとめて、雨に濡れないようにしっかりと保護し、港の桟橋に移動。
チャーターした3隻の漁船はすべて想像以上に小さく、荒れるベーリング海へ出て行くにはどうも
心もとない。しかし、セントジョージ島へ行くには他に方法なし。


13:00いよいよ出航。トムと私とカメラマンが同じ船に乗り、船中の様子を撮影することに。内海から
外海に出た途端に雨風が強くなり、まるでジェットコースター状態、しかも安全バーはないわけでどこ
かにしがみついていないと身体ごと飛ばされそうになる。そんな我々の状態を時々海上に頭を出す
アザラシやカモメが面白そうな様子で眺めている。

港を出て約1時間ほどで、陸地が完全に視界から姿を消す。そして、また悪運が私たちを
見舞う。モーターがオーバーヒート、そして、ストップ。一時漂流状態となるが、なんとか片側の
モーターのみ復活し、スピードは落ちたものの何とか走り出すものの、しばらくすると、
またまたエンジン停止⇒再始動⇒停止。こんなことを何度か繰り返すうちようやく双方の
モーターが再始動し、船のスピードはアップする(アップし過ぎ)が、ますます揺れは
ひどくなる。不運は続くもので、自前のデジカメで船内シーンを撮影しようとした瞬間、
とりわけ大きな揺れが襲い、カメラは手から離れ、きれいな放物線を描いてベーリング海に消えて
しまった。4日分の貴重な映像も全てパー。しかも今後の記録をどうするか?
一瞬、頭が真っ白になるがどうすることもできない。

  16:00過ぎセントジョージ島無事到着。とりあえずはホッとする。
休憩する間もなく用意されたトラック(相当の年季もの。ドアは閉まりにくく、座席は補修の
ガムテープだらけ)に乗り込む。運転はトムさんが、私は助手席に乗る。スタッフは荷台と
後部座席に分乗。
 島の風景は30年前とほぼ変らない。ただ、定期便が就航したため新飛行場が(以前は定期便がなく
チャーター機のため)造られていたこと、漁船の規模が大きくなったのに合わせて漁港が新設されて
いたことなどが大きな変化かも知れない。
 しばらく地道を走り、30年前の宿舎に到着。当時は要人用の宿舎であったが現在はこの島唯一の
ホテルとして営業している。
 部屋の振り分け後、食材や調理器具のキッチン内への搬入と整理の風景を撮影することになり、
併せてインタビューも受ける。
 スタッフたちが島内ロケハンに出かけている間に夕食の準備をする。とりあえず余り新鮮でない
野菜、骨付き鶏肉、豆腐で水炊きをすることに。準備が一段落ついたときに私たちをこの島まで連れて
きてくれた漁船の漁師の方がカジカ(地元ではあまり食さない)を手にしてやってき来たので大小取り
混ぜて7匹程度いただくことにする。
 早速、煮付けやから揚げに調理。カジカのアラは霜降りして、身のついたアラは冷蔵保存し、
魚の骨と鶏の骨で出汁をとり、ストックしておく。
 日本を出てから実質5日ぶりになるこの日本料理の夕食には一同心より感動!
 明日の朝食の仕込みをして、セントジョージでの初日は終了。

 それにしても疲れた。

 

■谷口博之 辻調理師専門学校日本料理専任教授■
1982年、オールマイティの技量が見込まれて、作家の故・開高健氏の一連の
フィッシング紀行シリーズ「オーパ」隊に、料理人として参加。
著書:『オーパ!旅の特別料理』(集英社・集英社文庫)『関西風おかず』(新潮文庫)など。
また、NHK「きょうの料理」をはじめ数々の料理番組にも出演。

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秋は草も木も枯れ始める季節

2011-10-17 | Weblog

おはようございます。
今日はうさぎ家の定休日です。
今夜はぐっと冷え込んでくるとニュースで伝えています。
何故、突然寒さはやって来るのでしょうか?
まるで明日をも読めない人生のようです。

秋は自然が枯れ始める時で、人間も影響を受けます。
そんな時には先ず、肺を潤す食事で養生します!

山科川の畔で山並みに目を移しつつたっぷり秋の気配を感じながらのランチです。
しかし、残念ながら今日はPCにむかって想像のランチタイムです。
秋は白色の食材を食べましょう。
まずは、前菜。全て白色です。
小吸い物風のスープで・・
レンコン、白きくらげ、百合根、鶏ささみ、鶏スープ等。

一口サイズのミニパスタで・・・
スイートバジルは風邪を引いた時に皮膚の熱を冷ます効果があります。
銀杏は白色の食材。

西京漬けの鮭と旬の取り合わせ野菜のマリネで・・・
秋鮭は白身の魚ですよ。
産卵の一瞬、鮭は自分の身を真っ赤に染めて、
エネルギーが最高潮に達します。
素晴らしいですね。

椎茸のひき肉と松茸詰めグリル・・・
きのこを刻んでたっぷり入っています。
松茸が豊作です、しかしわけあって(笑)代用で椎茸を刻みます。いや、やはり松茸にしましょう。
法蓮草を入れますが、これも肺を潤す野菜です。

お菓子代わり・・・
栗は秋の薬です。昨日、知り合いから丸々と実った立派な栗をいただきました(嬉!)
それを渋皮煮に、烏龍茶風味に。
金箔はそれ自体に栄養はありませんが、
他の食材を全身に行き渡らせる働きを持っています。

ドリンクは本格「中国茶器」で気の利いたお茶でも・・・

秋からは栄養を少しづつ肉体に貯めながら、冬に向かいます。
熊の冬眠の準備に似ています。
でも、今年の熊はドングリが無くて可哀想ですね。
きっと私たち人間も、目に見えない何かが不足しているかも知れません。

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京都 ら・ビット マガジン

2011-10-05 | Weblog

 

京都 ら・ビット マガジン

 

うさぎ家からの便り
 

京都の料理屋「美饗庵 うさぎ家」の店主が送る、

店の最新情報 営業時間、休日の時間割りから、

家庭で簡単に作れちゃう暮らしを彩るお料理レシピとマスターの独り言を、

京都の季節の便りと共にお届けします。

 

    上記の「京都 ら・ビット マガジン」をクリックしてください。

    登録フォームにリンクします。

    皆様の登録をお待ちしています。

ようこそ美饗庵 うさぎ家へ 醍醐の山は、いにしえより花を愛で、月を愛でる遊興の地でした。美饗庵では今もなお、風雅風流の習いを伝えて、都の宴を饗します。料理屋という和の空間に漂う、優雅の気配。京都の季節に生かされてのこその京料理を、美酒と美風のもとで、ごゆるりと。

 

美饗庵うさぎ家 ホームページ
http://kyoutousagiya.jimdo.com/

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