スペイド と クラブ の違い

2016-11-13 | バレエ

今はこんなトランプのカードのチュチュを作っています

数年前にロイヤル バレエで初演されたものが

来年オーストラリアン バレエで上演されるものです

ご存知のようにチュチュというものは円型のものが大半です

このようにカードのシェイプを作るには普通のチュチュの軽く倍の手間と時間がかかります

初演の時にもう二度と作りたくないと思っていましたが説得され作ることになったのです。

 

4つ違ったカードをそれぞれ6個全部で24個です

ダイヤモンドは一番簡単な形なので最後に残し

まずは中くらい難しいスペイドから始めました

以前作ったことがあるため意外と簡単に想像していたシェイプになり良い出だしでした

 

一番難しいクラブはどうも手が出せなくハートを半分ほど作り

思い切ってクラブを作り始めたのです

スペイドと同じく茎を後ろに付け

1個、2個と作っていくと思っていた程難しい事でもなく3個、4個、と出来上がり

5個目を作り終わりあと1個は次の日にしようと思いつつ

写真を見るとクラブの茎は前方に付いているではないですか

この時のショックの凄まじさははかりしれないものでした

そこで何ができるか考えると

そのまま黙って送ってしまう、これはすぐに却下され

デザイナーに嘆願して同じ方向の茎にしてもらう、これもやめ

 

唯一最後の良心的な解決策は

一番面倒な全てをほどいて前後を付け替える

これしか解決策はなかったのです

見にくい黒の色でジグザグのミシン目

目に涙を浮かべほどいていました

唯一の幸運は6個目を作ってなかったことです。

(写真は全て Pinterest からです)