お天気も良く気持ちの良い日、認知症になってから3か月に一度通院している
「都立松沢病院」へ、定期的な診察を受けるため行った。
コロナウイルスの影響のため、何時も混雑している院内は閑散としていた。
夫の様子が変だと感じたことが2度あり、もしかしたら認知症ではないかと思い
10年前の3月に初めて診察を受けた。幸いなことにその日にすぐMRI検査を
受けられ、「アルツハイマー型認知症」と診断された。それ以来、3か月に一度定期的
に通院している。お世話になっているN先生は、認知症の専門医で、とてもやさしい
先生だが、その道では有名な方らしい。10年間もお世話になっているためか、先生
にお会いしてお話すると、私の精神状態も安定するからとても不思議だ。
毎回約30分間夫は先生にその3カ月間の出来事や、現在の状態をきかれるが
記憶がほとんどできないので、答えられないことが多く、私が説明することが多い。
夫の体調の異変を2月に気づき、大学病院を受診したが「幸いなことにその日に
入院し、カテーテル手術を受けた」と、その経緯を詳しくお話した。
すると先生は、「良く分かりましたね。普通の人はなかなか分かりませんよ。奥さん
は相当カンが良いですね」とお褒めにあずかったが、実はホームドクターにも
まったく同じようなことを言われた。
松沢病院は広大な敷地の中にあり、大きい樹木も沢山あり、新緑が見立ったが満開
の桜がキレイだった。帰りはゆっくり歩いたが「10年目の記念写真を撮りましょう」
と満開の桜の下のベンチで夫を撮ったが、何だかとても嬉しそうだった。
7月になると夫は88歳を迎えるが、もっと長生きしてもらうように、家族や親しい
人達も招いて節目のお祝いをしたいと思っている。それにしても・・・
「コロナウイルスの終息は何時になるのかした?このままの状態では、私まで
変になりそう、あなたと一緒に松沢病院のお世話になるかもよ」と言ったら、夫は
「その時はオレが連れてきてあげるね」と、ゲラゲラ笑った。
広々したきれいな空間で、病院であることを忘れるほど、のどかなひと時だった。