私達は瞑想講座に初めて参加した時に、入口で「ジャパーニーズレデイーズ
咳をしてもクシャミが出ても、すぐに退室すること」と注意を受けた。
メディテーションホール内は、一段高いところにアルナ先生が座り、その前にかすか
な灯りがついているだけで場内はほの暗かった。時間は60分、脚を組みかえても
聞こえるほどの静寂さで、すぐに誰かが「ビー・クワイエット」と必ず言う、そのため
か時々途中で退室する人もいた。瞑想の始まりはアルナ先生の言葉で、終わりの合図
は先生が唱える「オーム―」だった。私は朝晩必ず参加したが、朝は対岸にはヒンズー
教寺院や修行場もあり、早朝は「コーラン」が聞こえてきて、とても幻想的だった。
※メディテーションホールの前で
私はそこで4日目に求め、求めていた「これが瞑想だ」と思う状態を経験できた。
その時は震えるほど感動したが、それは今でも決して忘れることはできない。
まだ明けたばかりで、空気が澄んだ朝はとても爽やかで気持ちが良く、思い切り
深呼吸をくりかえした。ガンジス河が見えるベンチに座り、一人で嬉し涙をこぼす
私を2人は黙ってじっと見つめていたようだ。私達は林の中に点在するコテージに
宿泊したが、2人用なのでエキストラの簡易ベッドを入れてくれたが、布団らしき
ものはなく、私達はそれぞれが持ってきたシュラフの中で、毎日眠ったが、夜は星が
降るようにとても美しかった。そこには、シャワールームと、水洗トイレがあったが
水は屋根の上のタンクに入っていたが、すぐになくなるので、交代で使ったが、それ
もまた面白くて楽しかった。
※ヨーガレッスン風景
思い出せばアシュラムのメディテーションホール前で、「ハロー」と先生に声を
かけられた時(とても美しく素敵な方だな)と思った。それから何度か先生の個室に
朝食に招かれたりしたが、男性の先生は車で美術館や、リシケシ辺りをドライブに連
れて行って下さったりした。
またアルナ先生は、2・3日後に、ご高齢になられ、ご指導はせず静養なさって
いる「スワミ・ヨーゲシヴァラナンダ師」(マハラジ)にも会わせて下さった。
マハラジは日本で「魂の化学」という、本を出しているご高名な方だった。
※マハラジのご著書
マハラジは私が瞑想を求めてリシケシに来た経緯に、大変興味を示され、先生の
通訳で色々とお話したが、何故か私達をとても気に入って下さったようだった。
そして、世界でただ一つの「マントラ」を、思いがけなく3人に給えて頂いた。
そのマントラにはインドの神様が入っているが、「どの神が良いか?」と聞いて
選ばせて下さったので、私は「破壊と創造とダンスの神様、シバ神」をお願いした。
そのため私のマントラには「シバ神」が入っているが、それ以来一日も欠かさず
毎朝の瞑想時に「自分だけのマントラ」と「チャクラマントラ」を唱え続けている。
長い期間修行のため滞在している男性達からは、「マハラジにお会できたなんて」と
後で大変羨ましがられたが、私達は何と幸運だったのだろうと、3人で心から感謝した。