昨日朝刊を読んでいて「ペットの忌引き休暇、一緒に出勤」を見て、夫に
新聞を見せたが、二人で思わず笑ってしまった。
私もミニチュアダックスフントを長年飼ったことがあり、犬の可愛らしさは
家族同然で本当に良く理解できる。核家族時代から家族環境はどんどん変化し
結婚しない人がますます増えて、先日聞いた話では、私の住む世田谷区は
単身世帯が半分を占めているそうで、本当に驚いた。
そのためか、今ではペットはどこの家でも、家族同様になっていて、昔の
番犬とは程遠い存在に変化した。
私が子供の頃は「犬殺し」が存在した。幼い私は「犬殺し」とは、犬を見かけ
ると、棒のような物で叩いて殺す、悪魔のような人だと信じていた。
昔は野良犬が多く、狂犬病や人に嚙みついたりして危険なため、「犬殺し」
は今で言う公務員で、野良犬を見つけて捕獲していたそうだ。
それは夫に初めて聞いたが、犬を捕獲して、その時代でも他の飼い主を探し
たり、最終的には処分するためにかごに入れて捕獲する人だったようだ。
ある日夫は犬を捕獲したのを見たが、「いつもありがとうございます。
本当にご苦労様です」と、近くのおばさんがその人に言ったそうだ。
すると、その人は涙をこぼしてこう言ったとか。「犬殺しなんて言われ
特に子供達に嫌われたり、怖がられているようですが、でも、ご理解して
頂いて本当に嬉しいです」と答えたそうだ。夫は今でもその状況はハッキリ
覚えていると言った。昭和ははるか昔だが、同世代の夫とは今は忘れられて
いる「共通の思い出」が沢山あり、そんな意味では、認知症の治療法と
言われる「回想法」を毎日自然に行っているようだ。
これからは「ペットの忌引き」も、「ペットと一緒に出勤」も、ます
ます普及して行くのだろうと感じた。
追記 これを投稿したと話をしたら、夫は「犬が怖がらないように
やさしく頭を撫でながら籠に入れるんだよ」と言った。
この年齢で「犬殺し」と言われた人の本当の姿を初めて知ったが
「恐ろしいおじさん」のイメージが払拭した。
同時に犬殺しのおじさんに、「ごめんなさい」と謝りたいような
気持になった。