ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

時代の流れによる社会的価値観の激変

2021-08-05 08:43:33 | エッセー

 昨日朝刊を読んでいて「ペットの忌引き休暇、一緒に出勤」を見て、夫に

新聞を見せたが、二人で思わず笑ってしまった。

 私もミニチュアダックスフントを長年飼ったことがあり、犬の可愛らしさは

家族同然で本当に良く理解できる。核家族時代から家族環境はどんどん変化し

結婚しない人がますます増えて、先日聞いた話では、私の住む世田谷区は

単身世帯が半分を占めているそうで、本当に驚いた。

 そのためか、今ではペットはどこの家でも、家族同様になっていて、昔の

番犬とは程遠い存在に変化した。

 私が子供の頃は「犬殺し」が存在した。幼い私は「犬殺し」とは、犬を見かけ

ると、棒のような物で叩いて殺す、悪魔のような人だと信じていた。

 昔は野良犬が多く、狂犬病や人に嚙みついたりして危険なため、「犬殺し」

は今で言う公務員で、野良犬を見つけて捕獲していたそうだ。 

 それは夫に初めて聞いたが、犬を捕獲して、その時代でも他の飼い主を探し

たり、最終的には処分するためにかごに入れて捕獲する人だったようだ。

 ある日夫は犬を捕獲したのを見たが、「いつもありがとうございます。

本当にご苦労様です」と、近くのおばさんがその人に言ったそうだ。

 すると、その人は涙をこぼしてこう言ったとか。「犬殺しなんて言われ

特に子供達に嫌われたり、怖がられているようですが、でも、ご理解して

頂いて本当に嬉しいです」と答えたそうだ。夫は今でもその状況はハッキリ

覚えていると言った。昭和ははるか昔だが、同世代の夫とは今は忘れられて

いる「共通の思い出」が沢山あり、そんな意味では、認知症の治療法と

言われる「回想法」を毎日自然に行っているようだ。

 これからは「ペットの忌引き」も、「ペットと一緒に出勤」も、ます

ます普及して行くのだろうと感じた。

追記 これを投稿したと話をしたら、夫は「犬が怖がらないように

やさしく頭を撫でながら籠に入れるんだよ」と言った。

 この年齢で「犬殺し」と言われた人の本当の姿を初めて知ったが

「恐ろしいおじさん」のイメージが払拭した。

同時に犬殺しのおじさんに、「ごめんなさい」と謝りたいような

気持になった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする