こんな少額をわざわざ封書で頂くのは恐縮だが、出版社としては仕方が
ないのかも知れない。来年度は何々の手続きをして下さいと書いてあった
でも、私には難しくてできないし、面倒くさいのでそれは止めることにした。
昔はいろいろな出版社から増刷のために、毎月かなりの印税が振り込ま
れた、当時は当然だと思っていたが、今思えば何と有難く幸せなことだった
のだろう。

あの出版ブームに沢山本を出せたし、新宿南口に開店した「紀伊国屋書店」の心理コーナーには、私の著書が二冊1年間平積みになっていたし、すでに
閉店したが、有名だった「八重洲ブックセンター」の心理部門で売り上げ
1位のこともあった。思えば夢のような時代だった。
月日は流れて、私は夫を介護する主婦になった、友人達はすべて未亡人
になった。認知症歴満11年半の夫と、毎日楽しく晩酌できる今それも
また人生の幸せかもしれないと思っている。
