急に暗くなる秋の夕暮れは、少女時代から好きでなかった。
その日はある出来事があり、早く夫に話したかった、でも、すでに帰って
いる時間なのに、まだデイホームから帰ってこない。
ベランダで見ていたが、白い大きな車はなかなか来ない。
空を見上げたら、東の方に大きな黄色いお月様が出ていたが、15分後には
真っ暗になって、お月様はよりきれいになった。(早く帰ってこないかなあ)

ベランダで外を見て夫を待っているなんて・・・まるで子供のようだなと
自分でも少々呆れた。でも、亡くなったインドの先生には「エイジレス
ベービー」と言われ、子育て中に娘は「ママは私の妹みたい」息子には
「家は親が子供に甘える」なんて言われたこともあった。
そのため、末期高齢者になっても、その本質はやっぱり変わらない。
それから間もなく帰ってきたが、黄色い大きなお月さまは13夜だった。
