人生修行の旅

「笑って、野垂れ死ぬ!!」
そのために、この人生をどう生きて、この命を何に使うか?人生一度きりの生き方を実験中!!

山岳サバイバルレース 2日目 前へ前へ前へ

2013年08月17日 | 
 朝から胃の中に1000kcalの食物を入れた。

昨日のエネルギー切れの失敗は繰り返さない。

登山靴で進むかビブラムシューズ(5本指シューズ)か、

悩んだが前日の遅れを取り戻すためスピード重視の後者を選択。



龍王岳、鬼岳、獅子岳、



途中

残雪に足を滑らせて20m近く滑り落ちるが、スローモーションの中で、全身をひるがえし途中で止める。

落ちた場所の近くがルート付近のため、ツイテいる。

昨日と違い、身体に力が漲っている。

集中力も高まり、前へ前へ前へ進む。

適宜、持参した食物を自分の行動量による推測からの

摂取する。

中には美味しくないのもあったが、ぜいたくは言っていられない。

前に進むために、食べる。

絶景が眼下に広がる。





蔦山、越中沢岳、スゴノ頭、間山、北薬師岳、薬師岳、

岩場の稜線を歩きながら、次々と踏破する。





太郎小屋を超え、

薬師沢小屋に着いた。

時刻は16時50分。

これから向かうのは「日本最後の秘境」と地図に書かれてある雲ノ平。

行こうとした矢先、

小屋の人々から「どこに行くんだ?」と聞かれ、

「雲ノ平」と答えると、またしても今の時間からだと

「無理だ」との声。

確かに、地図で見ると3時間15分かかる。

しかし、自分は今までずっとその半分のスピードで進んでいる。

だから、到着も間に合うはずだ。

心配の親心で話してくれているのだろうが、

頭ごなしに言わるのはちょっとしんどい。

気を取り直して、約2時間の急登に挑む。

この工程の中で一番、ジャングルのような場所。

木が倒れ、手足を使って全身で登る。

身体のエネルギーは完全に切れている。

心臓がバクバク言っている。

止まって水を飲もうとすると、

蚊の大群が襲ってくる。

足が動かなくなってきたので、

手が使えるのは好都合だ。

這っていく。

「ダー、アー、」

叫びながら、上に上に上に進む。

時計を見ながら、この苦しみを後1時間以上続けるのか?

なんだってこんな苦しいことを続けているのか?

朝から12時間以上続けて動き続けている肉体は限界を迎えていた。



もうだめかもしれない。

まだまだ先は長いのかと思った矢先に、

鳥たちの声が聴こえた。

登り坂が終わり、空が見ている。

そして、先ほどのジャングルが嘘のように

木道が続いている。



もしかして、私は意識を失い、夢の中をさまよっているのだろうか?

ここは天国か桃源郷か?

山々を超えてきたご褒美に現れた場所が、

「日本最後の秘境」と地図に書かれた

雲ノ平。



時計を見ると、

18時30分。

最後に通常よりも相当に速いスピードで登ったようだ。

精神は肉体を凌駕するというが、最後はまさにそんな感じだった。

そして、いつものように予約をしていないのに山小屋に入り、

いつものように貴重なアドバイスを頂き、

寝床を確保して、もう誰も食べていない食堂でご飯を大盛り出してもらう。

昨日と違い、美味しく食べれる。

筋肉は限界付近だが、内臓は大丈夫。

足裏にマメができ、両足の小指が腫れ上がり、激痛が走る。

ドンマイ、俺。

食べたら寝る。

疲労困憊のはずなのに寝れない。

ただ、横になるだけで細胞が回復していくのがよく分かる。

1分でも長く休み、明日の最終日に備えよう。



できる

できる

きっとできる

ゴールしたからといって何があるわけでもないが、

何もないわけではないと思う。

夜な夜な足の細胞達が会話していた。

「この男を何とかゴールまで辿りつかせるためには、

 私たちがしっかりしなきゃいけないよ!!」

私の身体の一部ではあるのに、それぞれが意識を持ち始めている。

何とも不思議な感覚だ。

明日は、やってやろう!!

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山岳サバイバルレース 2日目 朝の激励

2013年08月17日 | 
 早朝4時40分。目が覚めた。

約9時間の爆睡。

昨日の頭痛とだるさがうそのような消えていた。

静かに準備をしていると隣の60代と70代の男性も起きてきて、

色々と話しかけてくる。

やはり私の行程を聞き、驚きを隠せないようですぐに北アルプスの

地図を見出して興奮している。

「どこの山岳部だが?」

「いえ、柔道部でした」

「どこの山岳会か?」

「コアコンジョギングクラブです」

矢継ぎ早に質問が飛ぶ。

そして、言われた。

「山の世界は実力主義だあ。あんだが、すごいことしようとしているのすぐわがっだ。

 すごい奴の話はきになるんだべさ」

隣の初老の男性もなぜそんな挑戦をしているのか聞いてくる。


自分は運動指導者で、普段色々な方に運動指導をして食べています。

場合によっては、その方の限界付近のチャレンジに出くわすこともある。

そんな時、自分がチャレンジをして経験していないと言葉に重みがないし、

伝わらないと私は考えます。

だから、自分はできるかできないか分からないけど、

このチャレンジ(室堂~剣岳経由~上高地3日間以内でゴール)に挑んでいます。

後は、単純にアホなだけです(笑)

「何か感動したよ。俺もフィットネスクラブで運動習っているけど、

 あなたみたいな指導者に運動を習いたいよ。今の俺には(70歳)には、

 やりたくてもできない。若いうちにしかできないことだから、頑張れ!!」



今回の行程を道中に聞かれれば答えた。

無謀、無理と8割が否定的。しかし、2割の方は応援してくれた。

頭ごなしに否定するのではなく、

なぜそんなことを挑んでいるのか?

その方はどんな実力を持ち、どんな準備と覚悟をして臨んでいるのか?

それを聴いたうえで、応援できるそんな人間になれたらと思った。


同室の2人の登山家達の激励を背に山小屋を飛び出した。



 
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山岳サバイバルレース 1日目①雷鳥からのメッセージと剣岳

2013年08月17日 | 

富山県の室堂に7時に到着。

満員のバスの中の睡眠ということもあり、

座りながらでは疲労は抜け切れない。

レース前、通常ならばネガティブに捉えてしまうかも

しれないが、「人生修行の旅人」と名乗っているなら、

この方がむしろちょうどいい。

5年前の 北京~チベット 46時間の電車の旅を思い出した。

トイレと身支度を済ませ、

7時20分に室堂を出発。





剣岳に向かって歩く途中、雷鳥に遭遇。

私の前を歩きながら、

話しかけてきてくれた。



「天気は3日間もつから大丈夫!!後は、あなたの行動力と勇気と知恵次第よ!」

雷鳥は神の使いと昔からされてきたので、このメッセージは大切だ。

剣岳山頂にも龍のような雲が現れた。





剣山荘の横に荷物を置かせてもらい、

小さなザックで剣岳にアタック。



時間的に私以外にこれから登ろうとしている方は少なく、

ほとんど1人。

有名な「カニのたてばい」という垂直の壁を鎖をつかみながら、

慎重に登ります。

万が一、手を離したり、滑って落ちたら、

この世からさよならをしてしまいます。





大学時代に、柔道場で綱のぼりのトレーニングをたくさんしておいてよかったと改めて思いだしました。

と、同時に山頂付近にいた年配の登山者の方でもこの垂直の壁を登ってきたかと思うと、

その心意気と勇気に感服。そして、室堂を出発して4時間40分。



剣岳に登頂。

山頂にいた登山家と会話

「すごいペースで登ってきましたね。私は山屋(登山家のこと)ですが、あなたも山屋ですか?」

「いえ、私は違います。」

「それでは、その身なりからして、トレイルランナーの方ですか?」

「それもちょっと違います。」

「では、何屋ですか?」

「旅人屋です。」

と答え、唖然。。。

が、話が弾みこの上高地までのありえない挑戦も

話す。

周りにいられた登山歴の長い方々は

「絶対、無理!!通常は早くて5泊6日、大体1週間かかるコース」

と言う。

「ありがとうございます^^」

笑顔で答えて、内心は無理と言われてワクワク。

その山屋も、行ける場所まで行って、ビバーク(途中で休んで)して、

進み続ければ着くかもと言ってくれました。

「やれるだけ、やってみます!!」

剣岳の山頂を5分で後にしました。

下山時にも有名なカニのよこばい





(個人的には、カニのたてばいの方が怖かった。)

無事に剣山荘下山後に、

荷物を取り、休憩をとる。

うん?おかしい?

食欲がわかない。

むしろ、気持ち悪い。

というか、頭痛がする。

もしかして、高山病?

急に高度を上げた場所での、過度の緊張。

また、ご飯を食べなかったことによるエネルギー切れ。

様々な反省が考えられる。

予定では、残り9時間の行程を4時間半で行く予定でしたが、

途中で足がふらつき、スピードをあげようにも

頭痛がひどい。

こんなんで残りの70kmくらいを歩けるのだろうか?

リタイアしたいけど、できないからどうしようか?

体調が悪くなると、ネガティブな考えが支配しようとする。

できないことを考えるのではなく、

できることを考える。

調子の悪いなら、悪いなりに最善のできることをやろう!!

と思考を切り替えた。



行程中に唯一ストックも使い、

別山、真砂岳の山頂にはいかずに、横を通り抜け、


富士ノ折立、大汝山、雄山と山頂を通り、

18時30分にふらふらになりながら、

一の越山荘に到着。

当然のことながら、予約はしていないのと到着が遅いので、

ちょっと色々と有難いお言葉をいただき(笑)、

何とか部屋とご飯を用意してもらいました。

とりあえず着替えて、食堂でご飯を食べようとしても、喉を通らない。

食べるとすぐに吐きそうになる。

こんな時、私の家に伝わる秘技がある。

ご飯を食べたら、吐きそうなのを我慢して、

手で口を押える。

そして、無理やり胃の中に入れる。

小さい頃に教わった秘技。

嫌で嫌でしょうがなかった子供の時の技が、

今ここで役に立とうとは。

通常なら3分で食べ終えそうな量も、30分かけて身体の中に取り込み、

身体の細胞を回復させることに集中するため19時30分に就寝。

予定の行程より4時間手前にて、1日目終了。

明日は、身体の細胞よ!!回復してくれ!!




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北アルプス縦断山岳サバイバルレース完走 室堂(剣岳経由)~上高地 2泊3日の旅

2013年08月17日 | 
 北アルプス縦断山岳サバイバルレースを無事に何とか完走しました。

本当に大変でした。

想像以上に。

どのくらい大変かというと、

ゆっくりと100kmマラソンを3日間連続するようなもの(笑)。

1日11時間~13時間程度を

2500m~3000mの高地で山を登ったり、下ったり、走ったり・・・

途中、5分休憩を2度ほど取るくらいでほとんど休まずに動き続けます。

天気にも恵まれ、

完走できて本当に良かった。

なお、この大会は今回が最初で最後。

命がいくつあっても足りません。

以下、大会概要


大会ルール

○登山者優先とする。

○リタイアしてもゴールまで行くこと。

○大会中の怪我はドンマイ!

○山小屋は使用可。

○大会期間中の食事は持参するか山小屋で調達すること。

○どんな環境、状況にも変態思考でのぞむこと。

○遭難という概念は、存在せず全て「修行」と思うこと。

○精神は肉体を凌駕すること。

○自然に畏敬の念を忘れずに接すること。

○裸で走らないこと。



距離 多分70km~80kmかもしくはそれ以上

コース 室堂~剣岳~薬師岳~雲ノ平~槍ヶ岳山荘~上高地

時間 2泊3日

ザック重量 10kg

天気にも恵まれ、

身体の細胞が限界を超えて、

頑張ってくれました。

また、山を登られていた皆様にも励ましの言葉を頂き、

本当にありがとうございました!!


出場者数 1名

完走者数 1名

完走率 100%



今後、このチャレンジをされる奇特な方は、

たくさんの修行を積み、

臨むことをことをおススメします。



どんなことでも

なせば成る。

自信を持つことだ。




登れるか

登れないかは

登ってみないと分からない。




人にはそれぞれの生き方がある。




自分自身が何者であるのか?

何のためにそれをしたか?



人が自然を相手にする時は、

自然に対する勘が必要。



何ものにもとらわれず、

何ものも恐れず

心のままに。



映画 点の記 剣岳 の印象に残った言葉より


なお、それぞれの詳細は写真のつけてこの後、記載します。
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