「あんな危ない山には行ったらおいねえよ!」
祖父が山へ行こうとする私に声をかけてくれます。言ったことないでしょっという突っ込みをグッと飲み込んで
「分かった!ちょっと散歩して山を見てくるだけだから大丈夫だよ!」
「おーそうかー!」
準備をしながら、ちらりと祖父を見ると安心したようで椅子でウトウト眠っていました。
幅2mほどの道を進んでいきます。
寄り道をしながら30分ほど歩き、舗装された道が終わって山の中へ。
登山道のような道も50メートルほど歩くとなくなり、地図とにらめっこ。
ヘビがたくさんいるという話を半分信じて、今回は珍しく登山靴(いつもはサンダルか裸足系シューズ)です。
倒木で前に進めなくなり、あたりを見渡すとぬかるんだ湿地帯に無数の足跡。
人はいないけど、イノシシさんはたくさんいるようです。
イノシシさんのぬた場をそおっと通り抜け、葉っぱや枝を掻き分けて、前に進みます。
この辺りのはずなんだけど、、、
なかなか場所が見つかりません。
そうだ!!まずは山へ挨拶をしよう!!
と作成変更して、とりあえず急坂を登って山頂へ。
登山道もなく、人も来ないであろう小高い山の頂きで、のんびりとコーヒーを飲んでボーっと一息つく贅沢な時間です。
さあ、行くかと重い腰を上げると、どこから登ってきたのか分からなくなってしまいちょっぴり迷子。
おかげ様でコンパスを出し、ようやく本気モード。
基本はポンコツです。。。すみません。。。
地図を見ながら帰り道と先祖代々の山の位置を真剣に探ります。
山に馴染んでくるとぼんやり見えてくる昔の区画。
方角的にはあっち。
しかし、行手を阻む木や蔓、そしてぬた場。。。
先祖が私を呼んでいると覚悟を決めて、
泥沼を進み、茂みへ突っ込んだ先に現れた雑木林のような山。
あっ、ここだ!という直感と、
「待ってましたよ」
と聴こえてくる都合のよい空耳。
先ほどまでのジャングル地帯とは一変して広がる落ち着く景色。
ちょっと近くには水場もありました。
ヘビがたくさんいると言われ、誰も訪れたことがない先祖代々の山は、確かにここにありました。
祖父に報告をすると、
「本当に山はあったかー、それは良かった、良かったー」と安堵の表情で嬉しそうです。
こうして昔からある先祖代々、誰も訪れたことのない山をいただくことになりました。
「昔ってどのくらい昔なの?」
と母に聞いてみると、
「どのくらい昔って、昔だよ。大正か、明治か、江戸くらいじゃない。」
とりあえず知っている時代を並べて教えてくれました。。。
山には財宝は眠っているのか?
今回は時間の関係もあり、お宝探しはしてません。
1人ではお宝探しは大変なので、夏あたりに希望者を募って、一緒に探してみんなで山分けしたいと思っています。
希望するトレジャーハンターはお楽しみにどうぞ!
そして、ヘビは、、、
山からの帰り道にちょっと不思議な出来事が起きますが、それはまたエピローグに。
それでは、思いのほか長文になりましたが、お読みいただきどうもありがとうございました!