家が壊されました・・・

　6年前に住んでいた私の家が壊されているとの連絡を頂きました。



大学卒業する頃、就職できなくて、まだ仕事もない時期に不動産屋に

「とにかく住めればいいですから、安い家を紹介してください」

と言って紹介してもらった２Ｋ一軒家の借家。



給湯器がついてなかったけど、近所の熱いガス屋のおじさんが無償で貸してくれた。


窓にカギがついていなかったけど、泥棒もここには入らないと言われた。


お風呂に入るとダンゴ虫やゲジゲジが一緒に入ってくれた。


夏になると家の中に100匹以上のハエが発生してくれた。


朝7時になると目の前に住んでいる齋藤さんが必ずせき込むのが目覚ましだった。


サッカーのテレビを見ていると、見えないもう一人の住人が野球に変えてしまった。


雨漏りがして、網戸がなく蒸し暑い夏、底冷えする冬、全てがサバイバルだった。



あの家に住んで、


「逆境が楽しい」

ということを学んだ。


その家が壊されている…

不覚にも昼のトイレで涙が出た。