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驚きました―日本学術会議会員の任命

2020-10-02 08:38:25 | 時評

日本を代表する一流の学者の集まり・日本学術会議のメンバー選考に官邸が介入したと各誌が報じています。

学術会議の会員は、学術会議の推薦に基づき首相が任命することになっています。〇〇の推薦に基づき××が任命するというのはどういうことでしょうか?

××は推薦されていない人を任命できません。当たり前です。じゃ逆はどうか? 推薦された人を任命しないのは理屈のうえでは不可能ではないと考えられます。でも普通はしないし、実際にもこれまではしなかった。学術会議が「この人」と推薦するのを、その分野の専門家ではない首相が「いや、その人は一流じゃない」と言えるはずがありません。

同様の作りになっているのが、最高裁以外の裁判官の任命です。憲法80条は「下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する」と規定しています。しかし実際は、内閣は名簿どおりに任命してきました。つまり下級裁判所裁判官の人事は最高裁が行ってきたということです。

どちらも専門家の知に信頼を置いてのことと思います。どの法律家が裁判官にふさわしいか内閣が判断できないように、どの学者が優れているか首相が判断できるわけがない。

誰の仕業なんでしょうね、菅さんご自身が企んだとは思いたくないですが、加担したのだから同罪です。功罪は半ばするにせよ、憲法や法を軽んじることが多かった安倍政権を菅さんも引き継ぐのでしょうか? 否、安倍さんですらしなかった暴挙、全く困ったものです。

追記 25日の朝日新聞に、宗教団体の成長の家が、この任命拒否に「断乎反対する」という意見広告を出していて、うれしい驚きです。成長の家は、私が学生だったころ、キャンパスで盛んに活動していて、当時は右寄りの主張で左翼系の学生たちと好対照でした(つまり今回のテーマなら、任命拒否に理解を示しそう)

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