明日の風

明日は明日の風が吹く。気楽にいきましょう!

権力は濫用される

2020-04-16 19:13:36 | 法・裁判

新型コロナウイルスの感染拡大に関連して緊急事態宣言が7都府県から全国に広げられるそうです。

緊急事態宣言するか否かの分かれ目は、法にいう「国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ」と「全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れ」の2つがあるか?です。たしかに現在の東京都の状況はこれにあたるとしても違和感はないかもしれません。でも、たとえば、感染者がまだ1人もいない岩手県がこの状況とは、黒を白と言いくるめるに等しい。なのに、そんな理屈をこねるのは私くらいのもので、多数意見は白でも黒でも良い、とにかく危機意識を持て!のよう。

まさに、法律の要件ではなく、雰囲気や感情に流された判断ではないでしょうか? お前は危機感がないのか!?と言われたら普通の人は逆らえません。「緊急事態」って恐ろしい概念です。(政府の理屈は、田舎もそのうちに緊急事態になりそうだから、予防的に全国に緊急事態宣言するということのよう)

ご承知のように日本国憲法はほとんど緊急事態条項がありません(衆議院解散時の参議院の緊急集会のみ)。大日本帝国憲法下で緊急事態条項が濫用された反省からです。今回の一件で、緊急事態条項は必ず濫用されることを実感しました。

追記 6月2日の朝日新聞に、ワシントン州の弁護士・レペタさんが、緊急事態条項は不要という文章を寄せています。かりに日本で都市封鎖のような強制的措置が採られても、最高裁は「公共の福祉」を理由に人権制限を容認することは明らかだと述べています。

なおレペタさんは、昭和の時代には許されていなかった、裁判傍聴の際のメモの自由を最高裁に認めさせた、司法界のヒーローと呼ぶにふさわしいお方。日本人なら、お前がやっていることは間違いという裁判を起こさないでしょ!?

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