将棋名人戦

最終局までもつれ込んでいた名人戦は森内名人の防衛で決着した。郷田挑戦者の連勝で始まった今期は、その後名人が３連勝を返した。第６局で必勝の局面から信じられないミスで落としたが、最後は実力を見せつけた。
これで通算５期で永世名人の称号を得た。羽生三冠に先んじての栄誉である。「今までの永世名人は歴史を築いてきた方ばかり、実績では追いつけないので」と謙遜しているが、ライバル羽生と覇を争っての快挙はいくら誉めても誉めすぎということはない。
どの世界でもだいたいにおいてライバルには力の優劣があり将棋界でも永世名人は同世代からは１人しか出ていない。世代交代ではなく当世の第一人者を倒しての王者交代は初めての大変な実績である。歴史を書き換えたと言っても大げさではない。
一方の羽生三冠も好調である。両雄が雌雄を決するときがいつ来るのか待ち遠しい。