ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「出番を待ちながら」

2024-05-24 21:27:26 | 芝居
5月9日シアターχで、ノエル・カワード作「出番を待ちながら」を見た(制作集団真夏座公演、演出:木内希)。



  リタイアした女優だけが入所できる養老施設「ウィングス」。
強烈な個性の面々が、絶妙なバランスを取りながら仲良く暮らしていた。
  しかし、あるとき彼女たちの心を乱す出来事が起きた。
三十年前に決裂したままの人気女優二人が、ここで顔を合わせることになったのだ。
  一方は和解に努め、一方は頑なに拒み、そして周囲は気を揉み・・・。
    中々雪解けはやってこない。
そんな折、この施設の秘書が友人のジャーナリストを伴ってやってきた。
  フレッシュな訪問者に老女優たちは心浮き立つ。
だが、ジャーナリストが持ち込んだのは単なる新鮮な空気ではなかった・・・(チラシより)。

ピアノを弾いたりカードゲームで賭けをしたり編み物をしたり、元女優たちは思い思いに過ごしている。
そこに、かつての人気女優ロッタ(江口ふじ子)が入居すると聞いて、彼女と30年も諍いを続けているメイ(大橋芳枝)は動揺する。
他の女性たちは彼女に気を使って、その知らせを聞いてから一週間も隠していた。
ロッタが付き人ドラ(俊えり)とやって来る。
この付き人が奇妙。特にメイク。頬紅がピエロのよう。
女主人と別れるのが悲しくて、ずっと泣いている。
自分はこれから恋人と結婚するというのに。
挙句、「彼に、他の人と結婚して、って言います!」と言い出す始末。
ロッタの愛犬が先日、死んだという。付き人は、その写真も持参し、部屋に置くという。

毎週日曜に面会に来る初老の男性がいる。
彼はマーサという96歳の寝たきりの元女優の熱烈なファンで、長年彼女を崇拝し、今なお毎週すみれの花束を持って見舞いに来るのだった。

ある夜、みながチャリティーショーに出かけて帰って来ると、サンドイッチとスープの夜食が用意されている。
サリータ(岩崎幸代)は、心臓が悪いので医者に止められて行かなかった。
彼女は認知症らしい。
なかなか寝に行かず、院長(小谷佳加)らスタッフを困らせる。

彼女らはサンルームを作ってほしいという要望を理事会に出し、見積もりも出したが、予算の関係でなかなか認められない。

ロッタがメイに話しかけるが、メイは頑なに拒絶する。
ある日、秘書ペリー(羽藤雄次)に案内されて、ジャーナリストのゼルダ(森川梢)が現れる。
彼女は偽名を名乗り、ジャーナリストであることを隠して、みんなから施設での暮らしぶりについて聞き出す。
だがロッタが彼女の正体を見破る。
みんなは驚き、この施設のことをあれこれ書かないでほしい、と頼むが・・・。
<休憩>
ロッタとメイは唐突に仲直りする。
ゼルダの一件でペリーはクビになりかけるが、メイのお陰で復職できた。

認知症のサリータが、また夜中にマッチで遊んでいて、とうとうボヤ騒ぎを起こす。
舞台の一部(前面)に燃えかすが残り、みんなは寝ていたところを起こされたらしくガウン姿。
サリータは、もうここにはいられなくなり、別の施設に移ることになる。
医者が迎えに来ると、彼女は白いドレス姿で階段を降りて来る。
また芝居をひとくさり。
みんな、医者に言われた通り、さよならは言わず、いつもと変わらぬ自然な様子で見送る。

クリスマス。ゼルダがシャンパンをひと箱(!)プレゼントに持参する。
結局あの後、この施設についての記事を書いて載せたので、そのおわびらしい。
しかも院長に2万ポンドの小切手を渡す!
彼女の上司のサー何とかからで、目的はサンルーム建設のためのみ、との条件で。
みな喜び、早速シャンパンで乾杯し、アイリッシュダンスを踊り出す。
3人が踊るうち、ディアドリー(藤夏子)が倒れる。
ブランデーを飲ませようとするが・・・。

半年後、舞台奥についにサンルームが出来ている。
だが、みんなは暑い暑いと言って、中に戻って来る。
ロッタの最初の夫との間の息子アランが訪問。
17年ぶり。
シンシアと結婚して二人はカナダに住んでいた。
息子の突然の訪問に驚いた母は、彼を抱きしめ、座らせるが「何しに来たの?」
「母さんをここから出すためだよ」
「こんなところにいるなんて全然知らなかった」
彼らはゼルダの書いた記事を読んで驚き、相談した結果、ロッタを引き取ることにしたのだった。
だが母は「ここはそんなに悪いところじゃないわ」
彼女は息子の申し出を丁重に断る。
彼が持参したシンシアの手紙を読み、「返事を書くわ」

離婚後、息子は父親に引き取られていた。
彼はお父さん子だった。
「離婚の時、どっちの親と暮らすか選ぶ時、あなたは父親を選んだ」
「自分で十分考えられる年齢だった」
二人は長い間、離れて生きてきた。
その時間はとても簡単に埋められるものではなかった。
「あなたが切符を送ってくれたら私がカナダに会いに行くわ。シンシアに、そして孫たちにも」
・・・幕

とにかく長かった。
あれもこれも詰め込み過ぎという印象が強い。
そもそも原作自体が悪いのか、演出のせいか、役者たちのせいなのか。
さらに、ボケた人を演じているのか本当にボケちゃったのかわからない人たちもいてびっくり。
セリフが出て来ず、芝居が止まるかと、ちょっぴりハラハラさせられた。
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