ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

2015-07-08 23:41:30 | 芝居
5月11日下北沢OFFOFFシアターで、トム・ストッパード作「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」をみた(演出:鵜山仁)。

シェイクスピア「ハムレット」に学友として束の間登場する端役、ロズとギル。主役たちが表舞台で活躍しているその裏で、すでに
書かれている運命も知らず、ただ大きな流れに翻弄され、退場することも許されずに行き暮れる二人。
俺たちは誰だ、ここはどこだ。
そして待ち伏せる唯一の退場「死」に気づいた時、二人は…。(チラシより)

文学座の中堅俳優である浅野雅博と石橋徹郎による二人芝居。
この作品は、かつて生瀬勝久と古田新太が関西弁で演じた時に初めて見て、非常に面白かった。
今回、「ロズギル」と略して呼ばれているようだ(確かにこのタイトルは長い)。

最初と最後にチェンバロの曲。
人形使いの黒衣の人物が座長として登場し、かなりのセリフをしゃべる。

何も知らず、大きな陰謀の中に「巻き込まれ」た二人。
不条理な死。いや人生そのものがすでに不条理。
哲学的なセリフに溢れ、ぐいぐい引き込まれる。
そもそも死というものについてのストッパードの感覚と表現が評者にとっては好ましい。同類という感覚。

かつて見た時、パウロについての挿話(彼がかつて迫害した人と天国で出会うという)があって印象的だったが、今回はなかった。
省略したのか。

二人共、素晴らしい集中力で熱演。
石橋徹郎は昨年「尺には尺を」で典獄役を務め、その美声とキレのいい演技で精彩を放っていたが、残念ながら、声のデカさは小劇場では
かえって邪魔。調整して欲しい。それと、いささか一本調子なのでメリハリが欲しい。

暗い話のようだが、意外にユーモアもあり、笑える所もいくつかある。
さすが鵜山仁。非常にスタイリッシュな舞台だった。

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