ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

映画「スラムドッグミリオネア」

2011-05-22 16:13:46 | 映画
先日テレビで、映画「スラムドッグミリオネア」を観た。

いきなりの拷問シーンにはビビッたが、あっさり描かれていて助かった。
独特のリズミカルな二拍子の音楽が快い。

警察で尋問を受ける青年ジャマールと、クイズ番組に出演している彼、そして彼のこれまでの生い立ちとが交互に描かれる構成が面白い。
インドの少年ジャマールは、宗教対立で母を殺され、兄サリームや同じ境遇の少女ラトナと共に路上生活者となる。そこに男たちが現れ、食べ物や寝る場所を与えてくれる。子供たちは彼らを神様かと思うが、実際は孤児たちを集めて乞食として働かせるグループだった。その親玉ママー役はチェ・ゲバラ似の男優。

インドにも人権団体が存在するらしいが、とにかく人権が尊重されるという保証がまるでない国に生きる恐さをひしひしと感じた。宗教対立から人々が殺し合ってるそばで警官たちはのんびり遊んでるし、銃も手に入るようだし、法律はあるんだか無いんだか・・・白昼女の子が車でさらわれてもその場に居合わせた人々は無関心だ。ここ日本では想像できない。何とも恐ろしい。

主人公はなぜクイズ番組に出たのだろうか。普通なら賞金目当てだろうが、彼には別の意図があった。彼は一途ではあるが、ちょっとどうかと思うほど浅慮で、先のことをまるで考えずに行動するので見ている我々をハラハラさせる。人物像はさほど深くない。

クイズ番組での最後の問題が易し過ぎるのではないか、と思った。まあ、筆者にとって「三銃士」は小学生の頃の愛読書だったから特別かも知れないけど、人物名の語尾が同種類なので、たとえ知らなくてもすぐに分かるのではないだろうか。

最後はお約束の集団での踊り。これがインド映画か、と納得。本当にインドの人々は踊るのが大好きのようだ。
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