ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

ガラスの動物園

2012-05-03 10:24:40 | 芝居
4月3日シアターコクーンで、テネシー・ウィリアムズ作「ガラスの動物園」をみた(演出:長塚圭史)。

彼の初期作品(1944年)の由。
大恐慌の嵐が吹き荒れた1930年代アメリカ・セントルイス。その路地裏につましく暮らす3人家族。
母アマンダ(立石涼子)は過去の華やかなりし思い出を捨てきれず、子供たちの将来にも現実離れした期待を抱く。
姉娘ローラ(深津絵里)は極度に内気で、ガラス細工の動物たちと擦り切れたレコードが心のよりどころだ。
息子トム(瑛太)は詩を書く文学青年だが、出奔した父親の代わりとなって生活を支えており、母と姉への愛憎と
惨めな現実への閉塞感を常に抱いている。
ある日、トムは母の言いつけで会社の同僚ジム(鈴木浩介)を夕食に招待する。ローラに会わせるためだ。
この別世界からの訪問者によって、この家族に束の間の華やぎが訪れたかのようだったが・・。
「追憶の中で生き続ける切なく哀しい家族の肖像。劇作家の自伝的代表作」とのこと。

灰色に塗り込められた室内(美術:二村周作)。奥に縦長の細い窓が一つ。なぜか街灯が一つ。窓のそばに机といすがあり、
タイプライターが置いてある。これをトムが打つ。
静かな曲が流れ出すと、白装束の不気味な人々(ダンサーたち)が出てきていろんな動きをする。家具を運び入れ、移動し、
役者に物を手渡したり。

立石涼子は声がよく、立ち居振る舞いもこの役になり切っていてまさに適役。
瑛太は声よし、滑舌よし、おまけに動きもよくて驚いた。この人はただのイケメンではなかった。ただ、あんまり
詩人っぽくはない。ふつうに常識的な現代の若者という感じ。だから観客の共感を大いに呼ぶ。
深津絵里は異常にゆっくりしゃべり、いかにも普通じゃない。単に社会的適応性がないだけでなく、知能も低そうに
見えるが、果たしてそれでいいのか。

演出には大いに疑問あり。あのダンサーたちの群舞は一体何なのか。全く無意味、どころか邪魔なだけだった。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5時のお茶~キャサリン・ヘ... | トップ | シンベリン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

芝居」カテゴリの最新記事