NHKスペシャルの↓
見ました?(一週間くらい前にやっていたやつ)
あれ見ると、NHKが2019年以降の日本の音楽革命を全く理解してないんだなってことがわかります。
それがわかんないと、今の日本の音楽シーンにはついていけないから、
紅白とかで、まったく的外れなキャスティングや演出しちゃうよね!
その結果がYOASOBIの紅白の演出と視聴率最低だと思うけど、
そのへんの理由が、よーくわかる番組でした
(そういう意味ではいい番組?皮肉的に…)
つまり、K-POPがビルボードNO1になり、
海外で爆発的に売れているけど、その理由は何で、
J-POPがなぜそれに追随、競合するマーケティングを取らなくなったのか
(2019年以来)
その結果、J-POPは革命といわれる音楽的変化を経て、
今、どこへ向かっているのかが、まったくわかってないで、
K-POPの売れている理由を、NHKが追いかけちゃってます。
それじゃ、韓国とKPOPが好きな人だけには受けますが、
多くの日本人にとっては???な番組になってしまいます。
たぶん、今年の紅白、
多くの人にとって、???な演出や歌が多かったんじゃない?
なぜ、Perfumeがあの歌?
なぜ、緑黄色社会にチアリーダー?
なぜ、趣里さんが出ないで、伊藤蘭さんが出る?
なぜ、純烈がQRコード?
なぜ、ADOさんが、本願寺で歌う?
なぜ、K-POP歌手ばかり出てる?
そしてきわめつけ、
なぜ、YOASOBIの周り、K-POP歌手があんなにダンスしてる?
その辺が一挙に謎解きできます。見ててね!
そのNHKスペシャルの番組では、
ビルボード1位は、上を向いて歩こう
その後1位は
BTS 以降、K-POPは世界を目指し、1位・上位に食い込んでいく歌手
が出てくる話を展開しています。
このK-POPの手法は、実は日本も、アイドル歌手やAVEXなどが
取っていた手法で、
・徹底したマーケティングで市場のニーズを探り、
・どのようにしたら、世界市場で売れるかを徹底的に研究しまくり、
・そこから、売れるグループの型を作り、
・その型にあったタレントを競争で選び、
・世界的マスマーケットに向けてマーケティングをしていく
という、消費者志向に合ったマーケティングに基づいた、
歌謡エンターテイメント産業による、アイドルづくりです。
その結果、
・ダンスを中心としたエンターテイメントの華やかな曲で、
・BPMを抑えた、ゆっくりめ(じゃないとダンス踊れないけど)
・歌詞はBPMが低いので、多くの言葉は盛り込めないうえ、
簡単な内容で
多くの人に共感される、夢のある曲
・韓国・日本・アメリカはもちろん、世界中に受ける歌
→ビルボード1位が目標
という感じになっている、つまり、
・みんなの共通項的な夢を乗せた、世界的なマスマーケットに受ける歌を作って、
・明るく、エンターテインメントたっぷりな歌唱グループを企画し、
・その企画(というより規格?)に沿ってタレントをはめ込み、
・世界一を狙っていっている。
というやり方です。
だから、アーティスト個人は、本当は誰でもいい。
例えばNewJeansのコンセプトは10台の女の子の感覚を、そのまま歌うということなので、今のメンバーは、20代になったらお祓い箱、使い捨てになることを前提に流行っている。
ほかのグループもそう。グループコンセプトが重要だから、メンバーチェンジが盛んだし、曲が異様に明るく、ダンス中心のエンターテインメント曲になっている。
これは、社会が1つの目標に向かっているアジア(中国、韓国、インドネシア、ベトナム)では大成功する。なので、K-POPは世界で、「少数のメンバーが」ビルボード1位になり、爆発的にはやっている。
昔は日本もこのマーケット戦略だったんだけど、
2019年の革命を経て、今はこの戦略を取っていないグループが中心になっている(坂道グループなどは、上記K-POPに近い戦略なので、すべてではない)
どうして日本は変わったのかというと、2つの理由がある
■理由1 ほかのアジアと違い、日本の将来はさておき、自分の未来にまったく希望が持てない人たちが、若者世代を中心に、あからさまに多くなった。
その人たちの明るい希望のある歌を歌っても、まったく心に響かない
具体的に言えば、いじめられて、引きこもりになって、リスカしている人に、「明日があるさ」とか恋愛の楽しい場面を歌われても、まったく共感できない。
これによって、日本は、韓国のような世界的なマスマーケットを狙う戦略をとれなくなりました。
2000年代初めくらいまでは、日本にもマスマーケットはあったんだけど(だからAKBやExileが成功したんだけど)それ以降の日本は、多様な価値観、世界観が存在しすぎてしまい、マスマーケットはなくなり、小さなコミュニティ内で、圧倒的な熱量で流行るという形のマーケットが多数存在する形になっていきました。
そのような社会の流れに呼応して、音楽シーンも、2019年ごろから、小さなコミュニティに対して、ネットを通じて、熱狂的に流行るという形が出てきました。
例えば、「まったく将来に期待が持てない人たち」(のコミュニティ)に寄りそう、夜系、絶望系の曲がガンガン出て来ました。
YOASOBIの「夜に駆ける」は、自殺する人の心情を歌った曲だし、
ずっと真夜中でいいのに。の「勘が冴えて悔しいわ」は、ネットいじめにあった人たちが、ACAねさんが、復讐していく曲。
そういう絶望した人たちの気持ちを代弁、寄り添う曲が数多く出てきて、本当に一部の人たちには熱狂的に支持されるようになりました。
(Adoさんのうっせいわとか、一連の曲もそう)
■理由2 日本は、ボカロPブームを経て、ものすごい早いBPMで、情報を多く盛り込む曲が多くなった。このため、曲が早くないと、「おそいなあ~」っていう感じになって、受けなくなってきた
たとえば、星野源の「アイデア」のBPMは、174なんだけど、
この辺のBPMが、最近の日本のヒット曲に多い
例えば、YOASOBIのアイドルはBPM 166→75→BPM 166(2:32~)
それに対して、K-POPのNewJeansのDittoのBPMは133.9
↑のサイトに同程度のBPMの曲が書いてあるけど、
・ビートルズ
・ジョンレノン
・マライヤキャリー
・ブライアンアダムス
・ダイアナロス
日本だと
・嵐
・サザンオールスターズ
・浜崎あゆみ
・倖田來未
・松任谷由実
・松田聖子
さすが、K-POP、世界的歌手のBPMをしっかり押さえてるけど・・・
逆に言えば、アイドルとか日本の曲は、その世界の中心のBPMより、恐ろしく
高いBPM(=早口の曲)を歌っていることになる。
これじゃ~、世界がついていけるわけがない(この30の差って、
すごいっすよ!うそーと思ったら↓のサイトで133と170の差を
実感してほしい。数字を合わせて、スタートボタンを押すと聞こえる
ね、半端なく違うでしょ!
133は世界ではやるっていうのはなんとなくわかるけど、
170は無理だよね~、そのテンポで今、日本の歌手は歌ってる
=おっさんにはついていけないわけよ・・・)
どうして、日本はこんなに早いテンポが流行っているかというと
ボカロPの影響と思われます。
日本では、初音ミクがはやった(ってことはNHKスペシャルでもやってたけど)ことにより、「こんな曲、うたえね~だろ!!」っていう前衛的な曲を「つみき」さんなどをはじめとして、作り出した。
・・・ところが、その早いBPMを歌える歌手が現れて来た。
(その一人が幾田りら=ikuraさん)
さらに、ゲームでは、もっとBPMの速い曲を使って、疾走感を出すようになってきた。そして、ネットで広まった。
そんなネット文化で生まれた曲が多くなり、そういう曲をみんなが聞いているようになると、「速い曲が当たり前」の世の中になってしまった。
結果として、若い人は早い曲、ネットでヒットするのは速い曲となり、日本全体が今、速い曲になっています。
BPMが早いということは、同じ時間でも、歌詞に載せられる言葉が多くなることを意味します。つまり、日本の曲は外国の曲より多くの言葉・情報が載せられます。
その結果、1曲の中で、アーティストが持つ世界観を埋め込むことができるようになりました。世界に比べ、日本の曲は濃い内容が伝えられるのだ!
さらに、ネット文化から発信される曲が多くなると、低価格でかつ少人数(極論言えばDTM使って1人で)曲を作成・発信できるようになります。
このことは、無名アーティストでも簡単に音楽を制作・発表できることを意味しているし、さらに著名な歌手でも、昔なら1曲にかかる費用が高かったので外せないけど、安い費用で出せるなら・・・実験的な曲も多くなる!
この結果、日本では、自分の作りたい歌を、DTMを使って低予算でネットで発表し、それにそこそこの人数のファンがついて、そこそこヒットするという流行り方が爆増し、それはスタンダードになりました!
AYASEさん、米津玄師さん、ACAねさん(ずっと真夜中でいいのに。)、Adoさん・・・もう、挙げればきりないですよね・・
これらの人たちは、エンターテインメントやマーケティングとは全く関係なし!
自分たちの作りたい曲を、自分たちの世界観で作っていき、その曲に共鳴を覚えた人たちが小さいコミュニティを作って、ライブや物販購入でそこそこ支えているっていう形で活動しています。
そして中には、そんな中からメジャーになる人も出てくると・・
そして、この世界観が多種多様!絶望系のような、今まで世界的になかった世界観もそうだし、「打首獄門同好会」のように、ありそうでなかった曲なんかも出て来た。
そして、従来のAVEX,ジャニーズを中心とした「歌謡エンターテイメント」という形ではなく、さまざまな世界観を持つ、小さいコアなファンコミュニティを持ったアーティストを広く長くマネージメントすることで利益を出して行くというソニーミュージックのような手法が、日本の音楽界の中心となって行った、これが2019年ごろにおこったJ-POPの革命。
なので、J-POPの特徴は世界観が多様すぎて「ない」。
唯一あるといえば早いBPM
そして、このような音楽シーンに目を付けたのが、ドラマやアニメの制作者です。ドラマやアニメではたくさんの音楽を必要とします。少なくとも主題歌と挿入歌は必要です。
製作費は少ないので、その中に音楽に駆けられる費用も少ないです。
従来の日本やK-POPなどの「歌謡エンターテイメント」の場合は、1曲作るのにたくさんの関係者が必要になるので、たくさんの費用が必要になります。また、そのような場合は、音楽も当たる歌、つまり明るい夢のある歌が求められますが、ドラマによってはそういう曲が合わない場合もあります(いじめのドラマとか)。なので、おいそれと主題歌を作ってもらえませんでした。
音楽はCMで流れる感じも多かった
それに対し、今のアーティストは、自分で曲を作って歌うので、アーティストの持っている世界観と、ドラマやアニメの持っている世界観が一致すれば、ドラマにあった曲を、1人(1組)のアーティストで、たくさん低価格で作ってもらえます。
アーティストも様々、世界観も様々ってことが、ドラマも様々ってことにマッチして、現在のJ-POPはこぞってドラマの主題歌・挿入歌・エンディングソングとなって行ったし、これからもなっていくことでしょう。
ただし、ここで大問題が起こりました。
ドラマの主題歌になった場合、そのドラマが流行らなかったら、
どんなにいい歌でも、みんなに聞いてもらえません。
そして、今、ドラマの視聴率は、鬼のように低いです。
視聴率5%って、ざらにあります。5%って、20人に1人しか見ないってことです。40人クラスだったら、同じドラマを見ている人は2人しかいません。
80年代、90年代に小・中・高校生だった人には信じられない状況です。その当時は学校でドラマの話などよくしていたと思うんですけど、そんなことあり得ないわけです。なんたって、クラスで同じドラマを見ている人は2人だけなのですから・・・超盛り上がりません。。。
なので、そこに流れる主題歌なんて、まったく話題にならないわけです。
でも、アーティストから見ると、その曲はアルバムやEPに入れればいいし、そうすればコアなファンには聞いてもらえるし、ライブでも歌えるから、それでいいわけです。
でも、コアなファンにしか広がらないので、ビルボードのようなチャートには入らないわけです。
(くどいけどでも、アルバムやEPには入って、コアなファンはそれらを買うし、ライブにも足を運ぶから、アーティスト的には生活できるので、問題はないわけ)
ここで、例外があります。
例外1 アニメがヒットした場合、コアなファン以外でも、そのアニメを見る人は主題歌を聴くので、聴いている間にいい歌に思えてきて、配信で多く聞かれるようになり、チャートに上がるようになる
→つまり、日本においては、チャート上位の曲は、流行っているアニメの主題歌、エンディング曲が多い。
例外2 一般的には、小さなコミュニティで流行るんだけど、お金を持っている50代以上にも受ける歌の要素が入っている場合、50代の子供である10代にも支持を受け、全年代層で大ヒットになる。
この50代の人に受けるのが、133程度のBPM、はっきり言うと、ちょっと遅めのBPMと、和テイスト、歌謡曲テイストが入っている曲です。
YOASOBIの曲は、ikuraさんの歌い方が、歌詞をしっかり伝える歌い方をするため、BPMが早くても、昔の歌謡曲のように効きやすいです。そして、AYASEさんのヨナ抜き音階は和テイストで、50代の人にも聞きやすいわけです。YOASOBIのアイドルは、例外1,2を満たし、大ヒットしました。
新しい学校のリーダーズは、実はBPM130で、
J-POPの歌い方(往年の山口百恵のような)で歌っています。
つまり、例外2にハマっています。ただし、振り付けは全部グループ内でかんがえているとか、革命後のアーティストのような部分もあります。
昔のJ-POPと今のアーティスト両方の部分を持っているから、大ヒットしているようです。
(大ヒットしている他のアーティストでも、歌は50代向けのBPM遅め、でもクループとしては最近のアーティストのようなコアファン向け+ライブで生計を立てるっていう形があります。例えばMrs.GREEN APPLE)
まとめると、
・K-POPは世界を市場とした、マスマーケティング向けの「歌謡エンターテインメント」そのため、数字(ビルボード)とかはよく、世界的には売れるが、多種多様に絶望的な日本人の心をつかむことはできない。
・日本の最近の曲は、各アーティストの多種多様な世界観を反映したものであり、そこにコアなファンが結びついて、ライブや物販など、大きなお金を落とすので成り立っている。このような小さなマーケットがたくさんある形のマネジメントに強いソニーミュージックが現在、歌謡界をけん引している。
ただし、数字的に見ると、多くの曲がドラマやアニメの主題歌になっているため、ものすごく売れたアニメの主題歌を除き、数字はドラマの視聴率に大きく影響され、伸びない。
ってこと。
NHKがこの日本の変化に気づかず、今までと同じように選曲・番組作りをすると、
海外ではK-POPが売れているので、K-POP中心に歌手を選んでしまう。
でも、韓国K-POPは共通なマーケティング認識の上になりたっているので(=ダンス中心の歌謡エンターテインメントグループ)、日本人から見ると、名前は違うけど、同じようなグループが何種類もでているので、「なんでK-POPばっかりこんなに出ているの?」って感じになってしまう。
さらに、日本の歌手を選ぼうとすると、数字を持っているのは↑で説明した通り、アニメ主題歌。でも、アニメは多種多様なので、その主題歌を歌う人も多種多様。結果としてアニメ主題歌上位からとってくると、有名どころの歌手を何の脈絡もなく捕まえる感じになってしまう。
今年の紅白、まさにこんな感じでしたよね
あと、演出も昔の「歌謡エンターテインメント」時代の演出に引きずられていた感じ。だから
なぜ、Perfumeがあの歌?
NHKサイドとしては、いつものPerfumeとは違う、最近はやりのライブ感のあるPerfumeを見せようとしたが、
Perfumeファンコミュニティとしては、Perfumeらしい音階の曲というものがあり、それではないうえ、Perfumeの見どころは、3人のダンスなのに、それがみれないって・・・なぜ?なぞの演出
なぜ、緑黄色社会にチアリーダー?
緑黄色社会は、若い人のファンが多い。そこで、NHKサイドとしては50代のエロエロおじさんにみてもらうために、チアリーダーでお色気出したんだろうけど、エロエロおじさんの自分から言わせてもらうと、緑黄色社会が見たい人の見どころは「長屋晴子さんの歌」と「メンバーの軽音のようなノリ」。
だから、長屋さんにチアリーダーが被るなんてことは、ありえないことだし、メンバー映さないで、チアリーディング映して・・・NHKなにしたいわけ?となる。
なぜ、趣里さんが出ないで、伊藤蘭さんが出る?
NHKサイドとしては、伊藤蘭さんを出して50代以上の人を引き付けたいんだろうけど、50代の自分でも、趣里さんの歌のほうがよかったなあ~
キャンディーズは3人そろってキャンディーズなわけで、それができない今、あえてやらなくても…
なぜ、純烈がQRコード?
NHKは先端技術というつもりでやったのかもしれないけど、
一般人にとって、(純烈ファンじゃなくても)テレビ見ているときにQRコードを読み込んでスマホを見る余裕はない。
ファンじゃないけど、もっと純烈の歌をじっくり聞きたかった・・・
なぜ、ADOさんが、本願寺で歌う?
いや、本願寺でうたったら、アドじゃなくって、シテだろう(^^;)
って、NHKは気が付かなかったのだろうか。
ファンは、そんなADOさんを見たいのではなく、
動画(こっちがシテ)の脇で歌うAdoさんが見たいのに・・・
なぜ、K-POP歌手ばかり出てる?
NHKは、ビルボード上位という意味で上から著名なのを何人か選んだんだろうけど、上にも書いた通りコンセプトが同じなので、日本人の目から見ると、どれも金太郎さん飴状態。みんな同じに見えるから飽きる
そしてきわめつけ、
なぜ、YOASOBIの周り、K-POP歌手があんなにダンスしてる?
YOASOBIを見ている人は、ikuraさんのかわいいパフォーマンスと、周りのサポートメンバーの様子(とくにベースの山本ひかりさんと、キーボードのざくろさん)が見たいのに、あんなにK-POPの人が出たら、そのパフォーマンスが見れない・・・本当にあのKPOPの踊りじゃま!
・・・って思うけど、「歌謡エンターテインメント」中心主義のNHKの考えだと、KPOPのダンスのうまさ(そんなの「アイドル」に要求していない)が冴えるエンターテインメント性の高いいいステージだと思ってるんだろうなあ・・・
こんだけ、意識違っちゃうと、来年も選曲も演出もはずして、
視聴率下がっていくんだろうなあ~と思う
このほかに、なぜ新しい学校のリーダーズやYOASOBIがインドネシアで流行るかの理由について書きたかったんだけど、もう、書きすぎているので、別の機会に書くこととして、今日はこの辺で…