青少年なやみ相談室

相談室だより

今年の冬至は12月21日です

2024年12月01日 10時00分00秒 | vol.191~200

 今年のカレンダーも、残すところ1枚となりました。夕方4時を過ぎると、あっという間に暗くなり、日が短くなったなぁと感じます。早く冬至が過ぎて、また日一日と日が長くなっていくのを心待ちにしているのは、私だけでしょうか。

 今年の冬至は12月21日(土)。冬至は一年で昼が最も短く、夜が最も長い日で、この日以降、徐々に日が長くなっていきます。よって古来より冬至は、太陽の力が一番弱まる日とされ、この日を境に再び力が蘇り、運気も上昇する縁起の良い日とされています。

 運気上昇、無病息災などを願って、冬至を祝う風習は世界各国でみられます。中国では「冬至節」と呼ばれ、家族で餃子を食べたり「冬至団」という湯円(タンユェン:白玉粉で作られた丸い団子のスイーツ)を楽しんだりする風習があるそうです。また、北欧では「ユール」と呼ばれるお祭りがあるそうです。

 

 さて、日本ではどうでしょう。冬至にカボチャを食べると「風邪を引かない」「福がくる」とよく言われます。ビタミンやカロテン、カルシウムや鉄分などが豊富で栄養価が高く、長く保存できるカボチャは昔から重宝されてきました。夏が旬の野菜ですが、昔の人は太陽の恵みをたっぷり受けて完熟したカボチャを冬至まで保存し、緑黄色野菜の少ない冬場に備えたのです。

 冬至に食べるとよい食材は他にもあります。「冬至の七草」と呼ばれる食材があるのはご存知でしょうか。「ん」が2つ付く食材を冬至に食べると運気(ん)が上がる、たくさんの運気(ん)が呼び込めるなどと言われているようです。そんな「冬至の七草」は次の7つです。

  なんきん(かぼちゃ) れんこん ぎんなん にんじん きんかん かんてん 

  うんどん(うどん)

 

 日が短くなり心細さを感じる今日この頃ですが、冬至の日には「冬至の七草」を食べて、風邪を防ぎ運を呼びよせ、ゆず湯に入り体を温め、慌ただしい年末を元気に乗り切りましょう。そして、皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。 

 

 

*参考*

「冬至の七草」があるのをご存知ですか takii.co.jp (2024.11.19アクセス)

冬至とは?2024年は12月21日 skywardplus.jal.co.jp (2024.11.19アクセス)


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秋のたのしみ

2024年11月01日 10時00分00秒 | vol.191~200

 朝夕めっきり冷え込んで、シンとした空気を吸い込むと、これから訪れる冬を思い、身が引き締まるようですね。つかの間の秋をみなさんはどのように楽しみますか?

 すっきりと晴れた空や、街路樹の紅葉、実りの季節で食べるものが美味しい季節です。日中は暖かい日が多く、なにもせず穏やかに屋内で過ごすこともいいですね。

 「たのしみ」というと、なにか特別に準備をしたり、どこかへ出掛けたりする前提で考えるかもしれませんが、なにもない心地よさを楽しむことができるのも気候のおだやかな秋ならではなのではないでしょうか。

 厳しい暑さがなく、厳しい寒さがない。厳しさが「ない」気楽さ。心地よい環境に身を置いたら、どんなことを思うだろう?気ままに過ごすとはどんなものだろう?やってみたくなりませんか?これは、考えてもわかりません。

 気候が良い日は散歩をするのもおすすめです。散歩は、お年寄りの人のするものというイメージがあるかもしれませんが、若者だって、子どもだって、大人だって散歩をしていいのです。

 屋内でも屋外でも、自分にとって心地よい環境に身を置いて、どんなふうに過ごしたか、どんなことを思ったか、景色がどんなふうに見えたかをメモなどに残してみましょう。やりたかったことを思い出したり、ふと「あれやってみよう」と浮かんだものでもいいですね。誰かに見せる必要はありません。ただ、自分から湧き出たアイデアは、書き出せばそれだけでこの世に「あった」ことにできるし、書かなければ「あった」ことになりません。心にうかんだことは事実なのに、言葉にしなければまだ「ない」のです。メモに残すと「なかった」ものを「あった」にすることができます。面白いですね。

 この秋の季節に「予定のない時間」を予定して、心身をひとときでも、いたわって楽しんでみてはいかがでしょうか。


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熊と人との共生を考える

2024年10月01日 10時00分00秒 | vol.191~200

 近年、熊の出没数が過去に例を見ない程に増加していることが、ニュースやメディアでよく取り沙汰されています。農作物が荒らされ、人的被害も増え続けています。かつて生きる術として行われてきた熊の狩猟は、「生業」から「害獣駆除」へと目的を変え、熊たちは、いまや食用として尊ばれる「生きる糧」ではなく、生活を脅かす「害獣」として認識されるようになりました。以前のように、人と熊とがうまく距離を保ちつつ共生することは、もう叶わないのでしょうか。

 縄文時代の一万年以上を生き延びてきた日本人の狩猟文化は、近現代ではほとんど消滅してしまいましたが、近代最後の狩猟集団として、東北地方の「マタギ」と呼ばれる人々が知られています。自然との共生を旨として生活していた彼らは、どのようにして野生動物との共存を計っていたのでしょうか?

 自然を敬い慈しみながら生きたマタギ達には、日頃から多くのしきたりがありました。動物を山の神からの授かり物とし、必要以上の乱獲を避けました。狩猟で得た熊は食用や衣類や道具として全てを利用し、儀式を行ってその魂を敬い大切にするよう努めました。収穫があると、村をあげての宴が数日催されたといいます。マタギ達にとっての猟は、自然の恵みを得ると同時に、自然に対して持つべき尊敬の念を後の世代に継いでいくことでもありました。

 近代化が進み、生活様式が変わりゆく中、自然環境の持続可能な利用を急務とされる私たち現代人の学びとして、自然と共に生きたマタギの哲学や心得を心に留めてみてはいかがでしょう。熊が人を脅かす被害は直ちに減らせるものではないですが、一人一人の心の持ちようが、これからの自然と人間との共生を形作っていくのではないでしょうか。

 

<参考>

田中康弘(2013)『マタギとは山の恵みをいただく者なり』株式会社枻出版社

千葉克介(2019)『消えた山人 昭和の伝統マタギ』一般社団法人 農山漁村文化協会


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誰かに話を聴いてもらいましょう

2024年09月01日 10時00分00秒 | vol.191~200

 みなさんは、困った時やつらい時など、どうしていますか?一人で抱え込んでしまったり、気晴らしに他のことをしたり、乗り越え方は人それぞれだろうと思います。でも、困った時やつらい時など、心のモヤモヤがずっと続くと、ストレスがたまってしまいますね。

 そんなストレスをためない方法として、「誰かに話を聴いてもらう」という方法を紹介したいと思います。「え!なんでそんなことが?」と思われるかもしれませんが、実はこの方法は、かなりの威力をもっているのです。

 「ねぇねぇ、ちょっと聴いてよ」と言って、バーっと話すと、なんかホッとしたようなスッキリしたような気持ちになった経験は、みなさんにもあるのではないでしょうか。「話す」という言葉の同音異義語に「離す」「放す」というものがあります。どうやら人に何かを「話す」ことは、心のモヤモヤを自分自身から「離す」「放す」意味合いがあるようなのです。

 そうは言っても、人に話すというのはハードルが高いものですし、話すだけでは何も解決しないし意義がないようにも感じます。また「これ話していいのかな」「言わないでおこうかな」と、いろいろ考えてしまうこともあり、話すだけというのは簡単なようでいて、できないことが多いものです。

 ですから、何かを順序だてて話したり相談するというよりも、まずは抱えている心のモヤモヤを「離す」「放す」ことから始めてみてはいかがでしょうか。もしも、そばに心のモヤモヤを「離す」人がいない、友だちや家族には「放し」づらい…そんな時は、<青少年なやみ相談室>に心のモヤモヤを「離し」「放し」ても、よいかもしれません。

 

 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

という俵万智さんの短歌があります。寒さも分かち合えば心のぬくもりに変わる、という意味の句だと仲淳氏(天理大学教授)は言っています。

 

 困った時つらい時は、誰かに話を聴いてもらって、心のモヤモヤを分かち合いませんか。

<青少年なやみ相談室>もお待ちしています。

 

<青少年なやみ相談室>

*相談時間(電話・来所)*

  月~金10:00~18:00

  土・日10:00~16:00

※休室日 年末年始、祝日、アイーナ保守点検日

*メール相談は24時間OK

 

*参考*こころの健康法(CRADLEより)|天理大学(アクセス日時 2024.8.20)

 


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ご当地ソフトクリームはアイドル説?!

2024年08月01日 10時00分00秒 | vol.181~190

 ご当地ソフトクリーム、お住まいの地域にはどんな特色のソフトクリームがあるでしょうか。また、推しのご当地ソフトクリームはありますか。

 各地の「道の駅」や「産地直売所」でも、夏にぴったりの様々な冷たいスイーツが販売されていますね。中でも「ご当地ソフトクリーム」は、地域の特色や食文化をたくさんの人へ伝える、魅力的なアイドルのような役割をしていると言えるのではないでしょうか。

 ご当地ソフトクリームがどのようにアイドルの役割をするのかというと、まずは「アイドルの原石」となりうる、農水産物の存在です。地域の人々が親しみ育て、食やくらしを支えてきた農水産物は、普段その地域を中心に食べられていることが多く、ご当地の「アイドルの原石」であり、地域の人々に命と豊かさを与えてきました。この農水産物が活躍の場を、食卓から「ご当地ソフトクリーム」に変えることで、たちまち訪れる人に魅力が伝わりやすくなります。

 たとえば遠野市のわさびソフトクリームも、遠野市で生まれたアイドルのように訪れる人々とご当地をつなげています。まず、わさびとソフトクリームという組み合わせが、訪れた人へ驚きと好奇心を与えます。さらに「手渡し」という提供方法は、さながらアイドルの握手会のように直に魅力が伝わります。「どんな味がするのか」「意外と合うね、美味しいね」「この土地ではワサビを育てているんだね」「水が清らかな土地なんだね」といった会話が生まれたり、地域の特色へ理解が深まります。農水産物を育てている人にとって、生産したものが楽しく豊かなものとして人々に親しまれるのは、とても嬉しいことでしょう。

 みなさんも、この夏休みを利用してご当地ソフトクリームを味わいに出かけてみてはいかがでしょうか。農水産物に込められた地域の人々の愛情に、触れることができるかもしれませんね。


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