「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

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「西明寺」(さいみょうじ)

2007年11月15日 00時19分34秒 | 古都逍遥「京都篇」
 高尾山仁護寺、栂尾山高山寺とともに三尾の古刹のひとつとして知られる槇尾(まきのお)西明寺は、真言宗の寺。
 周山街道から清滝川の方へ坂道を下り、料理屋さんを越えたところに西明寺へ続く朱色の指月橋が見える。橋の手前に大きな「栂尾山聖天堂」の石標がある。拝観料(400円)を払って参道の石段を登ると、新緑の楓に覆われた山門が迎えてくれる。

 西明寺は、天長年間(824~34)に空海の弟子・智泉大徳(ちせんだいとく)が神護寺の別院として創建したのが始まり。その後、荒廃、中興を繰り返して正応3年(1290)に 後宇多(ごうだ)上皇から西明寺の寺号を賜り神護寺から独立した。
 その後、永禄年間(1558~70)に兵火にみまわれて焼失したが、慶長7年1602)に明忍法師により再興されている。

 現在の本堂は、元禄13年(1700)に5代将軍徳川綱吉の生母・桂昌院の寄進により再建された。表門は一間幅の薬医門で、本堂と共に造られた。
 唐様須弥壇上の本尊木造釈迦如来立像(重要文化財)は運慶が彫った清凉寺式の立像(像高約52㌢)といわれ、本堂に千手観音(重文・藤原時代)、愛染明王とともに安置されている。

 本尊の前に座って、時を止めてしまったかのような静寂の中に身をゆだね瞑想にふけると、深い森のどこからかさえずる鳥の声が、清涼感となって伝わってくる。なんとも美しい時間を過ごしている。

 見所は、清滝川のせせらぎと共に、春の桜や三つ葉つつじ、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季を通じて自然を楽しめる静かな山寺である。

 所在地:京都市右京区梅ヶ畑槙尾町1。
 交通:市バス8系統「高雄」下車徒歩15分、JRバス「槙ノ尾」下車徒歩3分。
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