大衆演劇を見るのは三度目になる
焼津黒潮温泉へ午後から出かけて夜の部だけを見た
風呂に入り食事も済ませ テレビつきのシートで時間をつぶした
始まる少し前に大広間に入った『大入り』の垂れ幕が下がった
チビリチビリ飲みながらよろしくやっている人の横の席が空いている
そこに座った 一緒に飲みたかったが 帰りが車では飲めない
「注文するなら早い方が良い」とアドバイスしてくれたが
「食事をしたので」と断り 給茶器のお茶をコップについだ
それを飲みながら 芝居の始まるのを待った
劇団は毎月変わる 先月とは違う劇団が演じる
「この劇団はあまり面白くない」と隣の人が言う きのうも見たらしい
芝居が始まった 16歳の花形はセリフが上手い 人情物で内容も良い
終わってから 隣の人に「どうでしたか」と聞いた「きょうは良かった」
2部の舞踊が始まった 前列に陣取ったおばさんたちは電装うちわや
ぺンライトを振って身体を揺らす 横を見ると隣の人も拍手している
おばさんが役者の懐に万札を2枚付けた次に3枚差した 子役にも渡した
一人で10万使った あのおばさんと仲良くなりたいと思った
今年は歌舞伎を一度も見なかった その分 大衆演劇を見た
どちらも同じようなもんだが 東京まで行かなくても見れる
それに大衆演劇には帰りの客送りもあるが歌舞伎にはない
役者全員が出口に並んでいる 「本当に16歳か」「そうです16歳です」
「宝海大空君と同じか」「そうです」など どうでもよい会話をして帰った