曽野綾子著「女も好きなことをして死ねばいい」
たぶん女の立場で書いた本 だろうと思って読んだ
好きなことをして死んでいった人生は最高に贅沢な生涯
多くの人は社会や身内が敷いたレールから脱線する勇気はない
自分にとって本当に生きたかった生涯はどこにレールが導かれているかもわからない
それは恐ろしく輝いているものである と冒頭に書いてある そして
いい加減がちょうど良い 正しい生き方をしなくてよかった 夫と暮らしてわかること
女の側の特権と幸福 女性にとって老いを生きるとは などの章に分けて載っている
年をとると友人も一人一人減っていく 誰はいなくても
ある日見知らぬ町を一人で見に行くような孤独に強い人間いなっていなければならない
大人になるということは求めて受けると同時に与える力を持つこと
幸福は与えるものでなく自分で取ってくるもの 同時に与える義務も負っている
世間は悪評のある人物には最初から期待しないから無理をしなくてよい
そして少しいいことをすれば意外に思ってもらえる そのために悪評のある当人は楽に生きられる
女性は年をとるほど身なりをくずしてはいけない
服装をくずし始めると心の中までだらだらしても許される気がしてくる
老年の衰えは 一つの贈り物 客観的な体力の衰え
機能の減少には積極的な利益も伴う 人間は自然にこれ以上生きている方が辛い
生きなくてもいい もう充分生きたと思うようになる
これ以上人間的な納得はない老年の衰えは一つの贈り物の要素を持つ
死後親の着物を何十枚残されて困っている子供もいる
財産でさえうっかり残すと後に残った遺族は手数がかかる
何も残さないのが最大の子ども孝行だと感じる
など 詳しく書かれ 女性のみならず人の生き方を示している本だ